日々編人(ひびあむひと)」は、編み物作家であり、ミニマリスト。幼稚園教諭の休職中に編んだ帽子がきっかけとなり、活動をスタートしました。「考えすぎず、手を動かす。編む時間は、私にとって無になれる大切な時間」という日々編人。穏やかに暮らすために本当に必要なものは何か。ミニマリストとして暮らしを見つめ直す中で、編む時間こそが暮らしの軸だと気づいたといいます。
編むことが、暮らしの軸になるまで

休職中、時間ができたことがきっかけとなり始めたのが編み物でした。自分用に編んだ帽子が、思いのほか楽しく、気に入ったものができて。そこから少しずつ、編み物が暮らしの一部になっていきました。余った糸で子どもサイズの帽子を編み、販売もスタート。
当時はハンドメイドが注目されていたタイミングでもあり、ありがたいことにピックアップ商品に選ばれたり、雑誌に掲載されたことも、続けていくきっかけになりました。
編むことは、私にとって趣味ではありません。暮らしの軸です。穏やかに暮らしたい。それを実現させるために必要なのは編む時間だと、たくさんのものを手放したり、新たなことを取り入れていく中で気づきました。
日々、編み、穏やかに暮らす。けれど、それだけでは生活は成り立ちません。そのため、日々編むことを仕事にしています。無意識にやってしまうほど好きなことで、編むと心が穏やかになります。
ワークショップで伝えたいこと

ものづくりを始めた当初、三軒茶屋のカフェで展示したことをきっかけに出会った方が、今も変わらず応援してくださっています。その方のお子さまの結婚式では、ウェルカムボードを作らせていただきました。今も時々、ハガキのやり取りをしています。ぐりとぐらの葉書がポストに見えると心が躍ります。その存在が、今も活動を続けている大きな励みになっています。
ワークショップを始めるきっかけをくれたのも、お客さまです。資格を取らなければ、と思っていた私に、「おーちゃんに会いに来ているんだから、資格があると逆に緊張して来づらいよ」と言っていただいたことがあります。その時、私が届けたい、届けられるのは編み物の技術ではなく、編む時間やリフレッシュできる空間なのだと気づきました。


私はかぎ針を始めた当初、編み図や編み物の本を見て練習するのが苦手でした。「ここを知りたい」「ここが分からない」と、四苦八苦していた経験があります。実際にワークショップ中にも、参加者さんが難しさを感じたり、忘れやすい箇所があるんです。そうした部分を中心に、意識すると楽しくなるポイントをSNSの動画では載せるようにしています。「あー、今日のワークショップで言ってたのはこのことか」となってくれたら嬉しいです。

作家と人が出会う場所、アルパカマルシェも主催


こだわりを持つ作家と、暮らしに彩りを添える一品に出会える場所が、アルパカマルシェです。これまでさまざまなイベントに出展してきましたが、会場で感じるのは、作家さんが作るモノだけでなく、「誰が作ったか」に興味を持つお客さまが多いということです。「この方が作ったから迎えたい」、「作家さんに会いに来る」。結局、人なのだと感じています。
私の周りには、本気でものづくりをし、こだわりを持った魅力的な作家さんがいます。微力ではありますが、その方々をたくさんの方に紹介したい。たくさん買って応援することはできなくても、発信して紹介する場所なら作れるかもしれない。そう感じたのがきっかけでした。アルパカマルシェが、作家さんが活動する中で、お客さまとつながる一つの場になってほしいと願っています。このマルシェには、私が心から応援したいと思える方しかお呼びしていません。それは、楽しみに来てくださるお客さまへの信頼にもつながると考えています。
本当に大切にしたいものは

たくさんの不要なものを手放し、ミニマリストになりたいと思っていた時、ものを作り販売する編み物作家という仕事との間で、ジレンマを感じた時期がありました。一度、編むことを手放したこともあります。けれど、手放した時に気づいたのは、本当に大切にしたいのは、『編む時間』だということでした。
私が発信しているのは、過去の自分のためです。もがいていた過去も必要な経験だったのだと、編み続ける今の日々の中で確認し、その歩みを記録していきたい。そして、大切な人との繋がりのために。
私は、完成したものよりも編んでいる時間そのものに価値を感じています。ひと目ひと目、丁寧に編んでいくと編み目が整い、心も静かに満ちていく。今後は編む時間、そしてそれに必要なものや空間を提供していきたい。編み物のアクセサリー作家としては、より洗練されたものを届けていきたいと思っています。
もう一つの夢は、一階が商いの場、上が暮らしのアパートを建てること。シェアハウスなどではなく距離感のある空間。個が大事にあり、コミュニティのある空間。そこで編み物をし、整えながら静かに暮らしたいです。名前は、アルパカアパートメントでしょうか。
そんな「編む時間」や「整った暮らしの空気」を、これからも静かに紡いでいきたいと思っています。

| 日々編人・plage_bambine 編み物作家|日々編むミニマリスト 福岡県で余白ある空間と手しごとを大切にし、編む人として活動。2026年夏に手芸本を出版予定。 @plage_bambine ☑ Information 公式LINE note(編み物動画販売中) |

