ひとの手で、丁寧に、ひとつずつつくられていくものたち。工場で大量に製造されたモノにはない独特のオーラやぬくもりが、私たちの暮らしに彩りや安らぎを与えてくれます。
エントリエでは、こだわりをもった手仕事作家さんに注目。ものづくりや作品への想いをお聴きします。
作家 / てしごとざくら
染色・和、洋裁・織物……手を動かすこと、魅力を伝え続けること
「てしごとざくら」という作家名で染織やおりもの、和・洋裁を行ない四半世紀。家政学部の大学より、制作を続けております。他にも、洋裁講師のお仕事、お休みを利用してはた織りワークショップなどのイベント出店をしています。
ワークショップでは、たくさんの方に“染織の魅力”を伝え、和・洋裁は、“オーダーくださった方のカラダと心にフィットする”服をつくるというコンセプトの元に、活動をしています。
衣装をつくり続けた学生時代、そして芽生えた素材への好奇心
学生時代は、バンドマンの衣装やテレビ番組の衣装など、制作に明け暮れる日々を過ごしていました。
ただ、集大成とも言える卒業制作で沖縄の染物「紅型」をテーマに調べていたとき、染色の魅力に気が付きました。それがきっかけとなり、服の根本であるとなる生地(織物、染物)を極めてみたいという思いが募り、卒業後は、織作家さんの元で住み込みの修行をすることに。
生地の素材・染料の特徴を学んだ経験が、今ではイメージ通りの形やデザインの表現へとつながっています。何より、つくりあげる難しさを知り、糸やボタン、生地、全てを大事に扱う気持ちで、制作と向き合うようになったのです。
生地の特性を理解しているからできるこだわり
「着たいウエディングドレスが見つからない」。今年、そんな花嫁さんからの依頼を受け、ウエディングドレスの洋裁を担当しました。イメージをお伺いし、デザインを起こし、“花嫁さんと一緒に”つくりあげることができたドレスは「参列者からは私らしいドレスだと言ってもらえた」と、嬉しい声を聞かせてくださいました。
今後もオーダーメイド服・はたおりワークショップ……全ての仕事を依頼された方、体験される方の気持ちに寄り添い、こだわり、私自身も楽しんで世界にひとつの作品をつくり続けていきたいです。
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