ふとしたひらめきや、偶然の“失敗”から生まれた形たち。どこか懐かしくてユーモラスで、でも繊細で、静かに語りかけてくるような、そんな佇まいのブローチを手がけるのが、「haomi(ハオミ)」さんです。
心と身体の声に耳をすませたとき、ものづくりが始まった
制作を始めたのは5年前。体調を崩し、心も身体も思うように動かなくなったときのことでした。少しでも気を紛らわせるために、少しでも楽しくなれるようにと、自分のために作り始めたんです。
今の作風になったのは、ある“失敗”がきっかけ。「あと少しで完成!」というところで色が気に入らず、水で洗い流してみたら、粘土の凹凸に色がいい感じに入り込んで、それがすごく味わい深くて……。

それ以来、この手法で制作するようになりました。作品の雰囲気もガラリと変わって、ようやく「自分の作りたかった感じのもの」ができるようになったと思います。
花や自然を抽象化したような形、モチーフを決めるときは、ほとんどがヒラメキです! 粘土を捏ねながら、手を動かしながら形が決まっていくこともあります。
「これなんですか?」がうれしい
「これ楽しいかも!」「これ笑えるかも!」「これほっとするかも!」
こんなことを考えながら、形にしています。
わかりやすいものよりも、「これなんですか?」って聞かれることのほうが多いと思います。でも、それもhaomiらしさだと思っています。ブローチはお出かけする時につける、その日1日の相棒みたいなものです。
そっと寄り添うアシスタントのような、名脇役になれるように。
身に付けたかたの思い出の一部になるのだ!という勝手な使命感を持ち制作しています。

これからも、誰かの「愛しいもの」になれるように
今後は、石粉粘土の素材感がもっと伝わるような表現を試してみたいです。あとは、もう少し淡くて優しい色もつくれたらいいなと思っています。

「愛しいものたち」って、とても素敵なネーミング。作家それぞれの思いやこだわりって、手作りだからこそ感じてもらえるものだと思っています。インタビューを通して、ほんの少しでもそれが伝わったら嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

haomi 石粉粘土のブローチ作家。手に取って頂いた皆様が少しでも楽しくホッコリできるような作品を心がけています。どこかでお会いできる事があれば気軽に手に取って頂きたいです。 |