ひとの手で、丁寧に、ひとつずつつくられていくものたち。工場で大量に製造されたモノにはない独特のオーラやぬくもりが、私たちの暮らしに彩りや安らぎを与えてくれます。
エントリエでは、こだわりをもった手仕事作家さんに注目。ものづくりや作品への想いをお訊きします。
《 水彩画アーティスト エリカ・ワード 》
緻密な人物画に織り込まれた
日本の日常風景
カリフォルニアに住んでいた子どもの頃から、ずっと描き続けてきたイラスト。2016年に東京へ移り住み、イラストレーターとしての活動を本格的にはじめました。
作品に影響しているのは、和柄や着物、浮世絵など、ずっと興味があった日本のデザイン文化。
そして東京のまちの風景からも強い影響を受けています。
直線で構成された人工的な風景や、標識、線路という東京のまちならではのデザインも、現代の「和柄」ではないかと私は考えています。
東京のまちは、他のどこにも見られない複雑さと繊細さが印象的。ごちゃごちゃしていながらも、建物は隙間なく、それぞれのスペースにきちんと入っています。
ずっと見ていても飽きない東京の風景は、子どもの時に絵本を見ているような気持ちと重なり、私をワクワクさせます。
現実と想像、和と洋……
アートで「交差」させる
私は、イラストのなかで「交差」を表現しています。
「現実とファンタジー」、「見慣れたものとそうでないもの」、「和と洋」、そして「アイデンティティの交差」。
日本に住んでいる外国人として見た日本社会は、「内と外」を分けがち。そんな中、私はずっと居場所を探し続けています。
アートの世界では、境界線を作る必要はなく、「現実と想像」の間、「内と外」の間に存在するスペースを表現することができます。
作品を見てもらった方にも、この「間」の世界を見つけてもらい、誰もが歓迎される場所だと感じていただけたら嬉しいです。
日本人と東京に住む外国人が交流できる場に
現在は、一年に1〜2回の個展を行い、毎回異なるテーマに合わせてシリーズを描くことにしています。
一年に描く作品は、10〜20点ほど。
1枚の絵にかける時間は、数枚の絵を同時に少しずつ描き進め何週間もかかることもあれば、アイディアがはっきりしている場合は、数日で完成することもあります。
ただ、実際に描く時間よりは、アイディアを心で温める時間が長いことが多いです。
そんな時間を含めると、一枚の作品にかける時間はとても長くなるかもしれません。
水彩絵の具は、乾くと色が微妙に変化します。
自分が想像していなかった変化を楽しめるのは、特に人物の顔を描く時。乾かしている間に、描いている途中とは少し違う表情が出てくるからです。
これからも、東京で個展など作品展示を続けて、よりたくさんの人に、私の作品の世界に浸っていただけたらと思います。そして、私の作品が、日本人と東京に住む外国人が交流できる場になれば嬉しいです。
● 水彩画アーティスト / エリカ・ワード
【 Webサイト】http://ericawardart.com/
【Twitter】https://twitter.com/ericaeward
【Instagram】https://www.instagram.com/erica.ward.illustration/
【Facebook】https://www.facebook.com/ericawardart/
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