1杯のコーヒーからはじまる。人と人とのつながりを求めて。
1981年東京多摩エリア生まれ。文化服装学院出身。旅先で訪れる国々のコーヒー文化に衝撃を受け、洋服に埋もれた生活から一転、コーヒーの世界にのめり込む。2012年9月、念願の自家焙煎コーヒー豆とコーヒードリンクの専門店tak beansを聖蹟桜ヶ丘にオープン。現在、コーヒーを通してヒトとヒト、モノ・コトを繋ぎ多摩エリアを盛り上げようと街の便利屋目指し日々奮闘中。
旅先で出会ったカフェの魅力
──こんにちは。こちらのお店、前から気になっていたんです!
松崎さん:そうですか。どうもありがとうございます。ご近所さんですもんね。
──はい。ところで、松崎さんがコーヒーショップを始めたきっかけは?
松崎さん:洋服が好きで、ファッションの学校、文化服装学院を卒業後、アパレル企業で販売や販売促進、PRの仕事をしていたんですが、自分のお店を持ちたいという気持ちはずっとあって。それで色々なタイミングが重なり、思い切ってはじめました。
──元々コーヒーはお好きだったんですか。
松崎さん:家ではよく飲んでいましたね。でも、ほんとに好きになったのは、いろんなところに旅をするようになってからですね。
──印象に残っている国とかコーヒーショップとかあります?
松崎さん:たくさんありますが、コペンハーゲンにある『Cafe Europa 1989』は好きでしたね。バリスタの世界チャンピオンを何人も輩出しているコーヒーショップです。
──へー!コーヒーショップのどんなところが魅力なんですか。
松崎さん:そうですね。一杯のコーヒーを通じて、会話が生まれ、人と人とのつながりができることですかね。カフェって、世代や年齢を超えて様々な人が集まり、何かが起こるんですよ。自分もそんな場所をつくれたらいいなと思っていました。
Takはデンマーク語で「ありがとう」を。ボトムのTuckの意味も。「モノとヒトとコトが折り重なって、いろんなことが起きたらいいなと思って」グッズのデザインは、自店で知り合ったデザイナーさんの手で。
みんなに助けられてオープン
──お店は最初から聖蹟桜ヶ丘に出そうと思っていたんですか。
松崎さん:都心でやるか、地元でやるか。迷っていて、葉山でロースターをやっている先輩に相談しました。そしたら、絶対地元でやったほうがいいよって。最初は大変かもしれないけど、絶対にみんな助けてくれるし、時間をかければ、まちに溶け込んでいけるからって。
──実際、どうでした?
松崎さん:その通りでしたね、ほんと。最初から助けてもらいました。このお店の内装、手前は店舗内装をやっている先輩と二人でD.I.Y.して、奥の部分は元々はお客さんだった建築士の方が設計してくれて。お客さんや地域の仲間が集まってセルフビルドでつくっているんです。実はグッズのデザインをして頂いている方と建築士さんはご夫婦で、今は公私ともに仲良くさせて頂いています。
──そうなんですね、素敵!
松崎さん:集客もオープン直後は確かに厳しかったですが、地域のイベントに出店したり、趣味のランニングやトレイルランニング仲間からSNSなどで広がり、給水所代わりに立ち寄ってくれたりして、段々と広がっていった感じです。
聖蹟桜ヶ丘のためにできること
──聖蹟桜ヶ丘についてはどんな印象ですか。
松崎さん:東京のベッドタウンで、いい意味で「イナカ」ですよね。ギスギスしていないし、いい人が多い。一方で、昔から住んでいる人たちと新しく入ってきた人たちの交流の場が少ないのかなと思います。
──それで、コーヒーショップ以外の活動もいろいろやられているんですね。
松崎さん:地元野菜や地域の美味しいもの、つくり手の顔が見える食品を集めた『せいせき朝市』という催しを月に1回程、【Seiseki farmers meeting】さんと開催しています。あと不定期ですが、自分が好きな人たちにきてもらってイベントをやったり。
──大変じゃないですか?
松崎さん:自分のお店があるまちですからね。やっぱり楽しい方がいいじゃないですか。そのためにできることはやりたいなと思って、多摩内外のいろんなイベントにも協力させていただいています。そういえば、昔、聖蹟桜ヶ丘には花火大会があったの知ってます?
──そうなんですか?知らなかったです。
松崎さん:行政と民間が協力して、今の時代に合う新しい花火大会をつくりあげようという活動があるんですが、こちらの実行委員の一人としても関わっていたりします。まちでできること、仲間とできること、自分でできること。いろんなできることが重なって、少しでも魅力的なまちにしたいですね。
──オープンしてから6年目、コーヒーショップをやっていて良かったなって思うのはどんなときですか。
松崎さん:やっぱり「美味しい」って言っていただけるときがいちばんかな。「コーヒーは、ここでしか飲まないんですよ」とか、「ブラックは苦手だけど、このお店のコーヒーは飲めるんだよな」とか。あと、ときどき、ぼくと話すのが好きだって言ってくれる方がいらして、それはそれで嬉しいですね。ちょっと不思議な嬉しさですけど。
ありがとうございます。美味しいコーヒーが飲みたくなりました!
お店で提供しているのは生産国、農園名、品種などが明確な“スペシャルティコーヒー”15~16種類で、毎朝焙煎し、豆の量り売りや注文を受けてから1杯ずつハンドドリップするコーヒードリンクも展開している。「小さな子どもたちの中で、自家焙煎のコーヒーショップが近所にあることが当たり前って思ってくれるようになったら嬉しいですね」
「限られた裕福な人のための贅沢な家具ではなく、あらゆる人々が気軽にデザインと触れ合い、デザインをもっと日常の暮らしの一部」として捉える北欧の考え方・デザインが好き。カフェには、イギリスやイタリアなどのヴィンテージ家具やハンドメイドのドライフラワーを置いている。
第1回目の Amy’s talk、いかがでしたでしょうか。松崎さんがいるからお店に来てコーヒーを飲む。私も松崎さんのように、魅力ある場所をつくり、魅力ある人になりたい。エントリエがあるから、私がいるから、リノベーションをしたいと思ってもらえるように。まちのエントリアンとの次の出会いが楽しみです!
■ショップ情報
Ι営業時間
平日・8:00 – 20:00
土日祝祭日・8:00 – 19:00
Ι定休日
月曜日
※ただし月曜が祝祭日の場合は営業し、翌日火曜がおやすみ
Ιtel・fax
042-313-7683
Ι住所
〒206-0002 東京都多摩市一ノ宮3-7-16
Ιアクセス
京王線 聖蹟桜ヶ丘駅西口徒歩約5分
すぐ近くに提携のコインパーキングがあります。1,000円以上お買い上げの方は駐車料30分サービスいたします。