リノベーションを成功させるヒント満載!
エイミー編集長の師匠である、建築士HIKOさん。
中古物件を自らリノベーションし、家族4人で暮らしはじめるも、
二度目のリノベーションをすることに!!
なぜ? どうして? どうなった?
家づくりのプロが、わが家に起こった物語をお伝えします。
#15 HIKOの建材選び “キッチン本体・設備機器”は、何を置いて、どう使う?
前回は、「キッチンレイアウト」についてのお話をしました。レイアウトが決まると次は実際に設置するキッチンの詳細を決めていきます。 |
HIKO:今回は、「キッチン本体・設備機器」のお話。まずはそもそもキッチン商品ってどんな選択肢があるの? というお話から。
①メーカーキッチン(システムキッチン)
主にカタログがあり、サイズが決まったBOXを組み合わせていく物。その中でも各メーカーで2~4グレード別に商品シリーズのラインナップがあります。
②オーダーキッチン(造作キッチン)
大工さんや家具職人の方の製作した箱に天板やシンク、加熱機器を組み合わせるタイプのキッチンのこと。自由度が高く、自分の要望に合ったオリジナルのキッチンを製作できる。造作キッチン専門の会社もあります。
①のメーカーキッチンは、カタログを見ただけでは「“グレード”といっても実際、何が違うの?」という印象をもつ方もいらっしゃるかもしれません。そんなとき、お客さまには「軽自動車と外車位、違います」とお話ししています。
どちらも使うには全く不便がないですが、例えば馬力が違う、シートの乗り心地が違う、オプション品の選択肢の幅が違うなどなど、使う人それぞれのニーズに合わせた選択をします。
キッチンも同じです。ぱっと見同じに見える商品も、標準グレードだとカタログに載っているレイアウトのみだけど、上位グレードだとカタログに載っていない変わった形にも対応可能とか、海外製の食洗器は標準グレードだと搭載できないなどそれぞれに特徴があります。また、ステンレスや人工大理石などの素材別の耐久性、収納バリエーションへの強みなど、各メーカーによって特徴があります。
②のオーダーキッチンは、空間デザインと素材・意匠を合わせる、変わったレイアウトのキッチンにも対応が可能となります。オーダーメイドなので、金額は①に比べお高めになってしまうこともあります。
条件を満たした、「オーダーキッチン」
わが家では、(#14でお話しした)換気扇のレイアウトに制限があり、2列型のキッチンを採用しました。それに加えて、もう一つ逃れられない難点として「狭さ」がありました。
工夫して何とか確保したキッチンスペースですが、やはり狭い!!
残念ですがこれはどうしようも出来ません。ただし、キッチン本体・設備機器に工夫をすれば狭くても使いやすいキッチンにできるはず!
ということで、まずはキッチンに必要要素をリストアップしてみました。
- シンク
- ガスコンロ
- 食洗器
- 家電置き場(電子レンジ、トースター、炊飯器、電気ケトル、コーヒーメーカー)
- ゴミ箱スペース(30L2台分)
- カトラリー等の引き出し
- お鍋、フライパン置き場
- 調味料置き場
…etc.
細分化するとキッチンに必要な要素っていっぱいありますよね。それらをどのように設置すればスペースを有効活用できるか、少し特殊な組み合わせには……? 何枚もスケッチを描いて考えました。
結果……既製品では無理そう(トホホ)
それでも、私のわがままを満たすには実は造作キッチンの方が安くつくという結論に行きつきました。
わがままかもしれません。でも毎日使うキッチン、使いやすいほうが良いに決まっています。それにご飯をつくるのが大嫌いな私! 少しでもテンションの上がる空間にしたいと、心を決めて造作キッチンに決定。こうなったら、思うがままにつくってもらいましょう!
HIKOさんが選んだ造作キッチン
そこで、今回採用したのは造作キッチン専門会社『システムズヤジマ』のキッチン。この会社の良い所は、造作キッチンなのにショールームがあるのです。引き出しの幅を確認したり、レールの閉まり方を体感したり、展示品を見ながら自分に合ったキッチンをオーダーできます。
そうして、ショールームで打ち合わせをし、つくってもらった図面をパース図に起こしたものがこちら(実際とは多少異なります)。
〈シンク側〉
①シンクキャビネット 下はオープンスペース。ゴミ箱とワゴンを置く予定です。
②食洗機 沢山の食器や大きなお鍋も洗いたいからフロントオープンの食洗機にしました
〈ガスコンロ側〉
①調味料置き場 小さなスパイスやオイルを収納
②ガスコンロ下 こちらもオープンスペース。ワイヤーラックを置く予定です。
③引き出し カトラリーや調味料を収納
④家電収納 キャビネット内に炊飯器とポットを置く予定。スライドして引き出せる。炊飯器の蒸気を逃がす蒸気排出ユニットを付けるので炊飯時でも引き出さず使えます。
⑤炊飯器上カウンター 電子レンジとトースター、コーヒーメーカーを置いて家電コーナーに。天板はかっこいいステンレスのバイブレーション仕上。シンクもステンレスの角シンク。扉は木目のメランミン化粧板、取っ手は真鍮製でラフな仕上げの物
こだわりを思いっきり詰め込んだキッチンスペースが出来上がりました!
たくさんの選択肢があるなか、指針がないと迷ってしまいがちですが、一度設置すれば何年も、毎日毎日、使うことになるキッチンです。納得するものを選んでいただきたいなと思います。もちろん、私たちもお客さまに合うキッチンを全力で考え、ご提案します。
予算や間取り、インテリアイメージから総合的に判断して「予算重視」にするのか、「使い勝手重視」にするのかを考え、いくつか提案させていただいています。
さあ、たくさん悩んで決断して脳みそとろけそうな建材選び。床、建具、キッチンと大きな商品は大体決まってきて形が見えてきました!
次回はとっても大切な「電気(照明、スイッチ、コンセント)」のお話です。
この記事を書いた人
●建築士 HIKO
HIKO(ひこ)。東京都内に住むホームテックの建築士でありentrie編集長エイミーの師匠であり、2児の母。訳あって、二度目のリノベーション中。
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