以前の家はよく植物が枯れる家だった。「あまり手をかけなくても強く育つから」といただた植物まで、とにかく枯れた。特に衝撃的だったのは、パキラ。家にやってきた3日目に葉を落とし、その後、二度と芽吹くことはなかった(可哀想に)。
暗い話をするつもりはないけれど、数年前まで、あまりの分かり合えなさから「離婚」という2文字が常に浮かんでいた。夫婦とはいえ他人なので、夫がどう思っていたかは本当のところはわからない。でも少なくともわたしは、冷たくて、ドロっとした感情が常に取り巻いていて離れなかった。
そう、くどいようだけど暗い話をするつもりはなくて、それでなんだけど。伝えたいのは、植物ってわたしたちの言葉や感情を敏感に感じ取っていたのではないかなということ。怒りや悲しい言葉、それらが植物たちの生命力を奪っていったのかもしれない(本当に、可哀想)。
「言霊」というように、日々発する言葉や思想は現実に反映される。植物が枯れてしまったことは、自分が作り出した状況だったのではないか。植物だけじゃない、何もかも新品でやわらかい赤ちゃんも、年を重ねるうちに内面が表情に現れはじめる。自分は今、どんな表情をしているかなとか。
リノベーションはある意味、夫との再婚だった。お互いに生活や相手のことを再確認する時間も含めて。これが功を奏したのか、今のところ、前のようなドロドロとした感情はどこかに消えてなくなった。
ちなみに、今の家では、「あまり手をかけなくても」植物たちは元気に育っている。眉間の皺は消えた。
大丈夫、以前よりは、上手くやっていけてるのかもしれない。
【おまけ】最近の猫の「おいどん」
袋があると入りたくなる。
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鈴木 栄弥 / Suzuki Emi
2級建築士、カラーコーディネーター、福祉住環境コーディネーター、ファイナンシャルプランナー
静岡県富士市出身、1990.7.27生まれ。
日本女子大学 家政学部 住居学科 卒業。…
小学生の頃から間取りやミニチュアが好きで、建築模型がつくりたい! と、建築士になることが夢に。
ビルや建物ではなく、人が住む家のことを中心に学びたいと思い、住居学科で学び、
「人が楽しく暮らす住まいをつくりたい」という思いで就職しました。
現在は、エントリエで設計営業 兼 マガジン編集長として所属。お気軽に「エイミー」と呼んでください!
わたしの手掛けるお家は、どれも決まったテイストはありません。
住まい手の体温を感じられるテイストに仕上げることが得意です!
●全国ジェルコデザインリフォームコンテスト
2024年 玄関・ホール部門 全国最優秀賞 受賞
2023年 リビングダイニング部門 全国最優秀賞 受賞
2020年 一般社団法人住宅リフォーム推進協議会会⾧賞 受賞
2020年 個室部門 全国優秀賞 受賞
2019年 リビングダイニング部門 全国優秀賞 受賞
●ジェルコ関東甲信越支部リフォームコンテスト
2022年 デザイン部門 キッチン賞 受賞
2021年 デザイン部門 優秀賞 受賞
2020年 デザイン部門 優秀賞 受賞
●RoomClip全国理想の住まいコンテスト
2022年 1000万円以上部門 全国最優秀賞 受賞
2021年 500万円以下部門 特別賞 受賞
2020年 500万円以下部門 全国優秀賞 受賞