ひとの手で、丁寧に、ひとつずつつくられていくものたち。工場で大量に製造されたモノにはない独特のオーラやぬくもりが、私たちの暮らしに彩りや安らぎを与えてくれます。
エントリエでは、
こだわりをもった手仕事作家さんに注目。ものづくりや作品への想いをお訊きします。

イラストレーター / タカヒロコ 》

五感で心動かされたものを
線に込める

仕事を辞めてぼんやりしていたとき、仕事ではもう失うものはないから、好きなことをしてみようと、イラストレーターを目指すことにしました。

当時通っていた美術学校の掲示板に、イラストの求人が貼られていて、そこからイラストレーターとしての仕事がはじまりました。

イラストレーターをはじめた当初、好きな人たちや家族が、ブログにアップした(今思うと拙いのですが……)イラストにも優しい感想をくれたり、見守ってくれていたり、とても励みになりました。自分以外に見てくれている人が一人でもいるというのは、イラストレーターへの大きな第一歩でした。

イラストレーター / タカヒロコ

作品制作は、心動かされることを好きな線にすること、うまくできる日とできない日を積み重ねて続けていくことを大事にしています。

イラストレーター / タカヒロコ

活動のひとつである愛鳥家ユニット「torinotorio」。
一緒に暮らすインコと文鳥たちは、いてくれるだけで元気をもらえ、一瞬一瞬の姿に心を動かされ、作品の原動力にもなっています。

イラストレーター / タカヒロコ

小鳥の柔らかな羽並のように、触ったり見て感じたりしたことが、そのまま線に出たらいいなと思っているので、作品制作の際は、その時のモチーフへの気持ちを大切にしています。また音楽や言葉の響きから、作品のイメージが広がることもあります。

おばあちゃんになるまで
絵をずっと続けたい

イラストレーションに文章を添えたZINEも制作しています。

イラストレーター / タカヒロコ

『私の好きなふくしま』は、出身地である福島がテーマ。
震災の後に、ニュースでの「FUKUSHIMA」ではなく、私の知っている福島をどうしても描きたくなって、つくりました。大きなくくりではなく、それぞれにとっての福島があるという個人的な思いが込められています。

『コーヒーと宇宙』は、大好きな「ことり珈琲店での展示「とりと絵本と珈琲と」に参加したときに制作しました。
珈琲は、ミルクを入れたときも銀河のようだし、飲んで覚醒したときの思考の広がりにも無限の可能性があるんです。日常で、すぐ目の前に宇宙はあるなと思い、描きました。

イラストレーター / タカヒロコ

制作活動の中で楽しさを覚える瞬間は、良いアイデアが浮かんだときや、テーマに関連する本を読んだり対象を観察しているとき、好きなものがかけたと最後に思うとき。

でも、実は楽しいときより、悩んでいるほうが多いかもしれません。
それでも、私はこれからも絵を描き続けて、おばあちゃんになったら開花したいです。

● イラストレーター / タカヒロコ
【Website】http://takahiroko.net/
【Instagram】https://www.instagram.com/takahiroko_illust/

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