ファブリックブランド「LAWN / memememe múm」主宰・大江絵美さんが手がけるのは、子どもと大人が一緒に楽しめるファブリックプロダクト。代表作の「スタニギー」は、にぎにぎとスタイが一体となった独創的なアイテムで、それぞれの作品には物語が添えられています。神奈川県出身、桑沢デザイン研究所卒業後アパレル業界で10年勤務し、2018年の仙台移住を機に本格的な活動を開始。現在は3児の母として、家族と社会を緩やかに繋ぐものづくりを続けています。

小さな命と向き合いながら生まれた、「スタニギー」

スタニギーが生まれたのは2012年、長男の出産がきかっけでした。息子がスタイを引っ張ったりかじったりして遊んでいる姿を見て、「ここにニギニギがついていたら楽しいなあ」と思い、うさぎとぞうをつくってみたんです。その後は友人たちへの贈り物としてつくったり、のんびり続けていました。

最初につくったスタニギー

その「スタニギー」がLAWNというブランドとしてスタートしたのは、2017年に吉祥寺にて展示会を開催したことが転機となりました。当時は、息子の小さな命と向き合うことに必死で、でも『わたし』も認めてもらいたくて。今思い返すと、いわば心理療法的な意味合いでつくりはじめたのだと思います。

活動を始めた当初から大切にしているのは、過剰に赤ちゃんや子どもに寄せたデザインや触り心地にしないこと。誰から見ても“かわいい”と評価されるようなものよりも、あえて少し崩れたバランスや表情に重きを置いています。そして何より、おばあちゃんになってもつくり続けたいというマインドで、大量生産をせず、一つ一つ大切に仕上げることを心がけています。

家族と社会を、ゆるやかにつなぐもの

子どもたちが大きくなった今、家族と社会を緩やかに繋げてくれているのが、わたしにとっての“ものづくり”です。夫もデザイナーなので、当初からパッケージや展示の見せ方などをプロデュースしてくれたり、夫がいなかったらこの活動は続けられませんでした。

家族みんなを巻き込んで、楽しく活動しているところを子どもたちにも体験してもらいたい。そしてこの先の、生きていく力にしてくれたらと思っています。

LAWNの作品には、それぞれに物語が添えられています。実はこの文章、テキスタイルデザイナーである夫に書いてもらっています。夫はこのように話してくれました。

「もこもこの羊をみたときに、『そこから作り出されるウールのセーターの暖かさ』を想像する人がいるいっぽう、『この羊は人間に飼われ、はたして幸せなのだろうか』と想像する人もいます。そうした相対性が、LAWNにインスピレーションを与えます。赤ちゃんの気持ちを、100%ただしく理解することは、大人にはできません。しかし、『もしかしてこう感じているかも』と、さまざまに想像することは可能なのです。」

創造することでつながる連鎖がある

昨年からは、友人と一緒に別ブランド「memememe múm(メメメメムーム)」を立ち上げました。こちらはオリジナルプロダクトの他に、年に2回ほどセレクト商品を販売するPOPUPイベントやオンラインショップを展開しています。

わたしが感じていた、“子育てと社会との関わりのバランスの難しさ”で悩んでいる方たちの少しでも手助けができればと思い、memememe múmを始めました。わたしももちろんつくり続けますが、一緒に発表できる機会や、一緒に手を動かす場所があることで、世界が開ける方々がいればと思っています。

LAWNの作品を求めてくださるみなさまがいて、こんなに長くLAWNを続けてくることができました。心から感謝しております!ありがとうございます。

直接イベントなどでお会いできました際には、お話してください!

memememe múm POPUPイベント開催

11月末にPOPUPイベントを開催予定です。
詳しくは@mememememum インスタグラムをチェックお願いします。

LAWN&memememe múm 主宰 大江絵美
神奈川県出身。桑沢デザイン研究所卒業後、アパレルで勤務。2018年、家族で仙台に移住したことをきっかけに本格的ににぎって楽しいファブリックブランド『LAWN』の活動を始める。テキスタイルとのふれあいや、そこから物語を想像することといった親と子の豊かな関係性への想いのもと、製作している。
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