沖縄を拠点に活動するASKLAR(アスクラー)は、洋服を中心としたアート作品を手掛けるアーティスト。自然豊かな島の色彩や自由な文化にインスピレーションを受けた、カラフルで個性的なデザインが特徴です。環境問題への意識から始まったリメイクプロジェクト「ASKLAR REBIRTH」でも、唯一無二のアイテムを生み出し続けています。
ASKLAR(アスクラー)は、スペイン語の「calcular(計算する)」と自分の名前「ASUKA」を組み合わせて作った造語。普段の制作では、古着をハサミで切り抜き、生地を足したり、布の端切れを縫い合わせたりして一枚の生地に仕立てます。その上に装飾やペイントを施すこともあり、こうした作業が計算式のプラスマイナスのようだと感じたことから、この名前を思いつきました。

ASKLARは、原色系やカラフルな配色が多く「南国らしい色彩だ」とよく言われます。県外での出店時は「沖縄らしい色合いですね」との声をいただくことが多いです。
実際、沖縄の道端には鮮やかな植物が生い茂り、市場にはカラフルな魚が並ぶ。仕事に向かう人はモノトーンのスーツではなく、「かりゆしウェア」というアロハシャツ風のシャツを着る。
こうした景色に囲まれているため、自然と色鮮やかなものを目にする機会が多く、それが作品作りにも影響していると感じます。


自由な気風の沖縄の県民性が、常識にとらわれないデザインを生む原動力になっているのかもしれません。
私は、絵を描くときも服を作るときも、デザイン画を描かずにすぐ制作に取りかかります。
手を動かしながらの方がイメージが湧き、次々にアイデアが浮かぶんです。形になるまでに時間がかかることもありますが、キャンバスや布を目の前にしてから何を作るか考えています。
完成イメージと違ってきた場合は、一旦制作を止めて寝かせることも。
大切にしているのは、自分の感覚や感性に従うことです。

ASKLAR REBIRTHプロジェクトの背景にある想い
7〜8年前、Instagramで見た環境問題に関する投稿を見ました。
売れ残ったお洋服たちが焼却処分されていたり、どこかの国に寄付という形で送られているはずが量が多過ぎてゴミの山のようになっている。
そんなショッキングな内容でとても衝撃を受けたことを覚えています。
動物や植物たちの持つ能力や色彩には、幾度となくデザインの参考にもさせてもらっています。そんな自然から生み出されるものは、とても素晴らしいデザインと芸術です。
それがファッションに脅かされているなんて、とショックを受けた感覚は今でも忘れません。それからは、何かできることはないかと考え始めました。
ある日、実家で昔作ったリメイク服を見つけ、「リメイクならファッションを楽しみながら環境にも優しい」とひらめき、ASKLAR REBIRTHをスタートしました。
BEFORE


AFTER


「どんな人が持ち主だったのかな?」、「次はどんな人に着てもらえるかな?」「また生まれ変わっていっぱい着てもらおうね」と洋服に問いかけながら作業します。そんな気持ちで作ると、洋服たちも嬉しそうに見えるんです。
作品を通じて、またでどこかで出会えるように
ブランドのシリーズである『FACEバッグ』。なんと、はじめてのお客さまは小学校低学年ほどの女の子でした。金沢のPOPUPで、その女の子は真っ直ぐバッグに向かい、ぎゅっと掴んで離さなかったのを覚えています。ご両親が購入してくださり、嬉しそうにそのバッグを肩から下げて帰っていく姿が忘れられません。
2年後また同じ場所で出店した際、その親子がご来店くださり、今でも大切に使っていると教えてくださいました。残念ながらその時はお会いできなかったのですが、いつかまたこの親子に会いたいなとFACEバッグを作るたびに思い出しています。


▶FACEバッグシリーズ
また2023年の挑戦であったドバイでの絵画出展でも、印象的な出会いがありました。日本とは全く異なる文化に圧倒されるなか、初めて絵が売れました。お母さまへのプレゼントを探していたお父さまと娘さまが購入されたそうで、いつかお会いできるのを楽しみにしています。

このように、これまでは沖縄県外や海外での活動が多かったので、今年は沖縄県内での活動を増やしたいと考えています。特に絵画の個展を積極的に開催し、去年描けなかった分も取り戻したいです。
東京でのPOPUPや個展開催にもチャレンジし、さらに活動の幅を広げていきたいと思っています。
そして、私はスペインが大好きで約10年前にスペインを訪れた際には、その国の色彩やデザインに、強いインスピレーションを受けました。
いつかスペインのお店にも私のデザインした何かが店頭に並ぶといいなぁ、と夢も抱いています。

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