自然を感じられる、山での釣りにはまっています。きっかけは、3年前の肺腫瘍の手術でした。退院後、医師からのアドバイスもあり、綺麗な空気を吸いながら体力を戻したいと思い、山へ行くようになったんです。
山を歩いていると、気づけば水の音のする方へ体が向く自分がいます。以前、上高地(長野県松本市)を歩いていたとき、水面に落ちた花びらめがけて、川底から魚がびゅっと上がってくる姿を目にしました。釣りが禁止されている区間の魚は、餌を知らないぶんピュアで、花びらさえも餌だと思って飛びついてくる。その姿が、かわいくてかわいくてたまりませんでした。

「竿を1本持っていけばもっと楽しめるんだ」。それ以来、山登りは手段に、きれいな川で魚に会うことが目的になっていきました。
顔の見えるものを選ぶ
せっかく竿を持つなら、誰がつくったかわかるものを選びたい。これは農家さんの顔がわかる野菜を手に取りたいのと、同じ気持ちです。
ご縁があり高尾(八王子市)にあるJINDAIJI MOUNTAIN WORKSで選んだのは、岩手のcampanellaflyrods(カンパネラフライロッズ)とのコラボレーション竿、C6693SLS。
ふたつのブランドがこだわり抜いた、作り手も買い手も互いの顔がわかる1本です。万が一折れてしまっても、連絡1本で修理してもらえる関係性があります。少し高価でも、一生使えるものを。そう思えるようになったのは、整理収納を続けてきた中で、ものを見極める目が育ったからだと感じています。

ものをひとつずつ「いる・いらない」と判断していく中で、自分が何にワクワクし、何を大切にしたいのかが、少しずつ見えてきます。釣りをする時間、一緒に山を歩く仲間。そういうものを大切にしたいと気づけたのも、部屋が整い、思考が整理されていったからかもしれません。
JINDAIJI MOUNTAIN WORKSでは、アトリエでのオープンイベントを通じて、女性の釣り人(アングラー)たちとも知り合いました。高尾という土地に、釣りを教えてもらえる仲間がいたことも、この趣味を加速させた理由のひとつです。
「整理収納で生まれた余白。母であり、妻でもあるけれど、1人の人間として、自分の好きなことを存分に楽しんでいい」。
お客さんにいつもそうお伝えしていますが、きっと、自分自身への言葉でもあります。




