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SABOTENS まちのミカタ#14 芦花公園編

sabotensのまちのミカタ

SABOTENS まちのミカタ

落ちもん写真収集家の藤田 泰実さんと路上園芸鑑賞家の村田 あやこさんによるユニット・SABOTENS。
路上にはみ出す不思議なものを切り取り、写真やグッズ、メディア露出など、さまざまな手法で発信するふたりが、「知らないまち」を嗅覚だけで歩いてみた!

#14 芦花公園編

まちのミカタ14回目。今回の舞台は世田谷区にある「芦花公園」です。梅の花が咲く大きな公園の周りには閑静な住宅街が広がるこのまちは、気になる「落ちもん」の宝庫でした。

2016年結成。「落ちもん写真収集家」の藤田 泰実(よっちゃん)と、「路上園芸学会」の村田 あやこ(あやちゃん)による路上観察ユニット。室外機やアロエ、選挙ポスターなど、組み合わせると路上あるあるな風景が作れる「家ンゲイはんこ」をはじめ、路上をテーマにしたグッズ制作や国内外での作品展を行う。

お散歩見守り役:entrie副編集長 細野 由季恵

妖怪・永沢君に謎の遊具

今回の待ち合わせは、蘆花恒春園(ろかこうしゅんえん)。明治・大正期の文豪、徳冨蘆花​​が亡くなる前に夫婦で過ごしたという家と庭、墓地の周辺一帯につくられた公園です。じつは徳富蘆花は、SABOTENS村田の住む逗子にも一時住んでいたことがあり、逗子にも蘆花記念公園​​という公園があります。

ご縁を感じつつ、お散歩スタート。

村田:今日は晴れてよかった。

藤田:イエーイ! って、毎回天気の話をしてからはじまるね(笑)。どんだけ自分らが晴れ女かっていう話をして。

村田:ほんとだね(笑)。何回も聞いたことある話でも、その都度新鮮な反応しちゃうし。

藤田:わかる! あやちゃんの話で2、3回聞いたことある内容でも毎回「えっ!」って普通に驚いちゃう。

村田:私も同じ。「へえ〜〜〜」って(笑)。

毎度おなじみの展開に老いを感じるSABOTENS。公園内の八幡神社に目が留まり、散歩のスタートにお参りしていくことにしました。

村田:見て、ちびまる子ちゃんの「永沢君」みたいな木だ!かわいい。

細野:妖怪みたい。

藤田:「妖怪・永沢君」。これ、すごい大きな木だったんじゃない?

村田:きっとそうだね。もう生えないようにフタしてあるのかな。

▷粕谷八幡神社(東京都世田谷区粕谷1丁目6−4)

藤田村田:お邪魔します。

藤田:気持ちいいね。木が大きい。

村田:神社は木が大きいからいいね。落ち着くな。

▷立派なイチョウの大木

▷根っこも立派でした

村田:このイチョウの木は銘木百選だって。根っこが立派!

藤田:すごいね!

神社の中には狛犬やシーサーなどの置物もちらほら。

藤田:見て、頭だけになってる狛犬がいる。

村田:かわいい。アラレちゃんに出てくるキャラみたい……あれなんだっけ、足の裏が耳になってるやつ……。

藤田:あ、いるいる! 頭がお尻で……。

正解は「ニコちゃん大王」でした。

藤田:シーサーもいるね。高校の時、修学旅行で沖縄にいったとき、私だけ超でかいシーサーの置物買って。友だちに「よっちゃん、なんでそんなにでかいの買ってるの」って笑われたよ。

村田:持って帰るの大変だったね。

藤田:左右あったほうがいいかなと思って、2体対で買って。今も家に飾ってあるんだけど。

村田:2体も!手に持って帰ったの?

藤田:そう。お母さんに「何そんなの買って」っていわれるかと思ったら「いいじゃーん!」って(笑)。やっぱり血は争えない。

しばらく歩いていくと、公園の一角に気になる遊具を発見しました。

▷はじめて見る形の遊具

藤田:……あ、謎の遊具があるよ。

村田:マッサージローラーみたいなのがついてる。背中かき? 

藤田:犬とかネコとか、よく家の壁に背中を擦り付けるよね。

村田:やるよね。そうやって使うのかな(笑)。……「ツボローラー」だって、これ。

藤田:やっぱり背中グリグリやるやつだ。公園の中にこれをつくろうと思ったのがすごい。

▷「これは……いいのかな?」と、遊具を試しながら怪訝な顔をするよっちゃん
▷おもわず爆笑するあやちゃん

細野:あ、結構気持ちいい。

藤田:思ったより悪くないね。見たことない遊具ってあるもんだね。

▷なんともいえないシブい色味の遊具
▷遊具の上では梅が咲いていました。

やっぱり路上が好き
止まらない妄想

公園もいいけれど、やっぱりSABOTENSが気になるのは路上。というわけで、公園を出て周りのまちを探索してみることにしました。

村田:きれいなマンションが多いね。治安よさそう。

藤田:平和そうだね。この連載で一番最初にいった聖蹟桜ヶ丘の雰囲気にどことなく似てるような。

▷より集まる石にタイヤ
▷石とタイヤに引き寄せられるSABOTENS

藤田:かわいい、石たち。

村田:かわいい。どうしたんだろう。

藤田:「仲間」って感じしない?

村田:たむろしてる。

藤田:隣にはタイヤ。よし、「落ちもん」ってことにしよう。

村田:「第一落ちもん」発見。

藤田:どういう妄想をしようか。

▷落ちもん写真収集家、発動

村田:よっちゃんはこういう風景を見たとき、どういうふうに妄想を膨らませていくんですか。

藤田:まず、落ちてるものの環境ですよね。ここだと駐車場。なおかつ塗装されて手を加えられた石たちが、一緒に落ちてる。だからDIY好きの方が落としたのかなって。

村田:先生、解説ありがとうございます。

▷「犬にさせないで」

藤田:見て、「犬にさせないで」って。

細野:なにを(笑)。

村田:みなまでいわないところが、奥ゆかしくていいね。

細野:妄想が膨らむね。

村田:犬に「させる」スポットなんだろうね、ここは。

藤田:いいたくないんだろうね、何かっていうのは。

細野:上品なまちなんだね。

藤田:これはなんだろう。

村田:これは「落ちもん」ですか? いや、もしかしたら秘密の穴を塞いでいるのかも。

藤田:これは落ちもんじゃないですね。

村田:働きもんだ。

藤田:すごい、それ!

村田:偶然いった言葉が韻を踏んでた。「落ちもん」じゃなくて「働きもん」!

藤田:いいね! ヒップホップ調の音楽に合わせて「イエ、イエ」っていう声を入れて。

村田:たまに猫たちの声も入れてさ。

藤田:「ニャー」って。

▷波打つ形に整えられた木

細野:木が波打ってる。

村田:このまちの植木、すごいきれいだな。

細野:きれいなまちだよね。

藤田:ほんと。猫ペ(※猫よけのペットボトル)もないね。

村田:4リットルの焼酎ボトルなんて、影すら見えない。

▷すぐ近くには、丸く整形された木

藤田:うわ、すっごいまん丸。

村田:トトロみたい。

藤田:トトロの大きさってこれくらいだったりして。でも、これくらいのサイズのトトロにつかまったまま空を飛ぶことになったら怖くない?

村田:怖い怖い。

藤田:死ぬ気でつかまないと。

村田:トトロの毛、むしっちゃいそうだな。

▷パンジーが植えられた小さな花壇

藤田:あ、ここにちっちゃな楽園あるよ。

村田:かわいい。「道ばたかだん」だって。誰かが植えたのかな。

藤田:「パンジー十二楽坊」みたい。

村田:AKB48みたいに後ろがいて、真ん中がいて……あ、センターの人の横がシナァってなってる。

▷センターの右隣のパンジーは元気がない

藤田:もう脱退したいんだろうね。

村田:搾取されてるのかもな……。

わたなべさん、いい仕事をありがとう

梅の木が植えられた緑地の一角に放置されたヘルメットに目が留まりました。ヘルメットに書かれた「わたなべ」の字から、妄想が広がります。

▷「わたなべ」の名前入りヘルメットが落ちていました。

藤田:あ、落ちてる。

細野:「わたなべ」さんのヘルメットだ。

藤田:もしかすると「わたなべ」さん、パワハラでやめた可能性ありますね。我慢できなくて。

村田:職場がいやになって「やってらんねーよ」ってヘルメットを投げつけた。顎紐がちぎられてるもんね。

藤田:多分、3年くらい耐えたんだろうけど、耐えかねて辞めちゃった。

▷ヘルメットの前にはきれいに手入れされた梅の木々が

村田:わたなべさん、何の仕事だったんだろう。この梅の木を管理をする人だったのかな。

藤田:これがわたなべさんの最後の仕事かもしれない。梅を植えるっていう。

村田:見事な梅。いい仕事をありがとうございました、わたなべさん。

▷緑地の隅には梅の種がいくつも落ちてました

藤田:梅の種もいっぱい落ちてるよ。1つ、2つ……9つも!

細野:ここで梅を食べた?

村田:梅の木を見てるうちに梅干しが食べたくなったのかも。

藤田:ここで採った梅を漬けて、見ながら食べたのかな。

▷どんな場所でも小さな発見から大きな妄想をするSABOTENS

しばらく歩いていくと、車道に囲まれた三角州のような場所を発見。島の中にはバス停や祠などが集結しています。

村田:島みたいなバス停だね。あ、絵馬がかけられている……「地蔵尊」だって。

▷地蔵尊の中には、誰かの忘れ物がビニール袋に入れてかけられていました

藤田:「忘れ物です」だって。愛だな。

村田:優しい。おみくじの無人販売もしてるみたいだよ。

藤田:おみくじやってみようかな。

▷ドキドキしながらおみくじの結果を見る一行

村田:今年はじめてのおみくじ。……大吉だ!

藤田:私は吉。

細野:わ、大吉だ。

藤田:素晴らしい! みんな良かったね、大吉と吉で。

石碑によれば昔このあたりで難病・飢饉・厄難に苦しめられた人たちが、難を逃れようとここに石仏をつくったそう。たくさんの参拝客が訪れたことによって周囲の交通も頻繁になったとか。

なるほど、それでここがバス停にもなったということなのかな。今でも大切に手入れされており、この土地の歴史に触れられる場所でした。

落ちもんと持ち主、再会の瞬間!

いつもはお散歩開始早々にご飯を食べる一行ですが、今回はなんと1時間も歩いています。だいぶお腹が空いてきたので、お昼を食べられる場所を探すことにしました。

▷トロ箱を支える土台の技が光る園芸
▷段々畑の園芸

藤田:お腹すいたね。

村田:今回はめずらしく、1時間も歩いたもんね。

▷見事な切り株

村田:うわ、根っこが立派。

藤田:切られる前は大きかっただろうね。

村田:めり込んでるもんね。

藤田:この地面のマーク、胡座かいてピョーンって飛んでるみたいに見えない?

村田:はは、たしかに。

路上のあちこちに目を留めつつ歩いていたら、千歳烏山駅が見えてきました。

細野:あ、駅だ。

村田:にぎやかになってきたね。

細野:すぐにご飯に入らないと長く感じるね。

藤田:いつもはじまって5分くらいでお店に入るもんね。

村田:柴崎なんて、ご飯を食べるところからスタートだったもんね。

藤田:美味しいお店あるといいな。

飲食店や商店などが軒を連ね、人通りも多くにぎやかな駅周辺。偶然見つけた焼肉屋さんに吸い込まれるように入り、腹ごしらえしました。

お腹が満たされた一行は、再び歩きはじめます。

村田:あー、満たされた。

細野:このまま寝れたら気持ちいいね。

▷柱に並んではめ込まれた丸い玉は、ぶどう?

藤田:見てこれ、ぶどうかな。

村田:さっきの公園にあった、背中にあてるマッサージ器具みたいだね。

▷お隣の柱は色違い

藤田:こっちは色違い。あ、一部なくなってる。

村田:ドラゴンボールみたいに、この玉を集めてる人がいるのかも。

駅前の商店街には一軒のお茶屋さんが。店頭に並ぶ各種のお茶や海苔やドライフルーツなどの乾物に目が留まり、お買い物していくことにしました。

▷金子園烏山店(東京都世田谷区南烏山6-4-30)
▷真剣な顔で買い物をするよっちゃん

細野:お茶屋さんって楽しいね。

村田:楽しいね〜。たくさん買っちゃった。

藤田:やさしい店主さんだったね。

温かいお茶を入れておもてなししてくださった金子園さん、ありがとうございました。

村田:あ、自転車置き場のそばに自転車の鍵が落ちてるよ。

藤田:誰か、自転車の近くで落としちゃったのかな。

自転車置き場のすぐ近くに落ちた自転車の鍵に目が留まりました。3人で鍵を囲んで、誰かが落としてしまったんだろうかと話していたところ、「あ、これ私のです!」と拾いに来た男性が。

藤田:うわー、よかったですね、見つかって。

村田:よかった〜! 落ちもんと持ち主が対面の瞬間!

藤田:自分の落としたものに誰かが群がってるって、怖かっただろうね(笑)。

細野:びっくり。こんなことあるんだね。

なんと、「落ちもん」と「持ち主」が再会するという、歴史的瞬間に立ち会いました。大切な自転車の鍵、無事に持ち主のもとへ戻れてよかったです。賑わう駅前商店街の雰囲気に誘われ、夕飯の食材などを買って、お散歩はおひらきとなりました。

▷夕飯に食べるからあげを買うよっちゃん

まちのミカタ 心に残る芦花公園の風景

村田のミカタ:いたるところで、切られた木を発見。ぬかりなく手入れが行き届いていることを感じました。

※今回、藤田によるイラストと、「心に残る芦花公園の風景」はお休みとなります!

お知らせ① SABOTENS 初の書籍 刊行決定!

2021年3月19日『はみだす緑 黄昏の路上園芸(雷鳥社)』が出版が決定しました! ふたりと一緒に架空のまちでの散歩を楽しんでくださいね。

『はみだす緑 黄昏の路上園芸 』 著:村田あやこ イラスト:藤田泰実 2022/03/19 発売予定 雷鳥社 ISBN:978-4-8441-3785-6

▷予約はこちら

お知らせ② 3/1~13 – YOSHIMI FUJITA SOLO EXHIBITION
「世界の断片

SABOTENSの藤田泰実さんが個展を開催します。是非、足を運んでみてくださいね。

■YOSHIMI FUJITA SOLO EXHIBITION「世界の断片
2022.03.01 (tue) – 03.13 (sun)

クラウズアート+コーヒー東京都杉並区高円寺北2丁目25−4)
13:00-19:00(最終日18:00まで)

お知らせ ③ お散歩動画公開中!

SABOTENSちゃんねる」では、過去の「まちのミカタ」の取材中に撮影した動画を少しずつアップしています。ぜひお暇な時にでもご覧ください!

▷最新の「まちのミカタ(柴崎編)」

●取材/SABOTENS
●執筆/村田 彩子
●編集/細野 由季恵

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