リノベーションをしたいけれど、わからないことがたくさん……そんなみなさまに向け、entrieがリノベーションの基礎知識をお伝えするコーナー「リノベをマナブ」。 

リノベをマナブ。 #10
二世帯住宅リノベーション 成功の秘訣とは?

二世帯住宅のメリットとは?

2030年には65歳以上の高齢者が人口の33%、つまり3人に一人と推計されている高齢化社会の日本では、社会的・経済的要因から、あらためて「二世帯住宅」が見直されています

年老いてきた親が誰の手助けも借りず、いつまでも健康に暮らすことは難しいこと。早いうちから二世帯住宅を考えることも、家族の安全や安心の一つです。

二世帯住宅は、親世帯・子世帯双方にとって、経済面や安全面などから下記のようなメリットがあります。

■親世帯のメリット

  • 夫婦二人では大変な住まいの管理を、子世帯と一緒にできる
  • ローンを組むことができる
  • 老人世帯を狙った犯罪などへの不安や、病気や介護への不安を解消できる
  • 若い人々と交流することで、現代の最新情報にふれることができる
  • 孫の成長を同じ空間で共有できる

■子世帯のメリット

  • 低コストで安定した住まいを確保できる
  • 両親の老後の心配を解消できる
  • 両親に子どもを預かってもらい、共働きができる
  • 子どもの躾(しつけ)や教育に、世代の違う両親との生活が役に立つ
  • 孫たちは、祖父母から昔話や活きた知識を吸収できる
  • 生活の知恵をすぐ聞ける
  • 相談できる人がそばにいるという安心感を得られる

■両世帯にとってのメリット

  • 共有して使うスペースの費用や生活費などをお互いに負担することで、経済的に負担が減る
  • 心と時間にゆとりが生まれ、そのゆとりを趣味や外出などにあてることができ、行動範囲も広がる
  • 犬や猫などのペットを飼っている場合、不在時に世話を頼めるため、交代で長期の旅行に出かけることができるようになる
  • 防犯の面でも安心して外出ができる

二世帯住宅を成功させる秘訣とは?

■「世帯別ヒアリング」でお互いのストレスを回避

異なる感覚の世代が一緒に住むことになる二世帯住宅では、些細なことが毎日の暮らしの中でストレスになります。

成功の秘訣は「世帯別ヒアリング」エントリエでは、プランナーより事前に親世帯・子世帯から個別にヒアリングの上、玄関の数、キッチン・風呂・トイレ等の水回りは分けるか、電気・水道メーターは分けるか、の問題対策など、具体的な面からベストなプランを検討いたします。

■親世帯の安全面を考慮

二世帯住宅とは、ただ親子世帯が一緒に住む、ということだけではありません。
親世帯にとって、二世帯住宅に住むということは、今の住まいを「終の棲家」とする決意の表れ。
子世帯にはわからない悩みや、今後起こりうるであろう状況を考えて、安全で優しいプランを考えることが重要です。

たとえば、年齢を重ねると、骨や筋肉などが衰え、すべったり、つまづいたり、転んで骨を折ったりといった、さまざまな事故に遭いやすくなる携行があります。年配者にとっては、ちょっとした段差でも非常に危険。

将来の状況を踏まえ、これらの危険を未然に防げるようなプランニングと工事を行うことが大切です。

世帯別・二世帯住宅リノベーションのポイントとは?

■親世帯

親世帯は、将来を見据えながら、自立できる生活動線をつくることがポイントです。
もし介護が必要になった場合でも、自宅での生活を続けられる、外出や入浴、排泄はできるだけ自力でできるようにする、といったポイントがあります。
それぞれの家庭に合ったスタイルで整備しましょう。

トイレ

  • トイレはプライベートな場所なので、まずは一人で楽に楽に利用できる空間に仕上げることがポイントです。
  • 介助者も入れるような、広いスペースを考慮しても良いでしょう。
  • 出入り口は、段差がなく幅の広い引き戸にすると、出入りがスムーズです。
  • 車椅子の移動を考慮する場合は、便座後方か便座横に出入り口の位置を設けると、乗り降りしやすいです。
  • 和式便器の場合は、洋式に変更しましょう。
  • 便座の高さを補正する器具や、手すりの設置により、座ったり立ったりする際の負担を減らせます。
  • トイレットペーパーホルダーや手洗いコーナー、水洗動作の器具は、手を伸ばせばすぐ届くような場所に設置し、無理のない動作ができるようにしましょう。
  • 床材の選択も重要。清潔感を重視した素材で、水やアンモニアに強く、濡れても滑りにくい材質のものを選びましょう。

浴室

・高齢者の事故として大変多い、浴室での冬場のヒートショック。リノベーションの際には、浴室暖房機を設置し、体温差や気温差が極力起きないよう、暖かい浴室づくりをしましょう。
・出入口の段差はなくし、入りやすい高さの湯船を選びましょう。
・床材は、滑りにくい素材にしましょう。
・浴室内の動作を補助するため、手すりの設置も重要です。

玄関

・玄関にある上がり框は、健康な人には何の問題も感じませんが、足腰の弱った方にとっては非常に不便なポイント。家のアプローチ部分から玄関ドアの段差までを、緩やかなスロープにすることで、段差による転倒事故や負担を軽減できます。段差が解消し、出入りが楽になると、外に出かけることも億劫にならなくなります。

階段

・階段リノベーションのポイントは、手すり。足腰が弱くなるとつらくなる、階段の昇り降り。転倒すると、大きな怪我になりかねません。手すりがあれば身体を支えることができ、昇り降りが楽になり安全です。設置の際は、使用者の身体に合わせたちょうどよい高さに設置しましょう。
・階段が急である場合は、身体への負担の軽減や安全性から、できるだけ緩やかな段差にする必要があります。

廊下・通路

手すりが設置されていると、足腰が弱ってきた際に移動の手助けになります。
・将来車椅子を使うことを考えた場合、廊下の通路幅は120cm以上が望ましいとされています。
・廊下は家を行き来するための重要な通路。生活動線を考慮し配置を変えることで、家の中を移動しやすくなります。

■子世帯

遮音対策:

子世帯と親世帯では生活時間帯が違います。子世帯からの音が、親世帯にとっての騒音というストレスにならないような配慮が必要です。
特に床は遮音素材を装備し、子どもたちが元気に遊んでも階下への音の響きを最小限に抑えられるよう、配慮しましょう。

世帯間の行き来:

親世帯に子どもを見てもらえるのは、二世帯住宅ならではのメリット。
子どもが親世帯に行き来でき、交流を持てる動線は、親世帯・子世帯両方にとって大切なことです。

家事動線:

二世帯住宅では、親世帯と子世帯とで家事を分担したり助け合うことができます。
洗濯の動線やキッチンの広さなど、お互いに気を遣わず気持ちよく助け合えるよう、家族構成に沿った生活動線をよく考えましょう。

家事協力や気遣い 〜二世帯住宅に住んでいる方々の実例をご紹介〜

二世帯住宅を成功させるには、同居する互いの世帯へはもちろん、兄弟姉妹や親戚などの来訪者への「気遣い」、そしてお互い困ったときの「助け合い」も、大きなポイントとなります。

実際に二世帯住宅に住んでいる方々の例をご紹介いたします。

■息子さん世帯との同居の場合

家事協力:

買い物・炊事・掃除・ゴミ出しなどの家事をはっきりと分けているケースが多いようです。
食事はもちろん、洗濯物の干し方やたたみ方にも違いがあり、気まずい思いをすることもあるためか、お互い家事の頼み事はできるだけしない傾向にあります。

ご主人の気遣い:

今まで別々に暮らしていた家族または個人が一緒に住むことになる二世帯住宅。
世代間の価値観の違い・ライフスタイルの違いから、ご主人は奥さまと実の母親との間に立ち、調整役となることが求められます。

奥さまの気遣い:

女性が新たに家族に加わる息子世帯との同居。
両世帯の2人の主婦は、1日のうちの長い時間を同じ屋根の下で過ごすため、日常的レベルで文化の違いが生じ、いわゆる嫁姑の問題に発展するケースが少なくありません。
そこで、息子世帯との快適な同居を実現するため、間取りプランのポイントは「家事分離」となります。つまり、1つの家としてのまとまりを尊重しながら、家事面ではお互いの独立を重視します。

■娘さん世帯との同居の場合

家事協力:

家事面では、比較的協力することができます。また実の親子であるため、家事を頼む傾向が強いです。
息子世帯との同居に比べ、食事を一緒にすることも多いです。
日中、家に居る時間帯がある場合、それぞれが心地よく過ごせるよう、間取りやスペースに配慮が必要です。

ご主人の気遣い:

働きざかりのご主人が夜遅く帰宅する場合、親世帯へ気兼ねして、そっと鍵を開けて入るなど、気を使うことが多いです。
また休日やお客様をもてなすときなども配慮し、居場所の確保としてご主人の独立したスペースがあるとよいでしょう。

奥さまの気遣い:

ご主人が奥さまの親御さんと暮らす場合、家事を実の母娘で共にすることが多いため問題は少ないようです。
家事や育児なども意見交換が十分行われますが、遠慮がないため親の干渉や娘の甘えが過ぎるといったデメリットもあります。
また、男性が担当する行事や地域社会との交流の面では、親世帯主導型になりやすく、子世帯ご主人が加わりにくい側面があります。

親子両世帯にとって、ストレスフリーな生活を!

経済面・安全面から、親子両方にとってメリットの大きい二世帯住宅。
エントリエでは、世帯別に入念なヒアリングの上、親世帯・子世帯ともにストレスフリーな生活が実現できるプランを提案させていただきます。

二世帯住宅をお考えの方は、お気軽にご相談ください。

※この記事は、グループ会社であるリフォームプライスの「二世帯住宅リフォーム」が元となっています

 

*entrieの公式Instagramでは施工事例を掲載しています*

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