irrma.(イルマ)は、イラスト作品や刺繍、編み物などの手芸作品を手がける作家。物語に出てきそうな活動名は、見る人の想像力を刺激したいという思いからつけたそう。作品を通じて、自由な発想と小さな気づきの世界へと誘います。
自由に受け取ることを楽しんで欲しい
以前は見てくれた人に「可愛い!」を共感できるのが嬉しいと思いました。それは今も同じなのですが、時間を重ね変化してきた思いがあります。
作品をみた時に感じることは人それぞれで、お気に入りポイントもみんな違ったり、わたしとは違う世界をイメージしている人もいることに気がついたんです。
それは、「作品を見て生まれる感覚」を共同で作り上げているようで。そして、その感覚自体が作品の価値なのかもしれないと思いはじめたんです。
そうして、制作や展示を重ねるうちに「自由っていいよね!」と思うようになりました。作るものが変わっても、作風が変わっても、わたしが作っている、ということだけは変わらない。わたしの幸せは「自由に作ること」です。だから、見てくださる方にも「自由にうけとる」ことを楽しんで欲しいと思っています。
自由な表現と観る人との共創
刺繍作品や編み物、イラスト。
アウトプットはさまざまで共通のテーマは特にないのですが、あえて言うなら「小さな気づき」を表現したいと思っています。
イラストでは「ありそうだけどない物」をよく描きます。それを見て『可愛い』、『変だな』、『キモチ悪い』など、感じ方は人それぞれ。その多様な反応こそが、「小さな気づき」です。
手芸作品も同じ。単なる「物」ではなく、そこに物語を感じてほしい。見る人や使う人が自由に物語を紡いでいく。それが私の表現です。
これらの物語に正解はありません。壮大なものでも些細なものでも構わない。架空で、その場限りのオリジナルストーリーでいい。
ただ、感じるままにイメージの世界を味わってもらいたい。みなさんの自由な発想で、作品を通じて小さな物語を一緒に作っていけたら、と。
これからの展望 – より深い共創を目指して
正直なところ、技術的にどうかとか、売れるか売れないかとか、そういう評価のようなものが気になる時もあります。
でも、それを考えてしまうと、手が止まってしまうというか、何を作っていいのかわからなくなってしまうのです。揺れて、心が迷子になってしまう時は、本当に辛いのです。でも、展示を見てくださる方や応援してくださっている方、作品を購入してくださる方がいらっしゃるということが、大きな心の支えになっているので、本当に感謝しています。
今後も小さな個展やグループ展などをやっていきたいです。見ていただける機会を作ることは、わたしにとってもすごく刺激的。作品を見るだけではなく、その時間をより楽しんでいただけるような工夫をして、観覧者と一緒に作りあげることをやってみたいです。
また、イラストと刺繍や編み物などの手芸作品とをリンクさせて、わたしの表現できる世界をもっと広げていけたらいいな、と思います。
わたしの幸せは「自由に作ること」。見てくださる方にも「自由にうけとる」ことを楽しんで欲しいと思っています。これからも、小さな気づきと自由な発想を大切に、みなさんと一緒に新しい物語を紡いでいけたらいいなと思っています。
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