ひとの手で、丁寧に、ひとつずつつくられていくものたち。工場で大量に製造されたモノにはない独特のオーラやぬくもりが、私たちの暮らしに彩りや安らぎを与えてくれます。
エントリエでは、こだわりをもった手仕事作家さんに注目。ものづくりや作品への想いをお聴きします。
雑貨石鹸作家 / Tampopoせっけん (野﨑恵子)
「つくることが好きだった」ことを思い出せた出会い
オペラ歌手になりたくて音楽大学に入ったの後、挫折感たっぶりに混沌と過ごしていた20代。務めていた児童館の同僚として美術大学出身の女性と出会いました。彼女はとても素敵な方で、話していくうちに「使えるものをつくる人になりたい!」と、不意に言葉にしていました。自分の言葉にも関わらず、驚き、涙がにじんだんです。これが「手を動かして何かをつくることが元々好き」という気持ちに気付いたきっかけでした。
元来飽き性な私は「誰かのために〇〇をつくりたい!」という制作意欲は沸くものの、「これは可愛い! いっぱいつくりたい!」という発想が全く沸かず……たくさんの物を産み出す力はありませんでした。 そんなとき、「石鹸ってつくれるんだよ!恵ちゃんも絶対好きだから今度教えてあげる!」と言ってくれた先輩がいました。石鹸が大好きすぎて、素敵な石鹸を買いあさっていた私は、とてもわくわくしました。
隣の人を大切にすることができる、手づくり石鹸
本を買い、独学でつくりはじめた制作。手づくり石鹸の良いところは、自分の好きな材料を使ってつくれるところ。「食べられるもの」を使って石鹸ができる! という事に、強く惹かれました。 当時付き合っていた今の夫は、肌が弱く、市販のものだとすぐに痒くなってしまうのですが、私のつくった石鹸を気に入って使い続けました。自然素材が持つ特性を活かし、「食べられるもの」を柱として展開していこう! という後押しにもなりました。
そして、手づくり石鹸の制作の魅力は、「こんな模様になるだろうな?」と思っていても、カットするまでどんな模様が出てくるかはわからないこと。一期一会の模様に出会う瞬間が大好きでやめられません。
また、私のつくったものに限らずですが、手づくり石鹸はどんな方にも使ってほしいと思っています。夫のように繊細な肌の方にも、是非トライしてみて欲しい。 自分のつくった石鹸を使うって、贅沢じゃありませんか? それは、手料理と同じように、自分だったり大切な人を大切にできることだと思うんです。手づくり石鹸をつくったり選んだりする人が増えるような世の中になってほしいと思っています。 ちょっと大げさですけれど、身近な事を大切にすることは、地球を大切にすることに繋がっていると信じています。
わくわくに素直に向かい、進み続けること。
私の足を地に付けてくれた存在の手づくり石鹸。屋号“Tampopoせっけん”の由来でもあるのですが、混沌と悩んでいる時期に「自分には根っこがないなあ」と落ち込んでいたんです。それはきっと「なりたい自分が、なり得ない自分」だったから。たんぽぽのように自分らしい強い根っこを地面に突き刺して、綿毛のようにやさしく必要な方の元へ! と。誰も知り合いも友達も居なかったけれど、近所のマルシェに出店しだしたら、いつの間にか大切な仲間達に囲まれていました。
現在はリトミック・音楽講師と石鹸作家のふたつの顔を持つ私ですが、どちらかひとつではダメなんです。ひとつの事に集中はしたくない! けれど、好きなことはずっとやめない! 私のバランスを取ってくれるのが石鹸づくりの活動です。
「石鹸って、つくれるんだよ! 地球にも自分にも優しいんだよ!」と伝えていきたいので、ワークショップは積極的に開いていきたいと漠然と思っているものの、現在ははじめての出産を終え、9月からは音楽講師も再始動します。どんな毎日になるのだろう?と、不安もあります。 Tampopoせっけんを掲げてから、どんな事もわくわくするかどうか? で向かう方向を決めてきたように思います。今は何も決めていません。これまでもそうだったように、その時々のわくわくする方向に向かっていくのだと思います。
*イベント出店情報
■日時 | 9/5(木)
■時間 | 10:00~15:00
■場所 | cafe i share(武蔵村山市)
■詳細 | https://www.instagram.com/p/B0WEpiqj7ns/?igshid=zwehlcag37g4
● 雑貨石鹸作家 / Tampopoせっけん (野﨑恵子)
【instagram】https://www.instagram.com/tampopo_sekken/
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