家の引き渡し直前のこと。大工さんにベランダの床の張り替えをお願いした。
大工さんがインパクトを使っている姿を見て、子どもたちがいかにも「俺も、やりたい」という顔をしてのぞく。
「やってみる?」といつも優しくて親切な大工さん。
木材にネジを入れる箇所を測り、穴を開ける。そこに合わせて、ネジをしめる。
すんなり入ったかなと思えば、ちょっと曲がってしまい、やり直し。「曲がってしまったら、やりなおしなんだよ」。一発で入ったときは、「すごいねえ!」と、大工さんは根気強く見守ってくれた。(子どもの「やりたい」に付き合うのは大変だ)
できあがったベランダの床を見て子どもたちはすっかり満足した顔で、息子に関しては「俺は大工さんになろうかな!!」と誇らしげに言っていた。手を動かしてつくるったものは、成果が目に見えてわかるのがいい。
そういえば、私も子どもの頃にこういう小さな喜びを体験したことがあった。
空き地で見つけたロープに板をくくりつけ、木にぶら下げる。見てくれこそ悪いけれど、仲良しの友だちと遊べるブランコのようなものが出来上がったこと。「さすがだね!」と嬉しそうに遊んでくれた友だちや「そんなことができたのか」と言ってくれた父の顔を見て、自分がとってもすごいことをしたような気になった。
なんとなく、つくることが好きだと思えるのはこういう遊びを通した経験が多いように思う。すっかり忘れていたけれど。
できた!と思えたこと。やさしく見守ってくれた大人がいたこと。
実際、息子が大工さんになってもなるとかならないかはわからないけど、この日の体験や小さな喜び。そういった記憶が、いづれ創造力に変わるといいな。
【おまけ】最近の猫の「おいどん」
6/9で2歳になりました。
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鈴木 栄弥 / Suzuki Emi
2級建築士、カラーコーディネーター、福祉住環境コーディネーター、ファイナンシャルプランナー
静岡県富士市出身、1990.7.27生まれ。
日本女子大学 家政学部 住居学科 卒業。…
小学生の頃から間取りやミニチュアが好きで、建築模型がつくりたい! と、建築士になることが夢に。
ビルや建物ではなく、人が住む家のことを中心に学びたいと思い、住居学科で学び、
「人が楽しく暮らす住まいをつくりたい」という思いで就職しました。
現在は、エントリエで設計営業 兼 マガジン編集長として所属。お気軽に「エイミー」と呼んでください!
わたしの手掛けるお家は、どれも決まったテイストはありません。
住まい手の体温を感じられるテイストに仕上げることが得意です!
●全国ジェルコデザインリフォームコンテスト
2024年 玄関・ホール部門 全国最優秀賞 受賞
2023年 リビングダイニング部門 全国最優秀賞 受賞
2020年 一般社団法人住宅リフォーム推進協議会会⾧賞 受賞
2020年 個室部門 全国優秀賞 受賞
2019年 リビングダイニング部門 全国優秀賞 受賞
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2022年 デザイン部門 キッチン賞 受賞
2021年 デザイン部門 優秀賞 受賞
2020年 デザイン部門 優秀賞 受賞
●RoomClip全国理想の住まいコンテスト
2022年 1000万円以上部門 全国最優秀賞 受賞
2021年 500万円以下部門 特別賞 受賞
2020年 500万円以下部門 全国優秀賞 受賞