男たちのエントリエ♯6

男たちのエントリエ

エントリエのリノベーションを通じて
「至福のひととき」を見つけ、
自分らしい住まいを手に入れた男たちの生活が、
どのように変わったのか・・・

今回は番外編!!
いつもは至福のひとときを見つけるサポートをするスタッフの
日常のワンシーンをスマホで撮影、
その時の気持ちを一言でどうぞ!

本日のヒトコト

『空間の美しさに圧倒!
本物を体感する至福の時間』

フェアモントピースホテルのロビーにて・・


■今回紹介してくれたのは・・スイペンさん

妻・娘の3人家族
趣味は、トライアスロンとトレイルランニング。
トライアスロンは、今はミドルの大会に
出場していますが、いつかはロング
(スイム4.0km・バイク190km・ラン42.2km)
を目指して、トレーニングに励んでいます。

「扉で隠さない収納」りえさんのインテリアトリップ♯12

『インテリアだけは、流行とか無視して、ひたすら自分の好きなものを追求するべし。』
そんな持論を持ち、エントリエで2度のリノベーションを経験をした、りえさん。
そんなりえさんが、
おうちのこだわりアイテムたちを紹介します。

○りえさんのお家を巡る9/15バスツアー>>>
https://entrie.net/bus/bus003/
○りえさんのリノベーション事例>>>
https://entrie.net/family/family3/

*毎週土曜日更新*
○過去のインテリアトリップ一覧>>>
https://entrie.net/category/trip/

♯12 扉で隠さない収納 

今回のインテリアトリップは、「脱衣室の収納」についてです。普段あまりお見せする機会もないので……。

我が家は脱衣所の中に洗面所がないので、とても狭く、収納は棚板を付けてもらったとてもシンプルな物のみ。

けれど、とても気に入っています。

玄関入ってすぐ正面が洗面所、左手が浴室と脱衣所で、シンクの並びに洗濯機です。

4段の足場板に、白で統一したカゴ類に細々としたものを収納。

つくり付けの収納でしっかり扉がある物だと濡れた手で扉のツマミを触らないといけないし(笑)、とにかく狭いので湿気がこもりそうだし……。

でもこの収納は、とても使いやすくて大正解!

お気に入りのインテリアアイテムを買って、常に眺めていたい私には、この方法がベスト!

見せる収納が苦手な方は……?

とにかくカゴ! カゴ! カゴ! こうやって色を揃えれば、違うお店で買った物でもバランスが良いと思います。

IKEAやビーカンパニー、フラリと入った雑貨屋さん、古道具屋さんなどで少しずつ買い集めたプチプラなカゴ・バスケットです。

私、整理収納はキチキチするよりラフな方が“こなれて見える”。だから好きなんです。

それに、カゴやバスケット収納は、例え使わなくなっても、必ず他の場所で使い道があるのが嬉しいところ。

最近ファッションで持つバッグもカゴバッグばかり。使わなくなったらインテリアアイテムに回しています。

今回は過去に買ったものばかりですのでお店紹介割愛します。

おススメは、先ほど紹介したIKEAやビーカンパニー、ザラホーム。あとは、古着屋さんや古道具屋さんのアンティークかな。

あ……KANKANというアジアの雑貨や洋服、家具を扱うお店もおススメです!

■阿部 梨絵 / Rie Abe


ホームページ http://salongreen.net/
家族とエントリエ /リノベーション事例 https://entrie.net/family/family3/

・子宮美容協会ユニバーサル認定「子宮美容セラピスト」
・発酵マイスター
・子宮ケアごはんインストラクター
・子宮インナービューティーセルフケアエクササイズ ティーチャートレーニングコース終了

ファッションスタイリストとして活動していた中、「女性の本当の美しさは、内からの健康からしか生まれない!」とセラピストへ転進。
都内某マッサージサロン、スパ、エステサロンなどで勤務後、「子宮美容トリートメント」というオリジナルメソッドに基づくトリートメントを学び、子宮から女性の体のあらゆる不調を取り除く「子宮ケア」のプライベートサロンを横浜市都筑区にてオープン。
体のトリートメントをしていく中で、発酵食品が女性ホルモンへ及ぼす影響力を知り、体外側だけでなく、内側からも子宮ケアが可能!と発酵食品作りや通年作れるキムチの教室を主宰。
プライベートサロン兼自宅を2回に渡りエントリエでリノベーションした経緯から、空間が女性の体や心に及ぼす影響も自ら実感。衣食住全ての角度から、女性が幸せになれるアプローチができるサロンにすべく、日々邁進中。

「八王子の空きテナントで地域の独自性を発信」NPO法人AKITEN 及川 賢一さん、望月 成一さん | エイミーズトーク #09

エイミーことエントリエ編集長の鈴木 栄弥が気になる人を訪ねて、自分らしい暮らし方や生き方のヒントをいただいてしまおうというこのシリーズ。第9回目のゲストは、八王子の空きテナントプロジェクト「NPO法人AKITEN」のメンバーである及川 賢一さん、望月 成一さんのおふたりです。

「空きテナント」を利用して
まちの独自性を発信

右:及川賢一さん。八王子市議会議員という肩書を持ちながら、2014年アートやデザインの力で地域の独自性を発信していく空きテナントプロジェクト「NPO法人AKITEN」を立ち上げ、八王子の空きテナントを新たな魅力発信の場として利用することを提案。地域の活性化に努めている。

左:望月成一さん。アーティストたちの作品展示の場を提供する「cafe・gallery Modest」オーナーであり、設計士、デザイナー。「NPO法人AKITEN」メンバー。

プトジェクトを通じて
地域の課題に気づきを

空きテナントプロジェクト「NPO法人AKITEN」とは、どういったものなのでしょうか?

及川さん:いわゆるシャッター商店街やまちの空きテナントを短期間で借りて、アートやデザインを切り口に、イベントの開催や新しい活用方法の提案をしています。例えば、アーティストのギャラリー。長い時間、空きテナントとなり汚れてしまった空間でもアーティストからすると、作品を活かす場所にできるんです。

おもしろいですね。

及川さん:はい。アートの役割の中には、問題提起や気付きを与える部分もあると思っているんです。ほかにも、農家さんの野菜を売る「ファーマーズマーケットを開催しました。空きテナントの活用法って、考えれば本当にいろいろあるんですよね。

プロジェクトでは空きテナント活用のほかにはどんな活動を?

及川さん:そもそも空きテナントをつくらないために、講師の先生をお招きしてリノベーションスクールを開いたり、空きテナントを使いたい人、貸したい人のマッチングサイトもやったりしています。

それから、まちに関することでディレクションをすることもあります。去年は染工場を借りて浴衣をつくるワークショップなどもおこないました。

まちにとっての新たな可能性を、いろんな方向から提案されているんですね……!

地域の一員として「空きテナント」があることに
問題意識を感じて欲しい

そもそも、八王子で空きテナントプロジェクトをやろうと思ったのはなぜでしょう?

及川さん:八王子は人口が多く、交通の便も良いため、2025年までは増え続けていくといわれています。でもその一方で、空きテナントが増えている。いわゆる「シャッター商店街」というのは、閑散とした状態がさらに人を遠ざけるなどマイナスになることも多いんです。

空きテナントは、間接的に地域活性の妨げにもなるんですね。

及川さん:はい。空きテナントを持つオーナーさんには、地域の一員として「どうにかしなければという想い」を持ってほしい。だからテナントの使い道についてちゃんと考えてくださいってお願いしたんです。

その改善策のひとつとして空きテナントを利用させてもらうことで、AKITENのプロジェクトが成立しています。それに、プロジェクトに利用した空きテナントは、次のテナントが決まるケースも多くあるんです。アーティストが使ってくれることで、汚れたテナントも魅力的に見せられる。

 プロジェクトがまちの人にとっての
ファーストステップとなるために

 

まちの人にとってプロジェクトは、どうなったら良いと感じていますか?

望月さん:個人的な話ですが、八王子ってアートやデザインの仕事が少ないと感じていて、どうにかしたいと思っていました。だからまずは仲間を作れば良いんじゃないかと思い、アーティストや作家の作品を展示できるカフェをオープンしたんです。そうしたら、次第に仲間が集まってきて。

私はクリエイターとして次世代の人たちが生活の糧につながることをしたいと思っているんです。今は残念ながらまだまだなので、プロジェクトを通じてまちに住んでいる人や外部の人に八王子は魅力的だよっていうイメージをつけるためにどんどん露出できればなと思います。

空きテナントの活用はそういった意味で、魅力発信の有効な一手になっていますね。

及川さん:そうですね。人を呼び込むのは簡単じゃないのですが、普段は山奥で活動をしている作家さんもここにきて発信してもらったりできますし。

望月さん:ただ、八王子在住の人はアートとかデザインとか……そういうものを求めてないんだよね(笑)。

及川さん:そういうものに興味が湧く人は、都心にでちゃう。でもそれでも、ここが誰かにとっての“きっかけ”とか“ファーストステップ”として存在できれば良いかなと思います。

多摩には美大も集中していますよね。

及川さん:はい。だから、学生やはじめて展示をする子たちの場として扱ってもらえれば。食べていけないと若い子は困るし、そこも当然考えていかないといけないですよね。食べれないのに「八王子出るな!」とはいえないし(笑)。

“自分たちがやりたいこと”をやりながら
まちの人も楽しめる場づくりを

プロジェクトをやっていて「良かった」と思う瞬間はどんなことでしょう?

望月さん:イベントやったときに、お客さんが楽しんでくれているのを見るとうれしくなりますね。

及川さん:確かに(笑)。自分たちが楽しいのはもちろん、その“楽しい瞬間”を参加してくれた人も感じてくれたときは、うれしくなりますね。

望月さん:あとは、AKITENでイベントをやっていると八王子の中でも地域に対して感度が高そうな人がくるわけです。そうすると「やった!」っていうのもあるし。

及川さん:僕たち自身、まちのことをやっているんですが、やらされ感がないんですよね。自分たちでもやりたいことをやって、社会的にも、まちにとっても意味のある活動であるば良いなと思っているんです。

では、最後に活動するうえで大切にしているこだわりがあれば教えてください!

望月さん:「つながり」ができて、それによって生まれる金銭だけでなく、精神的な豊かさみたいなのが都心に比べると八王子は生まれやすいと思っています。そういう意味でつながりを求める活動をしていきたいです。

及川さん:空きテナントプロジェクトを通して気付きを与えて問題提起しても、それだけじゃ根本的な課題は解決しない。具体的にどう解決策につなげるのかをちゃんと考えていこうと思っています。つくり手側からすれば、そういう積み重ねが、まちの人たちにアートやデザインの力ってすごい!と思えることにつながるのかなって。

ただアウトプットとしてかっこいいことを見せて「かっこいいね」って終わっちゃんうんじゃなくて、それが自分たちの生活を変えるところまでつながってることもきちんと説明していく。そこにこだわりたいなと思っています。

西八王子の「AKITEN BASE CAMP ギャラリー」は、ギャラリーとして作家の活躍場所にもなっているほか、カメラマンや陶芸家、靴のデザイナーなどさまざまな業種のクリエーターが集うレジデンスにもなっている。個人の活動がつながり、仕事に発展することも。

AKITEN BASE CAMPギャラリー

ΙHP
http://akiten.jp/gallery/

Ι住所
八王子市千人町2-16-1丸神ビルB301

Ιアクセス
JR西八王子駅北口徒歩5分

●編集 細野 由季恵

《ナチュラルテイストな理想の住まい | リノベーション事例》 家族とエントリエ LIFE STORY ♯7

建築家の作品づくりじゃなく、
ここに暮らす私たちに
寄り添う気持ちが嬉しかった。

中古マンションのリノベーションに挑戦したいというご希望をお持ちだった奥様と建築科出身のご主人。家づくりを楽しみながら、理想の住まいを手に入れるために何度も打ち合わせを重ねました。夫婦のこだわりを真摯に受け止めてくれる姿勢に心強さを感じ、パートナーとしてエントリエを選びました。

物件について

所在地神奈川県横浜市
建物種別マンション(築17年)
RC造
費用790万円(解体費・各種工事費用・デザイン費用全て含む)
リノベ面積80.0㎡

暮らす家族

ご主人、奥さま、ご長女

話し手

ご主人、奥さ

担当スタッフ

北島 一広

リノベーションを決めたきっかけを教えてください!

ご主人:もともと学生時代に建築を勉強していたこともあって、以前から自分たちに合った家を買い取って、工夫して住みたいなと思っていたんです。だから、中古マンション購入時からリノベーションは頭にありましたね。

お部屋のイメージも強くお持ちでしたか?

ご主人:理想としては、北欧系の木のぬくもりを感じるような、ナチュラルなテイストの部屋にしたいというのがあったかな……。だから、リノベーション会社は過去の施工事例の資料を見て、自分たちがイメージするテイストに近いものをつくっていたことがあるかどうかを見ていましたね。

エントリエとの出会いを教えて下さい。

ご主人:私たちの場合は、新宿にあるリビングデザインセンター オゾンで開催されていた、中古マンションやリノベーションをテーマにしたセミナーに参加していたんです。そこで講師をしていた不動産会社の方に物件探しのお世話になりつつ、3社を紹介してもらいまして。そのなかの一つがエントリエでした。

エントリエに決めたのは?

ご主人:希望するテイストの施工実績があったのはもちろんですが、いちばんは形式的ではない、どこよりも手厚いサポート体制を感じたことです。見積もりの段階からリノベーション後の空間のこと・施工の規模感・工期・現実的な費用・その他の問題点など具体的な話ができて、トータルイメージがしやすかったんです。ていねいな対応で私たちの話をじっくり聞いて真剣に寄り添ってくださっていると感じ、妻とも相談して、エントリエにお願いしよう! と決めました。

そのときは、どんなお話をされたんですか?

ご主人:見積もりの段階で、いくつかの提案をいただきました。話していても、私たちのこだわりたいところを汲み取った上で可能な限り良い方向へイメージを膨らませてくれる。スムーズにコミュニケーションが取れるので、感覚的にも合っているなと思いましたね。

BEFORE

AFTER

その後は、どのようなスケジュールで進めていったのでしょうか?

ご主人:もともと住んでいた家の更新時期が残り半年だったので、すぐにお願いしたかったということもあり、物件購入から長くはかからなかったと思います。最初は直接エントリエに行って、こちらの希望を伝えるために参考資料となるスクラップブックを共有して……。この要望を伝えてから2~3週間後に原案をいただいて、そこから詳細を詰めていくという流れでした。

むちゃなお願いで困らせてしまった気もします……(笑)。完成まではトータル10回くらい、対面で打ち合わせやメールでのやり取りを重ねて決めていきました。

エントリエからの提案はどのようなことがありましたか?

ご主人:平面の図案が出てきたとき、水回りやウォークインクローゼットの配置など、中古マンションでもこんなに間取りを変えられるんだ! と驚きましたね。

フローリングの材質や導入したい設備などディテールの部分でこだわりはあったんです。でも、それらの組み立て方はやっぱり素人が考えるのは難しい。それでもどんなに細かい意見も、しっかり全体にバランスよく収められもっとこうしたら理想に近づけるのではないか? と押し付けがましくなく提案していただけたのが良かったです。

BEFORE

AFTER

どのような過ごし方ができる家をイメージされていたのでしょうか?

ご主人:私も妻もビールを飲むのが好きで、家でも飲みながら、ゆったり時間が過ごせるような生活をイメージしていました。設計が決まった後の設備や(壁紙などの)細かい素材選びも一緒にやってもらい、プロの視点からアドバイスをもらって。

素材を選ぶなかで大変だったことはありましたか?

ご主人:考えることが好きだったので、こちらが大変だったことは特にありませんでしたね。実は、一度決めたものの、家に持ち帰ってから「やっぱり変えたい」と思ったときもありましたが、しっかり対応していただいたおかげで本当に満足のいく仕上がりになったと思います。

出来上がりは何点でしょうか?

ご主人:難しいですね(笑)。期待通りにやってくれたという意味では100点ですし、期待を越えてくれたということを加味すると120点。打ち合わせの段階から納品まで、最初から最後までスムーズにいったので、マイナスポイントがまずなかったんです。

要望通りにいかないところは、理由を説明してもらって、納得させてもらいながら進んでいきました。建築家の作品づくりではなく、そこに暮らすことになる私たちに寄り添いながら、一緒につくりあげた感じがします。

お部屋のお気に入りスポットはありますか?

ご主人:リビングが家族のお気に入りの場所ですね。例えば、妻がキッチンに立っていても、私がリビングのソファに座っていても顔があわせられる間取りになっているので家族の大切な場所です。ほかにも、個人的に好きなスポットとしては、廊下の本棚。自分たちの思い入れがあるものが玄関から入ってすぐに目につくというのは安心しますね。

奥様:私はトイレとキッチンです。トイレの壁紙が華やかで普通のトイレっぽくなくて。キッチンの全体的な雰囲気もお気に入りで、特にグローエの水栓やガスコンロ横の黒のタイル、キッチン背後の収納棚の壁紙にはアクセントカラーのカラシ色を使っています。そういう細かいこだわりは今みてもウキウキします。

完成から3年ですね。暮らしてみていかがですか?

ご主人:実は……完成して引っ越して数ヶ月で子どもができたので、当初想定していた「家でも飲みながら、ゆったり過ごす」といった暮らしができていた期間はそこまで長くないんです(笑)。でも、子どもがいる生活を意識して設計したわけではなかったのですが、生活・家事動線を心がけた設計だったので、子育て真っ只中の今でも、住み心地がよく、暮らしやすい家がつくれたのかなと思います。

映画を見たり、ゲームをしたり、本を読んだり。何をするわけでもないけれど、家にいるだけで気分がいい。生活が整っていることで、豊かな暮らしができていることに幸せを感じています。

「無重力の至福の時間」りえさんのインテリアトリップ♯11

『インテリアだけは、流行とか無視して、ひたすら自分の好きなものを追求するべし。』
そんな持論を持ち、エントリエで2度のリノベーションを経験をした、りえさん。
そんなりえさんが、
おうちのこだわりアイテムたちを紹介します。

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♯11 無重力の至福の時間

今回のインテリアトリップは「ハンモック」の旅です。

今やリノベーションや、新築でも自宅にハンモックを付ける、というのは珍しいことではなくなってきています。
庭やウッドデッキにも置ける自立式の物もあったり、その種類も豊富になってきています。

我が家にもリノベーションする際にハンモックを設置しました。

ハンモックを付ける際に、直に天井に付けることも可能ではあるのですが、強度の問題で不安があり、リノベーションの際、頑丈な梁をつくってもらいました。

こんな感じで結んでいます。
専用フックでも設置できます。

こちらのハンモックは世田谷にある「Hammock 2000」の物で、ハンモックブランドの元祖! ともいえるメーカーさんです。

私がこのハンモックを知ったのは、私がセラピストとして働いていた時の同僚が、「ハンモックマッサージ」なるものを生業として独立し、「Hammock2000」のショールームでマッサージをしていたのを受けたのがきっかけ。

インドア派の私は、ハンモックに揺られたことがほとんどなく、「無重力ってこんなにリラックスできるんだ!」と感動。

まさに日常からの「トリップ」です。

そのハンモックに揺られて受けるマッサージも、まさに至福の時間……

さらにこちらのハンモックは、オーガニックコットンを使用していたり、染色も、草木染めやナチュラルな材料の物のみの使用だったり……と素材にもこだわり、一つ一つ丁寧につくられていて、座り心地も、本当に優しいです。

こちらのチェアタイプや、横になれるタイプもあります。
設置するには、補強や、強度の確保が必要ですが、「ハンモックでトリップしたい!」がきっかけのプチリノベーションもおすすめです!

お子様がいる家庭にもおすすめです。

↑我が家の息子です(笑)

■今回の旅で紹介したお店

〇Hammock2000

https://www.hammock2000.jp/hammocks/index.html

〇ハンモックマッサージ chilling(Hammock2000の商品を使って行うマッサージ)

http://hammockmassage-chilling.com/

 

■阿部 梨絵 / Rie Abe


ホームページ http://salongreen.net/
家族とエントリエ /リノベーション事例 https://entrie.net/family/family3/

・子宮美容協会ユニバーサル認定「子宮美容セラピスト」
・発酵マイスター
・子宮ケアごはんインストラクター
・子宮インナービューティーセルフケアエクササイズ ティーチャートレーニングコース終了

ファッションスタイリストとして活動していた中、「女性の本当の美しさは、内からの健康からしか生まれない!」とセラピストへ転進。
都内某マッサージサロン、スパ、エステサロンなどで勤務後、「子宮美容トリートメント」というオリジナルメソッドに基づくトリートメントを学び、子宮から女性の体のあらゆる不調を取り除く「子宮ケア」のプライベートサロンを横浜市都筑区にてオープン。
体のトリートメントをしていく中で、発酵食品が女性ホルモンへ及ぼす影響力を知り、体外側だけでなく、内側からも子宮ケアが可能!と発酵食品作りや通年作れるキムチの教室を主宰。
プライベートサロン兼自宅を2回に渡りエントリエでリノベーションした経緯から、空間が女性の体や心に及ぼす影響も自ら実感。衣食住全ての角度から、女性が幸せになれるアプローチができるサロンにすべく、日々邁進中。

「八王子の倉庫街に秘密基地を」CREAP STORE オーナー 門脇さんご夫婦 | エイミーズトーク #08

エイミーことエントリエ編集長の鈴木 栄弥が見つけた気になる人を訪ねて、自分らしい暮らし方や生き方のヒントをいただいてしまおうというこのシリーズ。第8回目のゲストは八王子で雑貨店を経営する門脇さんご夫婦です。

仕事の延長でつくった「秘密基地」

門脇さんご夫婦。奥様は前職から雑貨店店長に転向し、デザイナーであるご主人と2人3脚で八王子の倉庫街に店舗兼デザイン事務所を構え、雑貨や植物プランター、ヴィンテージ雑貨・家具、我楽多を扱う「CREAP STORE」をオープン。個性あふれるアイテムでお店に訪れるお客様を笑顔にしている。

 

倉庫街にまさか雑貨屋さんがあるとは……!「CREAP STORE」は、外観も個性的だし、店内もおしゃれな空間です。

奥様:ありがとうございます(笑)。倉庫を店舗にしたのは「秘密基地」というイメージを主人が持っていたからです。ほかにも、こだわったのは店舗設立に「いかにお金をかけないか」ということ。見ての通りこの場所は、店舗用のテナントではないので……。柱が黒いのも、昔の電柱を使ったもので天然の黒さ。

内装は主人と以前住んでいた所の隣人のアイディアで、自分たちらしいお店を目指していたらこんな感じになりました。ほかにも、知り合いの人たちに手伝ってもらって総勢6名。実質2週間くらいで完成しましたよ!ちゃんと断熱材も入れてクーラーも入ってます(笑)。

とってもステキなお店です。オープンのキッカケを教えてください!

奥様:主人はデザイナーで空間デザインの仕事もしていて、照明や家具を扱うことも多くて。そういった仕事で使用するものを誰かに提供する場をつくる仕事も良いんじゃないかって。あとは結婚するまではガラス加工メーカーで営業事務をしていましたが、子育てをする中で、家族が一緒にいられる時間を見直していきたいなと思って。

 

「デザイン性と機能性」を重視した雑貨たち

雑貨はもともとお好きだったんですか?

奥様:そうですね。すごい好きです。昔は自分もピンバッジを集めたりしていました。

雑貨ってついつい見ちゃうし、集めたくなるものもありますよね。

お店に置く商品はどのように選んでいるのでしょうか?

奥様:私は不便なものが嫌いなので身に付ける小物やキッチン用品でも「デザイン性が高くて使いやすいもの」を選ぶようにしています。それとこんな辺鄙な場所にあるお店なのでほかのお店と同じようなものは置かない。珍しいものを選ぶようにしています。

 

主人がミッドセンチュリー(*1950年代を中心に、家具デザイナーイームズなどが活躍していた時代)のデザインがすごく好きなんですね。私も製法やデザインが時代を超えてもなお斬新だなと思っています。そうしたしっかりとしたデザイン性を感じるものを選んでいます。いろんなものに通じているし、奥が深いなって感じています。

 

いまは「まちのため」といえるようになる途中

このエリアで開業する=まちを活性化させたいといった思いもあるのでしょうか?

ご主人:そうですね。何とかしたいっていう気持ちもありますが……。自分たちの気持ちや感覚を高めないとお客さんに自信もって提供できないと思うので。まずはそこからですね。今はまだ「まちのために」といえるまでに達していない。偉そうなこといえないです(笑)。

まだまだこれから、という感覚なんですね。

ご主人:この地区ってお店が点々としていて活性化されてないんです。そういうのもあって大型マルシェなどのイベントでもう少しアピールできても良いんじゃないかなって。イベントに参加することで向き不向きや足らないところを補え合えたり、新しいつながりができたりする。個々が日々努力していって、いろんなアイデアや方向性が出すことができます。

 

「ものの見方」はひとつじゃない

先ほど接客中の姿をお見かけして「声かけが明るくて活気がある」なあと……。ここに来るだけで、元気をもらえそうですよね。

ご主人:ありがとうございます(笑)。お店のある恩方地方はベッドタウンで八王子市内に出るにも時間がかかるんです。でも、ここに来ればまちに出なくても、またはここでしか出会えないものと触れ合える。そういう意味で、八王子の知られざる世界がここにあるかもしれません。

例えば照明でも一つ一つ違っていて、いろんなパターンやデザインがあると分かる。ものの見方はひとつじゃなく、多角的から見ることができる。そんなことを提案したいなと思っていて。

おもしろいものって知らないだけでたくさんありますもんね。

ご主人:そうなんです。あとはおじいちゃんおばあちゃんたちの情報提供の場にもなると思って。「何か困っているのかな、何が求められているのかな」っていう、お互いが情報交換できる場であると良いなと思います。

 

ご夫婦2人のこれから「食べることに関わりたい」

これから「こんなふうになっていきたい」などの展望などはありますか?

ご主人:正直なところ、何をやっていても安定なんてなくて。生きるために仕事をするだけ。この雑貨屋もデザインやアイデアは安売りだからいつまで続くか分からない。

だから、5年後10年後には違う考えを持って生きていることが、これからの生き方のような気がしています。これからどうなるか分からないけど……「飲食」に関わること、はやってみたいですね。結局他人同士だけど、生きるうえで「食べる」ことを一緒にできるって良いな、と。だから、二人でできれば良いかなと。

 

セレクトするものは、ほかでは買えないもの。「例えばあのカニ……。プランター屋さんの社長が『無機質なものにしたら良さそう』とつくってくれたのですが、値段も本物のカニレベルの8,000円くらいで売っていて。全然意味が分からないですけど(笑)。」一期一会の出会いがあります。

CREAP STORE / クリープストア

Ι営業日・営業時間
サマータイム営業中
平日 15:00〜19:00
日祝 15:00〜19:00
定休 水/土曜

ΙHP
https://www.creap.store/

Ιtel
042-659-1870

Ι住所
〒192-0153 東京都八王子市西寺方町669

Ιアクセス
陣馬街道、八王子市街地方面から信号機「小田野」を右折、
一つ目の信号(元木橋手前)を右折、川沿い50m直進入り口(駐車場有り)

●編集 細野 由季恵

「八王子から新たな名産“東京いちじく”を!」 株式会社FIO 舩木 翔平さん | エイミーズトーク #07

エイミーことエントリエ編集長の鈴木 栄弥が気になる人を訪ねて、自分らしい暮らし方や生き方のヒントをいただいてしまおうというこのシリーズ。第7回目のゲストは、八王子で農業に関わりながら「やりたい仕事ができる環境づくり」に目を向ける、舩木 翔平さんです。

まちの活性化に向けた第一歩
「農業を仕事に」

舩木 翔平さん。八王子で若手農家を集め 2013年の春に株式会社FIO(フィオ)を立ち上げ、八王子野菜を広める活動を行う。新たに独自ブランド「東京いちじく」を立ち上げ、新たな東京土産にすべく奔走中。農の仕事に生きながら経営者やブランドづくりの目を持ち、地域活性化を目指している。

農業のお仕事をしようと思ったのはなぜですか?

船木さん:大学では林業の経営などを勉強していました。実家が工務店だったので、卒業後は建築関係の会社に就職を考えていました。でも説明を聞いているうちに自分の考えと合わないと感じるようになって。

じゃあ、根本的に何をやりたいか、もう1度考え直したときに浮かんだのは「まちの活性化」でした。「まちおこし」に関わりたいと思ったんですね。

とはいえ、具体的に何がやれるかハッキリしてなくて。そんなとき「農業」が思い浮かんだ。実は僕、農業高校を出ているのに農業自体を仕事にしたことがなかったんです。その興味もあって農業を仕事にすることをまちの活性化への第1ステップにしました。

まずは、どんなことをされたのでしょうか?

船木さん:2012年に畑を借りてスタートしたものの、野菜の生産だけでは売り上げをあげるのが難しい、ひとりではやりきれないと気づきました。そこで、八王子で若手農家を集め起業し、八王子野菜を広める活動をはじめました。

若手が農業関連の会社をおこしてるっていうのは当時は珍しかったし、いろいろなことに挑戦しましたよ。そこで、人を受け入れる農業体験なども行いました。

今は事業の分業化などもあって当時の会社は辞めて、別の企画をやったり販売方法を考えたりしてます。そのなかで、新しくいちじくのブランドを立ち上げることにしたんです。

 

「東京いちじく」最終目標は東京土産になること

船木さん:実は、今持っている畑はものすごく効率が悪いんです。道が狭くて軽トラがはいっていけないし、とにかく勝手が悪い。それに農業以外にも別の仕事もしているので、毎日畑を見にいったり手がかかったりする作物はちょっと厳しかった。そこでちょうど良かったのが果物なんです。

果物と野菜の違いは?

船木さん:果物は野菜に比べ、頻繁に畑を見にいかなくても良い。それに成長が早いから、その年か次の年には収穫できる。ただ年に1回しかとれないし、その年ダメだったら収入がなくなるので収益性が低い、あと傷みやすいから流通できないという側面もあります。だから果物を育てる農家さんが少ないという現状もあるんですが……。

いちじくをブランド化したのは何か理由があるんですか?

船木さん:東京でいちじく屋さんってあんまりないんですよ。今、いちじくは愛知県が生産量としては日本一なんですが「これが名産品です!」っていうものはなくて。以前関西方面を旅行したときに大阪はたこ焼き、京都は八つ橋ってお土産があるけど、東京土産って独自性があまりないし、イマイチだな~って思って。だったらいちじくを自分で東京ブランドにするのもおもしろいなって思ったんです。

東京でつくったいちじくなら、まさに東京土産ですよね。

船木さん:そう。だからブランドをスタートしてすぐにネット検索にも「東京いちじく」で引っかかるようにしたんです。そうしたらSNSで、会ったこともない人からメッセージがくるようになりました。僕よりもっと大規模にやっている農家さんから応援のコメントとか、生産のアドバイスとかももらえるようになって。いちじく王子って呼ばれる人と繋がりだして。

いちじくを起点にして輪が広がっていますね。

船木さん:そうなんです。こうやって関係者やファンを増やしていけばひとつのコミュニティみたいなのが生まれていきますよね。そんな人たちを巻き込みながら、いちじくのおもしろいものができたらいいなあと。ブランドの最終目標はいちじくを東京土産にすることです。

 

不安に思うよりも
夢を「頭のなかでイメージ」すること

ブランドの立ち上げや東京いちじくを東京土産にするのもそうですが、夢を叶えていくために意識していることはあるのでしょうか?

船木さん:完成図のイメージをビジュアル化することから入ることが多いんです。たとえば東京いちじくも、それがお土産品になって東京駅でこんなふうに陳列されて売られているっていうのを想像する。

想像が細かい……!

船木さん:夢をそうやってリアルなものと錯覚させると妙な、変な自信が出てくるんですよね。想像すると、できると思える。自分に不安がなくなればどんどん進めてしまえるし、変な不安も取り除けると思うんです。正直「不安」はムダな時間だと思うんですよ。だからなくしたほうが良い。

確かに、不安に思っているなら動いたほうが早いときってありますよね。

船木さん:もしも、いきづまって不安を感じたなら、自分だったら旅行にいきます。自分のイメージにいちばん近いような畑とかお店とか知人のところとか。仕事終わったあとレンタカー借りていってみる。それで一泊して帰ってくる。そうすると頭のなかの良い思考回路が取り戻せて、仕事ができるんです。頭のモチベーションを保つ秘訣でもあると思ってます。

 

やりたい人が「やりたい!」と思える
環境、仕組み、場所を地域に

これからやりたいと思うこと、こうありたいと望むことはありますか?

船木さん:僕は農業以外にも仕事があって。障害者福祉とか農業体験のサポートや貸農園の運営でお客さんとの対応係をやったりしています。いろんなことは、必ず繋がって仕事ってができていくんですよね。自分の関連している得意な分野の中で仕事ができていくというか。

頭の中で浮かんだことは、やりたくてしょうがなくなってしまうんです。時間がないとか忙しいとかできない理由があるなら、他の人と組めば良いと思います。農業に限らず思ったことを何でも実行できるような環境ってあるんだよって伝えていきたい。やりたい人がやりたいと思える環境や仕組み、場所を地域につくっていけたら幸せですね。

学生時代とかずっと絵を描いていたという船木さん。東京いちじくの絵などイメージしたものは自らの手を動かし、ビジュアル化する。夢を具現化するための創造力がこめられているようです。

●編集 細野 由季恵

「生まれ育った国立市で安寧の時間をつくる」 名曲喫茶月草 店主 堀内愛月さん | エイミーズトーク #06

エントリエ編集長エイミーが気になる人を訪ねて、自分らしい暮らし方や生き方のヒントをいただいてしまおうというこのシリーズ。第6回目のゲストは、国立市でクラシック音楽専門の名曲喫茶『月草』を営んでいる堀内 愛月さんです。

古いものと新しいものから、
新しく生まれる雰囲気を

堀内愛月(ほりうち いつき)さん。ご実家が老舗喫茶店『カフェ・ガラス玉遊戯』だった影響で、幼少期から喫茶店やクラシック音楽に親しむ。國學院大学文学部卒業後、出版社に入社。退社後、お母様とともに生まれ故郷である国立市に『cafe flowers』を開店する。2012年夏、同店舗内に『名曲喫茶 月草』を開店。2015年、ワーナークラシックス・ジャパンからリリースされたヘルベルト・フォン・カラヤンの配信コンピレーションアルバム『カラヤン! カラヤン! カラヤン!』の選曲を担当。2017年は「名曲喫茶から始まる新しいカルチャー」を扱うweb出版社『月草編集室』を立ち上げた。

安寧の時を過ごす場所

とても落ち着いた雰囲気ですね。静かだし、普通の喫茶店とは違う感じ。

愛月さん:名曲喫茶に行かれたことはありますか?

なかったんです。なんだか敷居が高そうで……。

愛月さん:たしかに「いつでもクラシック音楽がかかっている」「大声でお喋りできないところが多い」っていう特質から、入りづらい印象を持たれている方は多いかもしれませんね。

僕は「名曲喫茶」っていうのは、基本的に、クラシック音楽を聴くための場所を通して、お客様の心に安寧をもたらすための場所だと思ってます。僕自身も「クラシックを聴くため」というよりは「静かな心持ち」を取り戻すためにふらっと名曲喫茶に入ることが多いです。

名曲喫茶には昔から行かれてたんですか?

愛月さん:たまたま、昔住んでいた家のすぐ近所に名曲喫茶があったんです。そこのマダムに子どもの頃から可愛がってもらったこととか、クラシックのレコードを聴かせてもらっていたことも凄く大きいです。10数年前にそこは閉店されて、マダムも亡くなられたんですけど、閉店する直前まで通っていました。

その名曲喫茶の影響を受けているんですね。

愛月さん:やっぱり意識はしています。当時のその名曲喫茶に来ていたお客様が、もうかなりご高齢の方が多いですけど、遠方からいらしてくださるので。そういう方たちにとっても、古き良き名曲喫茶の雰囲気を思い出してくれるような店でありたいなって。

 

名曲喫茶のファンから
名曲喫茶の店主に

愛月さんにとって、「名曲喫茶」というのはどういう場所ですか?

愛月さん:日常と離れた世界、みたいなところは確実にあると思います。老舗の純喫茶やバーでもそういう雰囲気はあると思うけど、やっぱり名曲喫茶はとくべつですね。扉を開けて中に入ったら即、時間や空間を越えて、もう生きていない作曲家や演奏者の魂と接続できる、みたいな感覚があります。

愛月さんはご自身が名曲喫茶ファンなんですね。

愛月さん:そうですね、よく通っていました。忘れられないのが、7年前のある日、某名曲喫茶のソファで自分がリクエストした曲を聴きながらうつらうつらしていたら、幼少期に初めて行った名曲喫茶の亡くなったマダムが夢の中に出てきて。「名曲喫茶をおやりなさい」って言われた——うん、たしかに言われた気がしたんです。

わああ、凄いですね。そのときリクエストされた曲は憶えてますか?

愛月さん:もちろん。久しぶりにかけてみましょう。ガブリエル・フォーレという作曲家の「ピアノ三重奏」という曲です。

この曲を聴きながら、愛月さんは今はなき名曲喫茶のマダムから啓示を受けたんですね。じゃあ、もしこの曲をリクエストしてなかったら、月草もなかったかもしれないですね。

愛月さん:そうですね。それでその翌日、夜にお店を開いている母に昼間に名曲喫茶をやりたいと相談しました。それから急ピッチで話が進んで……。『名曲喫茶 月草』を開店したのは2012年の7月ですけど、一気に準備して、半月くらいで開けましたね。

開店するとき、不安はありましたか?

愛月さん:1人で喫茶店をやるのは初めてのことだし、もちろん不安でいっぱいだったけど、「この街で名曲喫茶を開いたら、きっとお客さんは来てくれるだろう」って何処かで信じていた気がします。以前から、国立には名曲喫茶が必要って感じていて。

まさか、自分がやることになるとは思わなかったけど。でも、僕みたいな人はきっとこのまちにはきっと少しはいるはずだって。おいしいコーヒーがあって、大きな音でクラシックがかかる場所を求めている人たちが。

 

「国立」というまちについて

愛月さんにとって、国立はどんなまちですか?

愛月さん:ここ10年で目まぐるしいくらいの勢いで駅前も商店街も変わったけど、根底にある「古きよきものへの希求」みたいなものはそこまで変わっていないんじゃないかと。僕から見ると、国立はまだ『名曲喫茶 月草』みたいなニッチな店が存在する余地があると思っています。

あと、「多摩地区」特有のムードっていうのは確実にありますね。それはホームテックさんのある聖蹟桜ヶ丘とも共通しているんじゃないでしょうか。古くから在る自然や建物がもたらす「安らぎ」と新しく生まれる文化が混在してる雰囲気というか。

そうですね。国立と聖蹟に共通する雰囲気はたしかにあるなあって私も思いました。聖跡にも古くて素敵な建物とか喫茶店があるかもしれないですね。改めて探してみたくなりました。

愛月さん:そういえば、国立で名曲喫茶を始めた理由はもうひとつあって。
ここを開店する1年くらい前にイギリスに行ったんです。生まれて初めての海外旅行だったんですけど。イギリスという国は——ヨーロッパ全域に言えることかもしれないけど——古いお店や建物を凄く大切にするところがあります。

まちをぶらぶら歩いているだけで、その精神がびしびし伝わってくる。で、日本でそういう場所に近い場所はどこだろう?って考えてみたとき、それはやっぱり名曲喫茶だったんです。自分の中では。だから、1人でイギリスに行ったことも名曲喫茶を始めた要因としてかなり大きかったと、今は思います。

古いものを壊すのではなくて、活かして新しいものをつくること。残すべきものは残して、次に繋げていくこと……。そういう意味では愛月さんのされている「名曲喫茶」と私たちがしている「リノベーション」っていう仕事は何かしら通じるところがあると感じました。

最後に、「お店をやっていて良かったな」って思うのはどんなときでしょうか?

愛月さん:うーん……。月並みな答えかもしれないけど、やっぱり「お客様が喜んでくれた」って感じられたときですね。そう感じたことは僕の主観かもしれないけれど、そんな実感の積み重ねでこれまでどうにか続けてこられたような気がします。

仕事内容的にはとても地味だし、疲れるときもたくさんあります。でもわざわざいらしてくださったお客様がこの店を出るとき、入る前より、少しでも、ほんの少しでも、安らいだ気分になってくだされば、名曲喫茶冥利に尽きます。本当に。

愛月さん、ありがとうございました!

指揮者・ヘルベルト・フォン・カラヤンのベストアルバム。itunes music storeで購入可能。クラシック初心者の方も親しみやすい内容になるように、愛月さんが選曲したもの。

 

Ι営業日・営業時間
土/日/祝のみ PM12:00〜19:00

ΙHP
http://www.tsukikusa.jp/

Ιtel
042-575-4295

Ι住所
〒186-0004 東京都国立市中1-10-8 ノア国立ビル2F

Ιアクセス
中央線 国立駅南口より徒歩5分

●編集 細野 由季恵

「ものづくりの技術を学ぶために留学を」ソープカービング作家 武田綾子さん | エイミーズトーク #05

エイミーことエントリエ編集長の鈴木 栄弥が見つけた気になる人を訪ねて、自分らしい暮らし方や生き方のヒントをいただいてしまおうというこのシリーズ。第5回目のゲストは、ソープカービング作品の制作・販売をするchaikha(チャイカ)の作家、武田 綾子さんです。

大人になってからでも、
好きなことは学べる

武田 綾子(たけだ あやこ)さん。タイの伝統工芸「タイカービング*」の技術を学ぶため、会社員を辞めてタイへ短期留学。現在も定期的に新しいデザインや技術を学ぶためタイへ足を運んでいる。2016年からは、オリジナルのソープカービング作品を制作・販売。「chaikha(チャイカ)」というブランドを立ち上げ、イベント出店やワークショップの開催、企業への作品提供など積極的に活動を広げている。(*カービング・・・彫刻のこと)

 

会社を転々とする生活を捨て、
単身カービング留学へ

カービング作家になる前は、どのようなお仕事をされていたのですか?

武田さん:美術大学を卒業してからアルバイトをしたり、デザイナーをやったり、IT系の会社で事務職で働いたりもしたのですが、どれも数年で転職することを繰り返していて……。

このままではいつまでも転職を繰り返すだけだなと思っていた時、カービングに出会いました。

どういうきっかけだったのでしょうか?

武田さん:もともと、ものをつくることは小さい頃から好きだったんです。そして20代の頃に初めての海外旅行で行ったタイにドハマリして……。あるとき、それを知っていた会社員時代の知人が、現地でカービングなどのものづくりの技術を学ぶことができる短期留学があることを教えてくれたんです。

その時まで、カービングのことは知りませんでしたが、「大人になってからも勉強をしに留学することもできるんだな」って思いました。ただ、そのときはタイミングではなくて、自分が行くことは考えませんでした。

それから数年経って、やっぱり気になって調べるうちに「タイ」と「ものづくり」、両方の好きなことを叶えてくれるのはやっぱりカービングだ!と思って。なんとなく頭の片隅にあった夢を実現させてみようと思い、1ヶ月間タイのバンコクへ行くことにしました。

 

行動力がすごいですよね。

武田さん: 周りからはやったことないのによく行こうと思ったね、と驚かれることもありました(笑)。でもなぜか、全然自分に合わなかったらどうしようとか、ネガティブな気持ちはありませんでした。

 

カービングのどのようなところが魅力でしたか?

武田さん:小さい頃から細かい作業をひたすら集中してやることが得意で。カービングはその作業の連続でした。もともとはお花にはあまり興味がなかったんですが、自分の手の中でお花ができていくのを見るのはとても楽しかったです。職を転々としていた私のなかで、あっているものを見つけた!という感じでした。

それは嬉しいことですよね……!


「好き」を仕事に変えた日々。

 

留学後はどうされていたんですか?

武田さん:絶対に仕事にしたい!と思い、「chaikha」を立ち上げました。せっかく留学をしたこともあり、趣味で終わらせたくないなという気持ちが強くて。その後も、修行のためにタイに通っています。

そうなんですね! 修行はどんなことをするんですか?

武田さん:新しいデザインや技術を学びます。上には上がいる業界だから、全く終わりがなくて。コンテストや検定とかのためではなく、自分がこれだったら欲しいなというものをつくるための修行ですね。

「chaikha」という名前の由来はなんですか?

武田さん:ブランドの名前を考えたときに、英語とかでかっこつけるよりかは、タイ語を使った柔らかい表現にしたいなと思ったんです。そこで、タイ語でchaikhaと名付けました。

意味は、chaiが「うん」とか「そうそう」というYesの言葉で、khaが女性の「です」「ます」口調のこと。直訳すると「そうです」という意味なんです。意味だけを言うと変な感じですが、タイのまちにいると、女の子たちが「chai chai」と言っているのが聞こえたりして、とってもかわいいんです。音の響きもいいし、ポジティブな意味でもあるので、いいかなと思って名付けました。

現在の活動を教えてください!

武田さん:現在は、ネットやイベントでの販売がメインです。自分の店舗を持っていないので、毎週日曜日には横浜の「象の鼻テラス」で「ZOU-SUN-MARCHE(ぞうさんマルシェ)」に出店させてもらっています。この場所はまず空間が好きで、ほかの出店者さんたちも、なんとなくこの空間にあうような人たちで、のんびり、ふんわりとしていられるのがいいですね。それ以外にもパシフィコ横浜や東京ビッグサイトで開催されるような大きなイベントにもたまに出店しています。

 

「いいな」という思いを繋げていきたい

お客さんに、「chaikha」の作品をどう思ってもらったら嬉しいですか?

武田さん:私の作品はパッと見るだけでは、石鹸だということに気づかれないことがあります。だから、まずは近くに来てもらって「これはどうなっているの?」とじっくり眺めてみてほしいです。

興味を持ってもらって、最終的にお部屋に飾ってくれたなら、ふとしたときに眺めたり、香りに癒しを感じたりしてもらえるといいなと思います。大切な人へのプレゼントとして、これをあげたいなと思い出してくれるのも嬉しいですね。

やっていて良かったな、と思うときを教えてください!

武田さん:インスタグラムをやっていて、同じようにカービングをやっている人との繋がりができたときですね。ほかにも、アクセサリーや工芸品をつくっている人、外国の方もフォローしてくれて、自分がつくったものを「いいな」と思って繋がってくれる。自分がつくったものを見て人が驚いたり、喜んでくれたりするのがすごく楽しいですね。


大切にされているこだわりはありますか?

武田さん:自分が欲しいと思うものをつくるということですね。画像検索でもたくさんのソープカービングがでてきますが、ほかとはちょっと違う「chaikha」らしい作品をつくるようにしています。家の中に置かれたらどう見えるかといったところも気を使うようにしています。

そして、タイが大好きすぎて始めたことなので、タイにまつわることを大切にしています。象とかタイとか、タイ要素はどうしても入れたくなりますね。

 

タイの人々にとって、長い間生活に深く関わってきた象は特別な存在。「象の鼻テラス」はタイが大好きな武田さんの思いを象徴する場所でもあります。

 

chaikha(チャイカ) HP
https://chaikha.shopinfo.jp/

 

●編集 細野 由季恵

「出版社の枠を越え、 市民と多摩地域のハブを目指す」けやき出版 代表 小崎奈央子さん | エイミーズトーク #04

エントリエ編集長エイミーが気になる人を訪ねて、自分らしい暮らし方や生き方のヒントをいただいてしまおうというこのシリーズ。第4回目のゲストは、多摩地域の情報誌「たまら・び」をはじめ書籍の制作や自費出版をおこなうけやき出版の代表 小崎奈央子さんです。

出版社の枠を越え、
市民とまちのハブを目指す

小崎奈央子(おざき なおこ)さん。小さな頃から本が好きだったことから、編集者としての道を模索し大学卒業後、出版社に勤務。その後、2人の子どもに恵まれ専業主婦や雑貨店でのアルバイトなどを経て、けやき出版に編集者として入社。2015年7月にけやき出版の社長に就任。出版社の顔である地域の情報誌「季刊誌 たまら・び」は100号を迎えた。

 

編集、子育て、接客業を経て、けやき出版の社長に

もともとは編集者だったんですよね。

小崎さん:本が好きだったので、「本に関わる仕事がしたい!」というのは最初から考えていたのですが……。実は図書館司書を目指していた時期もあるんです。でも周りから「あなたは動き続けていないと死んじゃうんじゃないか」と反対されて(笑)。その後、編集という形で本に関わろうと片っ端から出版社を受け、編集者として働きはじめました。

それからは、ずっと編集のお仕事一本ですか?

小崎さん:いえ、子どもを早く生んだこともあり一度離職して専業主婦も体験しているのですが、ぜんぜん合わなくて(笑)。編集と子育ての両立が難しさも感じていたので、興味のあることをやってみようと雑貨屋や映画館でのアルバイト、派遣社員も経験しました。でも、やっぱり編集をやりたいなということで、12年前にけやき出版を見つけて中途入社しました。

ブランクもあったんですね。

小崎さん:はい。それでも、全部今に繋がりますよね。育児経験のおかげで今は、働く女性のためにというお話をする機会をいただくこともありますし。例えば、ネガティブな体験があっても、「嫌だな」って思って終わるのではなくて「この経験を活かして次からこういうところを改善しよう」と考えれば自分のためになるっていう考え方なのかな……。

見習いたいです……!

 

多摩エリアに根ざした出版社の社長としてお仕事をしていて良かったな、と思うのはどんなときですか?

小崎さん:「よかったな」しかないですね。自分の中ではすでに仕事という感覚ですらなく、ライフワークになっています。だから、個人的にも地域の活動をしますし、もちろんそれが、仕事に繋がったらいいなっていうビジネス的な視野もありますが。お仕着せにならないように気をつけてはいるんだけど、こんなに多摩が好きになるとは思わなかったなって(笑)。

経営者となって責任も増えて大変なこともありますが、時間的に自由になれた部分もあり、「自分で選択できる」という自由はありがたいなって思っています。編集者の頃は、常に実務があって、体力的な厳しさも感じていましたが、大変さの後には必ず思い描くものが本として形になるという楽しさがあり、使っているパワーが違いますね……。

 

思い描くけやき出版の姿

小崎さん:インターネットもなかった時代でこそ、多摩エリアに特化したガイドブックや情報誌を制作する出版社として愛されてきた側面もあるのですが……。

今現在も、2020年のオリンピックに向けて観光誘致のためのガイドブックを作成するという動きは活発ではあるんですよね。もちろん、そういうお仕事のお話をいただいた時に、いままでの蓄積がある私たちにとってはやっぱり強みでもあります。でも、それが表面的な情報だけを掲載して、数で勝負するというモノだったとき、これが本当に私たちのやりたいことなのかな?と疑問に思いはじめて。

そうではなくて、お店や人それぞれにストーリーや思いがあることを、ひとつひとつ丁寧に情報発信する会社にしなければなっていうのが、私が最近気づけたことなんです。

 

小崎さん:それこそ、エントリエのリノベーションと同じだなって思って。残す柱は残して思いをつなげつつも、これから住み続ける人がより豊かな暮らしをするには?を考えていくというか。今まであるものを生かしつつ、今の時代にあうものにより良い形に編集するのが課題ですね。

そうなんです!暮らしって、大切ですよね。

小崎さん:そうですね。だから、海外や市外に住んでいる人を多摩に呼び込もうとする必要性も感じる中で、地域に寄り添う私たちにとっては、今現在、多摩に暮らしている人たちの生活をより豊かにする方が大事なんじゃないのかなって、思いはじめているところなんですね。

今ここに住んでいる人たちがまちのことを知っているか、好きでいられるか。他にも、多摩エリアに住んでいても仕事は23区に通うという人も結構いて、生活と仕事が離れているのを感じます。

だから、もっと、今住んでいる人に対してもまちの中を見せたいって思っているんですね。出版社ではあるけれど、本作りだけではなく多摩のことなら全部やりたいし、出版社っていう枠は飛び出したいと思っています。

今後の展望ですね。

小崎さん:そうですね。今まさに個人的な地域の活動として、シビックプライド*をコンセプトに「まちの種」という、市民が自分の町を好きになって、自分たちの町を作ろうよ、という有志のプロジェクトを立ち上げたんですね。
(*市民がまちに対して誇りをもち自分自身が町を作る一員だという、19世紀のイギリスから広まった動きや概念)

そういう地域のプロジェクトをしていて思うのは、個々では「こういうことをやりたい」、「もっとこうなればいいな」と考えていることもあるのですが、やっぱりどうしてもその一つ一つがつながらなくて。いずれは、まちのなかにあるたくさんの可能性を繋げて、そういう人たちのやりたいことを情報発信したり、個人または企業をつなげるハブになるようなきっかけをけやき出版が担いたいなと……。今は、構想を企てているところです!

けやき出版から発行の『夏水組インテリア・コレクション』(著 坂田夏水)を元に、35年以上続く会社の壁や什器を社員みんなでDIY。マスキングテープやタイル、ペンキ塗りをしました。

 

出版社の社長であり編集や取材のプロである小崎さんに、私が取材をするなんて、大変恐れ多いことでしたが、とても丁寧に気さくに答えていただきました。会社や地域へのあたたかい想いや、働く女性としての姿勢が、とても魅力的で憧れます。今回は久しぶりのエイミーズトーク。これからは隔週金曜日に更新していきますので、お楽しみに!!

●編集 細野 由季恵

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