刺繍作家のpieni puu(ピエニプー)は、もともとはフィンランド語で、“pieni”=“小さい”、“puu”=“木”という意味。⁡

大きなものを大勢でつくるのではなく、自分でできる小さなこと(もの)を、小さな自分なりに丁寧につくっていく。⁡そして小さな木も、根をはり、幹を太くし、年輪を増やしていくように、作品とブランドが思い出とともに、長く育っていって欲しいという願いがこもってます。

⁡ロゴマークが「木」でなく「鳥」なのはいずれ木が育ち、鳥が集まり羽を休める場所になるように、出会いや楽しいことが集まりますように! という想いから。

実は、pieni puuとはブランド名でもありますが、刺繍の住人が住む“町の名前”でもあるんです。

以前、ドット柄のワンピースを着た女の子を刺繍したことがあります。その子の評判がよく、それからは人型の刺繍をちょこちょことつくるように。すると、いくつかキャラクターができたところで、「町にしたら?」という提案を頂きました。

ちょうど、わたしのなかでも作品は町のイメージを持っていたため、「pieni puu」を町の名前にしちゃった! という次第なのです。

好きなものは、さびない。時を超える、刺繍作品たち

わたしは、へんてこりんなもの、そしてスタンダードなもの、古くから在るものが好き。自分で好きなものを選べるようになってからはずっと、自分の価値観や「好き!」という気持ちを大切にしてきたと思います。

そして、そう在りたいなぁと思っています。なぜなら自分で選んだものって、時間を経ても気持ちが色褪せることはなく、むしろ愛着が湧いていくから。

pieni puuのコンセプトは、“流行らず、さびない、刺繍の住人たち”。

迎え入れて下さった方の手元で、永遠にさびず、愛着をもって思い出を積み重ねて頂けるような、存在をめざしてつくっています。

旅先で見つけたものは、手にとるとそのときの旅の思い出が蘇りますよね。

そんな風に、人生の旅の記憶の一部になれたら最高です。流行は終わるけど、自分の好きは終わらないのですから!

北欧への旅が教えてくれたこと

気持ちのまま進んできましたが、挫折もありました。

与えられたその場所その場所で、自分のつくりたい気持ちを、都度都度、発散させてきました。しかし、ふたりの娘を出産後、突然クリエイティブなアイデアやエネルギーをアウトプットすることがなくなったんです。

そんなときにふと「あ〜わたし、北欧に行きたかったんだよな〜」と、遠い外国のことを思い出したんです。「まとまったお金ができたら」、「子どもが巣立ったら」と、北欧に行く夢は“いつかの夢”にとっておいたままだったのです。

下の子が母乳を卒業したときに、ふと「いつか北欧に行こう!の“いつか”って一体いつ?」と自分に問いかけ、「このままだと、その日は来ないんだ」ということに気付きました。

そこからスイッチが入り、スウェーデンの蚤の市に参加するツアーに申し込み、北欧に出発したのです。帰国したときには「いくつになっても、何でもできるんだな」と、自分という風船を膨らませていた空気が、まるっと入れ替わったような感覚になり、自信をつけて帰りました。

「これからは、やりたいことに『よっこらしょ!』ではなく『ほい!』くらいで、挑戦していこう」

このことが、pieni puuをはじめるきっかけのひとつになりました。

『ドットワンピの女の子』シリーズは、この旅で訪れたヨーテボリという町の光景から誕生したそう。「誰にも媚びないヨーテボリっ子のカラフルなファッションに『そうだよな〜服は人の目を気にして楽しむもんじゃないんだ!自由でいいし制限しているのは自分だったな!』と思ったのです」

作品を通して出会うもの

日々、作品を手に取ってくださる方との結びつきが強くなっているなと、ありがたく感じています。特に印象深いのは、地元で行われたクリスマスマーケット。あるご家族がいらしたんです。実は、以前のイベントで、娘さんがドットちゃんのことを気にしてくれていたと教えてくれたのです。

そしてその日、ドットちゃんブローチを迎えて下さいました。

忘れずにいて下さったこと、再び訪れてきてくれたこと。それだけでも嬉しいのに、さらに後日、娘さんがドットちゃんをベッドに寝かせてくれているという写真が届いたんです。

ここには書ききれないですが、そういったひとりひとりとのエピソードや言葉に、本当に支えられています。感謝感謝です。

そして来年、にじ画廊(吉祥寺)で個展をします。

憧れのにじ画廊で個展だなんて、大それたこと思いついちゃったな〜! と思うのですが、心境は北欧に飛び出していったときと同じ。イメトレはもう、十分していたんでしょう(笑)。

個展では、pieni puuの刺繍の町を“空間”の中で表現したいと思っています。普段、SNSでしか発信していないため、リアルな経験としてpieni puuの世界を楽しんでいただけるようにしたいです。

ぜひ、あそびにいらしてくださいね!

動画講座も開講予定なので、ぜひそちらもたのしみにして頂けたらと思います。

お知らせ

①2024年秋ごろ、動画講座リリース予定。
詳細はInstagramでお知らせお待ちください。

②pieni puu 初個展 
日程:2025年 5月22日〜27日 
場所:にじ画廊(吉祥寺)

③ 準備の様子を、Instagramやnoteで、#うちのママ個展する で発信中

刺繍作家 pieni puu
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