SABOTENSのまちのミカタ。今回の舞台は、東京・御徒町です。取材日は2023年12月28日。お正月まで、あと数日となった年の瀬ムード漂う御徒町を歩きました。
2023年を漢字一文字で表すと……?
村田:今日は御徒町です。
藤田:年末感があるね。
細野:年末の景気のいい雰囲気を味わえたらいいな。
村田:去年と比べるとコロナ禍もようやく落ち着いて、にぎわいが戻ってきた感じだね。
細野:今日は歩きながら「師走ポイント」を探そう。師走ポイントを見つけたら10点です。
村田:やったー!
村田:はい!ファースト師走、見つけました。「謹賀新年」と、お休みの知らせ。
細野:年末って、みんな休みモードになるのがいいよねえ。
藤田:クリスマスが終わった瞬間、世の中一斉に年末モードになるよね。
細野:ふたりは年末年始、毎年恒例の行事はあるの?
藤田:年越しそばを食べるくらいかなあ。
村田:私もそば食べたり、うどんを食べたり。
藤田:うどんも食べるんだ。
村田:九州の実家では、そばよりもうどんを食べてたから、その名残で。
藤田:この飾り、良くない?
村田:装テン(装飾テント)が細長い。
細野:白い飾り、レストランにあるペーパーナプキンみたい。
村田:担々麺とかを食べる時に、服につかないようにする、あのエプロンに似てる。
藤田:あ、猫ちゃん!
村田:わー、なんで待ってるんだろう。どうしたの。
藤田:ご飯が食べたいのかな。
村田:あ、お店の人がご飯を出してくれてる!
藤田:そうか、ご飯待っていたのか。偉い。
細野:ご飯もらえるのが分かるんだね。
村田:よかったね。
村田:ひやー、あと少しで2024年かあ。
藤田:あやちゃん、今年はどんな年でした?
村田:バッタバタだったけど、いろいろなことができていい一年でした。
藤田:今年を漢字一文字で表すと。
村田:「肩」かなあ。それか「凝」。肩凝りに悩んで整体をジプシーした一年だった。
藤田:あはは(笑)。来年はよくなるといいね。
村田:来年は運動をちゃんとしよう。
藤田:じゃあ来年は「運」だね。
村田:よっちゃんはどうだった?
藤田:人生の岐路だったよ。激動だったな。
村田:そうだよね! 結婚もして。今年を一文字で表すと?
藤田:「結」です。
村田:まさに。
藤田:ゆきえちゃんはどうだった?
細野:大変なこともあったけど、最後の方になるに従って楽しいことがいっぱいあったよ。
村田:よかった! 今年を一文字で表すと?
細野:一文字で表すと……「猫」!
村田:そうだね、おいどん(飼い猫)がきたもんね。これで私たちみんな、猫と暮らしてるね。
石のまち・御徒町
村田:御徒町には、石とか宝石のお店が多いよねえ。前に、よっちゃんと石屋さんに入ったことがあったよね。
藤田:あ、このお店だ!
村田:そうそう、ここだ!入ってみよう。
御徒町駅すぐのところにある、クリスタル・ワールドさん。鉱物や化石、隕石、天然石など、多種多様な「石」を取り扱うお店です。
村田:いろんな種類の石がある。
藤田:それぞれ色が違うね。一つひとつ形が違うのも楽しい。
細野:石はいいねえ。
村田:なんでこんな色になるのか、不思議な石もあるね。
藤田:自然にこんな色や形になるなんて、すごいね。
藤田:値段もお手頃。
村田:アクセサリーにすると良さそうな石、たくさんあるね。
細野:立方体の石もある。ピアスをつくろうかなあ。
藤田:いいね!じゃあ私は、尖った石で矢じり(矢の先端、突き刺さる部分)をつくろうかなあ。
村田:いいね。肉とか切ったりして。
細野:角煮みたいな石もある!
村田:「豚肉石」っていう名前なんだ(笑)。
細野:豚バラだ。
村田:恐竜の化石がある!
クリスタル・ワールドさん:これは本物で、売っているんです。
藤田:売ってるんですね。
村田:126万円……!
クリスタル・ワールドさん:お安い方なんですよ。「宝くじが当たったら買いに来ます」というお客様もいらっしゃいますね。
クリスタル・ワールドさん:それぞれの石に対する「石言葉」っていうのがあるんです。
村田:「体力改善」「ストレス解消」。
藤田:「物事を成功に持っていく」。
村田:「あれこれ悩まず全身で生きる」。これもいいな。石言葉から選ぶのも楽しいですね。
クリスタル・ワールドさん:石言葉を見て石を選んで、アクセサリーをつくる方もいらっしゃいます。
村田:いいですね!
藤田:なんか石見てたらお腹へってきた。
村田:なんで(笑)。おいしそうに見えたの?
商店街の上にある神社で、気になる落ちもんを発見
思い思いの石を購入した後は、上野方面へ。アメ横は買い物に訪れる人々や外国人観光客など、たくさんの人でにぎわっています。
細野:人に飲み込まれていく……
藤田:アメ横は混んでるね。
村田:みんな年末のお買い物かな。
藤田:今度こういう場所で、「1000円で、お互いにプレゼントを渡し合う」っていうお買い物企画してみたいな。
村田:楽しそう!それぞれに似合う一着を探してみたいな。
細野:鉄火丼にアイスに……美味しそうなお店がいっぱいあるな。
藤田:アイスって、不思議と寒くても食べたくなるよね。
村田:あ、神社があるよ!
藤田:さっき電車の中から見えた神社だ!入ってみよう。
アメ横の商店街の上にある寺院「摩利支天 徳大寺(台東区上野4丁目6−2)」。江戸時代初期に創建された、400年近い歴史を持つ日蓮宗のお寺です。摩利支天は、「気力・体力・財力」を与え、「厄を除き、福を招き、運を開く」という、霊験あらたかな守護神であると伝えられているそう。
立地は商店街の上という、おもしろいつくりが特徴で、お店の前で飛び交う「かまぼこセット1000円!安いよ〜」「栗きんとんあるよ!」といったにぎやかな声を聞きながら、階段を登っていきます。
村田:スポーツ上達祈願に、勝守に、いろんなお守りがあるね。「ぼけ封じのお守り」なんていうのまで売ってる。
藤田:認知症予防かな。来年は辰年だから、私は龍の置物を買おう。
村田:いいね。
村田:敷地の一角には、お稲荷様もある。
藤田:縁結び地蔵尊だ。お参りしていこう。ご縁だからな、仕事は。
村田:本当に。フリーランスだと、人の縁で仕事が広がっていくよね。
藤田:来年もいいご縁がありますように。よろしくお願いします。
村田:よろしくお願いします!
お参りを済ませたら、今年最後のおみくじを引きます。
藤田:私は……「吉」だ!よかった。「時を考えて、早くあらため進むが良い。人と人と互いに力を合わせてすれば時あり」だって。みんなの力を借りて生きよう。
村田:周りの人が助けてくれるってことだね。私も「吉」だ。「碁に白黒の石が置いてあるように吉凶はないが、努力あれば後にはすべて良くなる」だって。「遅れれば利なし」。早くやれってことかな。
藤田:SABOTENSふたりとも「早くやれ」っていうことが書いてあるね。早めに早めにやろう、いろいろと。
細野:私は「大吉」だ!
村田:おおー、みんないい運勢でよかった。
細野:「太陽を手に取る相あり。志の達せられること、意のまま。しかし、運強く、身の及ばないことあり。身を辞すること謙虚なれば、幸せ必ずきたり」って。
藤田:いいことが書いてあるね!太陽の力を借りてって……植物のように光合成をしながら生きればいいのかな。
藤田:それにしても、エントリエのお散歩のとき、毎回晴れてるね。
村田:歩くときは、必ず晴れてるもんね。よかったよかった。来年もきっと、いいお散歩ができるでしょう。
「年末にお参りできてよかったね」といいながら帰ろうとしたところ、気になる落ちもんを発見したよっちゃん。
藤田:うわ!!!
藤田:かつらが落ちてる!!
細野:すごい落とし物だ。カラスの羽かと思った。
藤田:2023年最後の最後に、すごいものを見つけてしまった。かつらの落ちもん、いつか遭遇してみたいと思っていたから、いま夢が叶った(笑)。
どんな人が落としたのか?と、妄想しつつお寺を後にすると、後方から爆笑する女性の声が。
藤田:あの女の子が「私の前髪」だって。爆笑してる。
村田:主が現れた……!おしゃれ用のヘアウィッグなのか。見つかってよかった。
衝撃的な落ちもんとの遭遇に興奮冷めやらぬまま、摩利支天を後にし、ふたたびアメ横へと繰り出します。
村田:通路沿いにいろんなお店がぎっしり並んでる。
藤田:台湾の夜市っぽい感じだね。
村田:昼間だけど、もう飲み屋さんも開いてるんだね。忘年会をする人たちで賑わってる。
藤田:私たちもどこかに入って一杯やる?
村田:いいね、忘年しよう!
村田:昆虫食が売ってる!タガメサイダーもある。美味しいよね、タガメサイダー。
藤田:確かに!前飲んだら美味しかった。
村田:上野のお店のガチャガチャだ。みはし(上野公園近くにあるあんみつ屋さん)もある!
藤田:アメ横のキーホルダー、かわいいな。
村田:確かに。一番かわいい。
再び御徒町方面にしばらく歩いていくと、「吉池」が見えてきました。新鮮な魚介類や加工品が豊富な、老舗のスーパーです。
村田:吉池、楽しいよねえ。海苔の佃煮だけでもたくさん種類があって。行ってみない?
藤田:ここ、いいよねえ!ここで買い物して帰ろう。
年末の楽しい雰囲気を満喫し、お散歩スタート時に話した「年末ポイント」のことはすっかり忘れていた三人。みかんや焼き芋など、思い思いの品を買ってお開きとなりました。