リノベーションをしたいけれど、わからないことがたくさん……そんなみなさまに向け、entrieがリノベーションの基礎知識をお伝えするコーナー「リノベをマナブ」。
リノベをマナブ。 #24
完全分離型二世帯住宅の基礎知識をマナブ
近年、住み替えの理由として「子・親との同居」が増えてきています。背景には、度重なる大災害や共働き世帯の増加に伴う待機児童の問題などがあるでしょう。
メリットも多い二世帯の同居ですが、生活時間帯やプライバシーに対する感覚、生活習慣の違いなどによるトラブルがつきもの。
そこで今注目を集めているのが「完全分離型二世帯住宅」です。
今回は、完全分離型二世帯住宅とはなにか、費用感や分離のタイプ、そのメリット・デメリットなどを詳しくご紹介いたします。
二世帯住宅とは、1つの建物に親世帯と子世帯の2世帯が住む住宅のことで、大きく分けて3つの種類があります。
寝室などの個人的なスペース以外全て共有する「完全同居型」、玄関やキッチン・お風呂など一部のみ共有する「一部共有型」、設備を一切共有せず、1つの建物を壁や1階2階などに分ける「完全分離型」です。
完全分離二世帯住宅のメリット
一番のメリットは「お互いのプライバシーが守れる」ところです。「完全同居型」はもちろん、「一部共有型」でも、キッチンを空けるためにご飯の時間をずらしたり、お風呂の時間をずらしたりと、何かと気にかけなければいけないことが多く、この生活が毎日続くとなると耐えられない、となってしまう方が多いようです。
その点、「完全分離型」では、お互いの生活を気にする必要がないだけではなく、何かあったときはすぐにお互いを頼ることが出来ます。
また、どちらか片方が空き家になった際、賃貸物件として貸し出すことができるのも完全分離型のメリットです。
完全分離二世帯住宅のデメリット
《お互いの生活を尊重した、程よい距離を保てる二世帯住宅 | リノベーション事例》 家族とエントリエ LIFE STORY ♯17
完全分離型の一番のデメリットは、「金銭面」です。設備(キッチンや浴室等)を共有しない分、同じ機能を持つものを2つ用意しなければいけないので、完全同居型と比べ1.5倍ほどの費用が必要になるといわれています。また光熱費は、別々の契約となりそれぞれの家庭で基本料金がかかるので、完全同居型や一部同居型に比べ、割高となっています。
しかし、二世帯住宅は構造や機能上2つの住宅と認められる場合、不動産取得税・固定資産税・相続税をおさえることが出来るので、二世帯が別々の家に住むよりも最終的な金額は安くなるといえます。
ほかにも、二世帯が同じ家に別々に住むということもあり、ある程度の広さが必要というデメリットがあります。40坪以上あるとゆとりを持って設計しやすいです。自分の家が理想どおりのリノベーションになるのか不安な方はお気軽にご相談下さい。
完全分離型の種類
完全分離二世帯住宅に決めたという方の多くが次に迷うのが「分け方」です。1階を親世帯、2階を子世帯にする上下の分け方と、両世帯とも1階2階を持つようにする左右の分け方があります。それぞれ、メリット・デメリットがありますので紹介して行きたいと思います。
完全分離左右分離型
一番大きなメリットとしてあげられるのが「お互いの生活音が聞こえにくい」という点です。また、片側を賃貸物件として貸し出す場合、上下で分けるよりも、左右で分けたほうが同居している感覚がなく、賃貸契約されやすい傾向があります。
デメリットとしては、「更に広い敷地が必要」という点です。階段が2つ必要になるのでどうしても上下で分ける方法よりも広いスペースが必要になります。
完全分離上下分離型
一番大きなメリットは「親世帯が階段を昇降する機会を大きく減らせる」という点です。高齢になるにつれて、階段を使う機会は減っていきます。左右に分けても、2階は使わず無駄になってしまう場合も多いです。また、平面を広く取ることができるため、間取りの自由度が高まることもメリットとしてあげられます。
一方で、「生活音が伝わりやすい」というデメリットがあります。2階に住む子世帯は、テレビの音量を小さくしたり足音を立てないようにしたりと気を使わなければいけない場面が増えますし、親世帯も音によって眠れないなど、生活時間帯がずれている場合はトラブルが起こりやすくなります。
お互いの家族がどちらが良いのかしっかりと相談することによってトラブルが出来るだけ起こらないように気を付けましょう。
最後に
二世帯住宅のトラブルを減らすのには、何度も相談を重ね、お互いの意見や考えをしっかりと一致させて、お互いに気疲れしないようにすることが大切です。どのくらい税金が軽減されるのか、自分の家が完全分離型にできるのかなどは、地域や土地によって変わります。疑問がありましたらエントリエにご相談下さい!
※この記事は、グループ会社であるリフォームプライスの「トレンドの二世帯住宅「完全分離型」って?」が元となっています