ボタン作家・デザイナーのsumieさんが生み出すボタンは、ただの服のパーツではなく、小さなアートピースのような存在感を放ちます。洋裁家だった祖母の影響を受け、ボタンの世界に惹かれたsumieさんは、アパレル業界での経験を活かし、企業や工場ではできない独自の方法で制作を続けています。


私が服飾資材のデザイナーとして仕事を始めたのは、洋裁家だった祖母の影響から。「全ての工程を終えてその服に合うボタンを選ぶ時が、仕事をしていて一番幸せな瞬間だった」。幼い頃に私にそう話してくれた祖母の名前が、澄江(すみえ)でもあります。
ボタンのデザインをする上で大切にしているのは「素材を活かすこと」。作品には、陶器やガラス、貝などの自然物などさまざまな素材を使用しています。

これらの特徴を活かしながら、アパレル業界で働いた経験を通じて、企業や工場ではできない手法や発想を取り入れています。大量生産では表現しきれない、sumieらしさやアイデアを、ひとつひとつ丁寧に仕上げています。
積み重なる想いと形のこれから
かつてフロイトに関する本を読んだ際、記憶や思い出の儚さや脆さについて考え、それをボタンという形に染み込ませたいと考えていた時期がありました。
その影響は今も続いていますが、最近では「いろいろを乗せすぎず、軽やかに制作するスタイル」にも憧れを感じています。現在は、日本の伝統芸能のひとつ「能」に興味を持つようになりました。京都に移住してから能面を作るお教室に通っているので、近々、木材を使った1点もののボタンを制作しようと計画しています。
また、2025年3月には「リペアの庭」というイベントを開催しました。


洋服のお直し屋さんやキルト作家さんとともに、衣服を修繕しながら長く着続ける文化を提案する企画です。この活動を続けることで、ボタンの付け替えという習慣をより広めていきたいと考えています。

自分の日常の延長にあったものや、ずっと大事にしてきたものに対して、いろいろな方に共感していただける機会や手応えが増えてきたように感じています。自分が本当に欲しいもの・作りたいものが何かを掘り下げて、より一層、自分に正直に制作したいです。
イベントのお知らせ – memememe múm POP UP SHOP
sumieさんのボタンや作品を実際に手に取れる貴重な機会がやってきます。一点もののボタンを探している方、sumieさんのものづくりに興味がある方は、ぜひ足を運んでみてください。
“memememe múm (メメメメムーム) POP UP SHOP”
開催日
2025年5月15日(木)〜18日(日) 11:00-15:00
場所
宮城県仙台市 OEK(大江家・仙台市上杉)
お問い合わせ
Instagram DM @mememememum
販売形式
店舗販売に加えて会期終了後、準備期間を経てonlineshopに移動。1週間ほどオープン予定。
sumieさんの作品が並ぶ、この特別な4日間をお見逃しなく!
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