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鈴木 栄弥が訪ねる『まちのエントリアンたち』Amy’s talk ♯16 イラストレーター / 山本麻央

エイミーことエントリエ編集長の鈴木栄弥(すずき・えみ)が気になる人を訪ねて、自分らしい暮らし方や生き方のヒントをいただいてしまおうというこのシリーズ。第16回目のゲストは、エントリエの「エイミーズトーク」や「家族とエントリエ」のコーナーなどでイラストを手がけている、イラストレーターの山本麻央(やまもと・まお)さんです!

アイデアの発見や制作を楽しむことで
愛を持った作品が生まれる

山本麻央(やまもと・まお)さん。北海道出身。武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科卒業。グラフィックデザイナーを経て、フリーランスのイラストレーターとして活動中。ゆるやかなタッチで描かれるイラストは、かわいらしくもどこかシュールで見た人をクスリと笑わせてくれる。

*山本さんのWeb サイトはこちら
https://yamamotomao.com

イラストは「自分らしさ」を表現できる手段

現在、イラストレーターとして活躍されている山本さん。エントリエのロゴやライフスタイルマガジン内のイラスト・デザインなど、そのほとんどは彼女が手がけたもの。

イラストのモチーフ選びが独特で、作品の中にどことなく感じる“山本さんらしさ”に妙味のあるおもしろさを感じます。今回は、そんな山本さんがどのようにイラストやデザインと向き合い、制作しているのかをインタビューしました。

――現在、イラストレーターとして活躍されている山本さんですが、グラフィックデザインのお仕事もされていますよね。

山本さん:はい、デザイン事務所や広告業界でグラフィックデザイナーとして10年ほど勤めました。その頃からデザインに使う素材としてイラストを描くこともあって、あるときからデザインよりもイラストを描くことが好きなんだなって思うようになって。

2017年にフリーランスとして独立して、現在もグラフィックデザインの仕事をしつつ、イラストレーター業をメインに活動しています。

――どうしてデザインよりもイラストが好きになったのでしょう?

山本さん:「描きたいものを見つけたとき」や「人に見せたいものが描けた瞬間」がとても楽しくて。イラストの場合、デザインの仕事をしているときには感じなかった「人に見てもらいたい」、「ウケたい」っていう欲求がでてくるというか(笑)。絵を見せると笑ってもらえることが多いのも理由のひとつかも。

私は、「面白い人と思われたい」という欲求が根底にあるんですよね。言葉で説明するようなコミュニケーションが上手くないので、イラストを通して人や社会と関わっていきたいなって。あと、とにかくモテたい。

――モテたい! すごいストレートな欲望ですね(笑)。

山本さん:あはは(笑)。とにかくイラストは、描き上げたときに自分が楽しい気持ちになるんです。グラフィックデザインでは、表現しきれなかった自分を見せられる手段がイラストだったのかもしれません。

非日常に感じる面白さを
文脈に沿ったアイデアに発展させる

――イラストレーターとして活動する中で、どんな出会いがありましたか?

山本さん:一番面白かった出会いは、銀座にある「ブラン亭」というカレー屋さんの壁にイラストを描いたこと。1畳ほどのスペースなので、描くのにも何日も通ったんですよね。その制作期間に、通りすがりのお客さんとコミュニケーションすることで新しく仕事に繋がることもありました。

 


――壁画を拝見しましたがすごくユニークな作品でした(笑)。コンセプトを読み解いていくのもおもしろくて。イラストを描くときはどうやってアイデアを発展させているんですか?

山本さん:この場合は、私の中でプロレスラーが“血”じゃなくて“カレー”をかぶっているっていう「カレーデスマッチ」を描いたんです。もともとプロレスラーを描きたいというアイデアはあったんですけど、カレーと結びつかないかなと思って。

友だちに相談したら、「カレーかけちゃえば?」とボソッと言われて。いいアイデアだと思って取り入れちゃいました。人の意見もすぐにもらっちゃいます(笑)。

――いいですね(笑)。そもそもプロレスをテーマにしようと思ったのはなぜですか?

山本さん:プロレスは観戦するわけでもないし、バックグラウンドとかも全然詳しくないんですけど、モチーフとして「プロレスラー」が好きなんですよね。

描くプロレスラーもフィギュアを眺める感覚で、見た目が好きかどうかで決めています。コスチュームやプロレスラーそれぞれのポーズ、オーバーリアクションでの演出……。多分、彼らのキャラ設定が自分のいる世界とはかけ離れていて惹かれるんですよね。

――他の作品では、どのようなものをモチーフにしていますか?

山本さん:外国の人やものがモチーフになることが多いですね。海外旅行をすると美術館で絵画を見ているときのような非日常の世界が広がっていて、描きたいモチーフがたくさん目に入ってくるんです。

あと蚤の市が好きなんですが、見ていると「なんでこんなものをつくったんだろう?」と思うようなヘンテコなものがいっぱいあるんです。そういった発見をすると、私もヘンテコなものをつくっていいんだなって思えるんです。

例えば……

――これは……何に使うものか、全然わからないけどおもしろい(笑)。 日常から飛び出すことで山本さんのアンテナが敏感になるのでしょうか。反対に、身近なものがモチーフになることもあるのでしょうか?

山本さん:そうですね。それこそ旅行という“非日常”から日本に帰ってきたばかりって、“日常”も新しい目で見ることができます。見慣れたまちを歩いていても「こんな変な看板があったんだ」と発見があって。

だから日本でも、自分とはちょっと違う文化やものに興味があります。例えば、ギャルとかは周りにいないので異文化な存在だし……。地方に行くとよく目に止まるのが、年代を感じる建物や看板なんかがそのまま残っている感じにも面白さを感じます。あと、最近は映画『BROTHER』の「武」ですかね。

――北野武さんですね。

山本さん:そうです。メキシコ人の友だちが北野武さんのことが大好きで。そこで帰国する彼に、『BROTHER』の「武」をモチーフにTシャツに描いて贈ったんです。それから北野武さんも描いていきたいなって思うようになりました。


――この場合、「面白い」と感じたのはどんな部分だったのでしょう……?

山本さん:うーん……。『BROTHER』は「ヤクザ」を描いた作品ですが、自分の日常とはかけ離れた世界観や旅行しているときのように北野武さんがつくる日本映画も絵をみている感覚で目に入ってくるんです。そういった発見も、モチーフとして描きたくなるものなのだと思います。

グラフィックデザイナーとして
楽しみながら仕事をする


デザインを担当したエントリエのロゴ
イラスト・デザインを担当した「家族とエントリエ」のバナーデザイン

――エントリエではグラフィックデザイナーとしても関わってくださっていますよね。どういったイメージで制作されているのでしょうか。

山本さん:まず、受注時にコンセプトである『古くなった住まいを新しくする〈R e 〉だけでなく、 住まいを通して、ご家族の 「こうありたい〈B e 〉」という願いまで実現したい。』というコピーを伺いました。あと、エントリエで働いているみなさんの「お客さまと一緒に暮らしをつくっていこう」という寄り添い方がとても素敵だなって思って。

そういった言葉やコミニュケーションを通して、「柔らかい雰囲気で、空間が広がっていくような印象がいいな」と思ってふんわりとした手描きのタッチで描いていきました。

――エントリエで実際に施工したご家族にインタビューするコンテンツ「家族とエントリエ」でもイラストを描いていただいていますが、ご家族の雰囲気を絶妙に捉えていますよね。

山本さん:コピーライターの方がリノベーションされたご家族の雰囲気がわかるように言葉を抜き出してくださって、それにイラストをつけるというプロセスで描きました。

エントリエでいただく仕事は、例えばリノベーションをした方々のストーリーを聞くと、「家のここが好きなんだな」とか、その人ならではのこだわりが伝わってきます。どの方もインタビューを読むと嬉しそうなので、嬉しそうな絵になるといいなって思って描いています。

――こちらも嬉しい気持ちになります!

山本さん:エントリエでの仕事は、自主制作のイラストのように自由に描けるのプロセスとは違いますけど、自分が心ら愛せる絵やデザインができているんなんです。

――そうですよね。自主制作と違って、クライアントワーク(発注されてつくるもの)では、プロセスが全然違いますよね。考えることも変わってきそうです。

山本さん:違いますね。もともとデザイン業界にいたので、クライアントワークの方がやりやすい場合もあります。でも今は自分のイラストのタッチを確立させて、もっと自分の色を強めていきたい。2019年の抱負ですね(笑)。そうすることで、クライアントワークも愛を持った仕事ができるという意味では、いい影響が出るんじゃないかなと思っています。

大切なのは心身の持久力
ストレスを溜めない暮らし方

――自宅で仕事をするなかで、ON・OFFの切り分け方はありますか?

山本さん:切り分けはあまりないのですが、体を動かすことは意識しています。家で仕事をしていると、ひどいときは1日に30歩くらいしか歩かないとか、スーパーしかいかないという日があるんです。ぐるぐると頭が煮詰まってきたら、ストレスを発散させるために散歩しています。セロトニンを意識してます(笑)。

あと、まだそんなに実行できていないですけど、ランニングに興味があります。ランニングとイラストを描く作業って似てるな〜と思っていて。

――どんなところが?

山本さん:まず、どちらも誰からも頼まれてもいないのに走ったり描いたりしていますよね。自分が好きなタイミングでやめることもできるし、ずっと走り続けることもできる。私自身、本当は毎日走れる人になりたいんですけど、ランニングもイラストも気が向いた時にブワーッと集中してやってしまうんです。作家として活動し続けるうえで、体力も精神力も持久力が必要だなと……。だから、走ることで身体的な部分だけじゃなくて精神的な筋肉もつくような気がしています。まだまだ模索中ですが。

それから心のストレスを溜めすぎないことは大切にしています。自分自身に嘘をつきたくなくて、正直すぎるくらい自分に正直に生きてる。その甲斐あってか、20年くらい風邪ひいてないんです(笑)。あとは、お酒を飲むことかな……。ストレス発散のためというよりかは、締め切りや仕事に追われていない穏やかな生活の時に楽しんでいます。

――今後の展望はありますか?

山本さん:まとまった形で作品を見てもらえるように個展を開きたいです。去年から少しずつ作品をつくりためているので、あたたかくなった頃にはお披露目できるといいなと思っています(笑)。

 

 

趣味で陶芸教室に通っている山本さん。イラストの絵を立体化した作品をつくっているそう。土を触ってるときが心落ち着く至福のとき。「パソコン仕事を減らして、アナログ作業ができる時間を増やしていきたい」と、体を動かしながらの制作に手応えを感じているようでした!

 *イベント情報


【土曜日のリモンサワーvol.02】
リモンサワー好きが集まる、シュワシュワの会!
山本さんがあなたにぴったりのUMA(未確認動物)を
想定して似顔絵を描きます✏️

■日時 2019年 1月19日(土) 17:00~22:00
■場所『銀座ブラン亭』4階 CREATORS SNACK GIN (金春湯のお向かい)
■入場 無料
■お値段 ¥500~ 会場にて金券を購入いただき、各サービスと交換していただきます。
■イベント詳細はこちら
https://www.facebook.com/events/228297044764930/

 

お話を聞いた人

●エイミー編集長

鈴木・栄弥(すずき えみ)。小さな頃から建築士に憧れ、建築模型つくりやチラシの間取りを見て生活を想像することが好きな暮らし妄想系女子。現在のホームテック株式会社では、2級建築士として働きながら『ライフスタイルマガジン エントリエ』の編集長を勤めている。

この記事を書いた人

宇治田エリ

東京都在住のフリーライター&エディター。趣味はキックボクシングと旅行。ここ数年の夢は、海外でキャンプすることと多拠点生活。毎朝ヨーグルトに蜜柑はちみつをかけて食べることが幸せ。

 

●編集 細野 由季恵

エントリエはあなたらしさを応援するリノベーション会社です

私たちは、お客さまひとりひとりにとって「何が大切な時間なのか」を一緒に考え、それぞれに合うリノベーションをご提案しています。

だから、このライフスタイルマガジン エントリエも、“自分らしさ”への気づきを与えることができる発信の場として盛り上げていきたい、そんな思いで­­­つくっています。