感じるイタリアーロレーナ・アレッシオの世界ー

『♯5 サイゼリヤのリスタイリングvol.1』

“イタリアの住まい” は、私たちエントリエが住まいづくりをする上で大切にしている、「家族にとっての至福の時間」 「自分らしく生きること」と共通する想いでつくられています。それを私たちに教えてくれた、世界各地で活躍するイタリア人女性建築家である、ロレーナ・アレッシオさん。
今回は、ロレーナさんが手がけた、我々の身近にあるレストラン・チェーン店、サイゼリヤの改装プロジェクトについて紹介します。
*感じるイタリア ロレーナさんとの出逢いはこちら【https://entrie.net/italy/lorena01/

 

[SAIZERIYA]
クライアント:私人、(株)サイゼリヤ
デザイン内容:レストラン・チェーンのリスタイリング
会社のアイデンティティ・ガイドライン・マニュアル(建築デザイン、会社イメージ、グラフィックス)
プロトタイプ・レストラン
現存のレストランの刷新(*以下refurbishingは「刷新」で統一)
建築士:ロレーナ・アレッシオ
アート・ディレクター:ロザーリ・アレッシオ
デザインチーム:シルヴィオ・マルサニク、エレーナ・アッバーテ、キアラ・ブルザーティ、ヴェロニカ・コンバ
時期(デザイン):会社のアイデンティティー・ガイドライン – マニュアル− 2013年
プロトタイプ・レストラン − オープニング 2014年6月(東青梅)
実施 − 2015年より更に多くのレストランで
立地:東京、日本

このプロジェクトには、日本で1,000店舗を超えるイタリアン・レストランを所有する商業チェーン、サイゼリヤのリスタイリングが含まれる。
サイゼリヤは現在、中国、台湾、シンガポールにも展開中である。

プロジェクトは3つのフェーズに分けられる:
1. 「 会社のアイデンティティー・ガイドライン・マニュアル」の実現。すなわち、現在のレストランの刷新と(あるいは)新たなレストランの建造のために、全ての建築デ
  ザインの選択と、会社のイメージ(ピクトグラム、皿、カップ、メニュー、制服など)や、グラフィックスを定着させること。
2. プロトタイプ・レストランの実現。これは、マテリアル、建設メソッド、コストそして刷新後の売り上げを実証するためである。
3. プロトタイプ・レストラン刷新後、最初の半年間のテストを経て、売り上げ30%増を達成したので、サイゼリヤ社は東京にある他の6店舗の刷新も続けて行う決定をした。

コンセプトはイタリア人のライフスタイル、イタリア芸術、メイド・イン・イタリーの製品の分析に由来する。

レストランのイメージは、地中海を臨む都市や、葡萄畑・小麦畑・オリーブ畑の色のような、いくつかのイタリアの景色に由来する色と強く結びついている。
色を背景の壁に採用したり、イメージを洋式化して再現したものをガラス張りの部分に採用することを通して、イメージ自体が建築物の一部となるのだ。


プロジェクトは、「小麦」「葡萄」「オリーブ」が相互に組み合わさった「島々」から成っている。リスタイリングのユニークなイメージは、インテリア・デザインに多様性と柔軟性を与えつつ、数多くの店舗に用いられている。
フロア自体が、「芝生の上に」あるいは「ビーチの上に」というテーマとともに変化することも可能である。
(*印は、訳者註です)

訳:穴沢ジョージ

次回、♯6 サイゼリヤのリスタイリングvol.2 につづく・・・

*感じるイタリア ロレーナさんとの出逢いはこちら【https://entrie.net/italy/lorena01/

 

■Profile
Lorena Alessio (ロレーナ・アレッシオ)

創設者・建築家
プラット・インスティテュート修士号
日本大学博士号

1994年〜1998年の間、日本大学理工学部大学院博士後期課程建築専攻に在籍。現在は、母校であるイタリア・トリノ工科大学の建築・都市デザイン学部の准教授として教育に携わると同時に、トリノで建築・都市デザイン事務所を共同主宰。
トリノ工科大学での国際的な建築デザインワークショップの企画や運営、様々な地域で行なわれるワークショップなどへも積極的に参加し豊富な経験を持つ。日本、韓国、台湾、アメリカなどでシンポジウム、講演、国際ワークショップ、展覧会も積極的に行っている。また、日本の現代建築を世界に紹介する著作も多数。
日本が好きで、とても気さくな笑顔の絶えない方です。