お節、門松、鏡餅。年末年始は好きだけれど、ひとりで暮らし始めてから家族を持った今も、恒例となるような行事も、飾り付けも、「らしいこと」はそんなにしない。それでもなんとなく、この時期特有の浮かれた気分を味わいたくて、いつもよりほんの少しだけ贅沢な生花を買うことにした。
2年ほど前に最寄り駅の近くにオープンしたle.nidというお花屋さんがある。年の瀬の挨拶をかわしながら、ざっくりとした予算を伝えて「おまかせで」と頼んだ。頭の中では松に紅白の要素を足すとか、そういうお正月の記号を想像していたのだけれど、「duckさんぽく…」と呟きながら選んでくれた花束は、ゴールドとブルーが効いた仕上がりになった。
完成した花束を見て思わず「Gacktの楽屋にありそう!」と口走ったのは、別に笑いを取りにいったわけではない。ロックで、少し世間の正月の定番から意図的に外れているような、そんな世界観がカッコよかったから(別にGacktさんのファンではないが)。ふたりで大笑いした後、次は郷ひろみの楽屋バージョン、ビヨンセの楽屋バージョンも作ってみようという、謎の企画が立ち上がった。

2025年は、我が子の思春期という節目が不意に訪れ、私から母親としての役割が少しだけ、静かに剥がれ落ちていった。その分、自分の仕事や本来やりたかったことに向き合う時間が増え、同時に、乗り越えなければならない出来事もいくつも現れた。「自分らしさって……」と人に相談するには恥ずかしくなるような、名状しがたい感情もたくさん湧いてきて、自分探しにでも旅立ちたいような憂鬱な気分の日も多かった。
そういう時期でもあったし、「私らしさ」を人にすくい上げてもらったようで、le.nidさんのお花はいつも素敵だけどこの日は特別感激してしまった。お正月といえば紅白、みたいな定番に自分の要素を混ぜ込んでもいい。これからもイベントのたびに何かテーマを作ってはどうかなと、密かな楽しみまでできた。
ひとり内省を重ねても浮かんでこなかった言葉やニュアンスを含んだ花を家に飾りながら、他者との関わりの中で見えてくる自分らしさもあるのかもしれないなんて考える。変えたい過去も、剥がれ落ちたものも、もう戻ってこない。今、自分だけでなく周りにいる人たちを大切に、丁寧に過ごしていきたいと思えた、2025年の年末だった。
猫のおいどんを探せ

ひょっこりと土間から顔を出す猫
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鈴木 栄弥 / Suzuki Emi
2級建築士、カラーコーディネーター、福祉住環境コーディネーター、ファイナンシャルプランナー
静岡県富士市出身、1990.7.27生まれ。
日本女子大学 家政学部 住居学科 卒業。…
小学生の頃から間取りやミニチュアが好きで、建築模型がつくりたい! と、建築士になることが夢に。
ビルや建物ではなく、人が住む家のことを中心に学びたいと思い、住居学科で学び、
「人が楽しく暮らす住まいをつくりたい」という思いで就職しました。
現在は、エントリエで設計営業 兼 マガジン編集長として所属。気軽に「エイミー」と呼んでください!
わたしの手掛けるお家は、どれも決まったテイストはありません。
住まい手の体温を感じられるテイストに仕上げることが得意です!
●全国ジェルコデザインリフォームコンテスト
2024年 玄関・ホール部門 全国最優秀賞 受賞
2023年 リビングダイニング部門 全国最優秀賞 受賞
2020年 一般社団法人住宅リフォーム推進協議会会⾧賞 受賞
2020年 個室部門 全国優秀賞 受賞
2019年 リビングダイニング部門 全国優秀賞 受賞
●ジェルコ関東甲信越支部リフォームコンテスト
2022年 デザイン部門 キッチン賞 受賞
2021年 デザイン部門 優秀賞 受賞
2020年 デザイン部門 優秀賞 受賞
●RoomClip全国理想の住まいコンテスト
2022年 1000万円以上部門 全国最優秀賞 受賞
2021年 500万円以下部門 特別賞 受賞
2020年 500万円以下部門 全国優秀賞 受賞


