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SABOTENS まちのミカタ #05 亀有編

sabotensのまちのミカタ

SABOTENS まちのミカタ

落ちもん写真収集家の藤田 泰実さんと路上園芸鑑賞家の村田 あやこさんによるユニット・SABOTENS。
路上にはみ出す不思議なものを切り取り、写真やグッズ、メディア露出など
さまざまな手法で発信するふたりが、「知らないまち」を嗅覚だけで歩いてみた!

#05 亀有編

まちのミカタ5回目。今回は、読者の方からSABOTENSの村田 あやこさんへリクエストがあった、亀有です。洋服に野菜に、思いがけず買物魂が炸裂してしまったSABOTENS。亀有は「仕事を忘れて主婦に戻るまち」でした。

SABOTENSとは
2016年結成。「落ちもん写真収集家」の藤田 泰実と、「路上園芸学会」の村田 あやこによる路上観察ユニット。室外機やアロエ、選挙ポスターなど、組み合わせると路上あるあるな風景が作れる「家ンゲイはんこ」をはじめ、路上をテーマにしたグッズ制作や国内外での作品展を行う。
HP: https://www.sabotens.com/
Instagram: https://www.instagram.com/sabotens_tokyo/

見守り役:entrie副編集長 細野 由季恵

マスク着用。除菌シートを分け合い、散歩スタート

今回のスタート地点はJR常磐線 亀有駅。車で駅のそばまで来たSABOTENSの藤田さんを駐車場に誘導する村田さん。車を停めるやいなや落ちもんを激写する藤田さんの姿を激写しました。

▷落ちもんハンター・藤田

そして本日の「まちのミカタ」を開始すべく、まずはスタート地点の亀有駅へ!

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、さまざまなものが品切れ状態が続く昨今……集合前に立ち寄った薬局で奇跡的に売れ残っていたという、3個入りの「除菌シート」をひとつずつ分けてくれた村田さん。

▷「悪いよー」「いいのよー」という、いつものおばちゃんやりとりが1分ほど続きました

藤田:そういえば、亀有って『こち亀(※)』のモデルになった場所だよね。

※こち亀……秋本治による漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』。亀有が舞台となった漫画で、1976年から40年間に渡り連載されていた人気作。

細野:あ、ほら早速キャラクターの銅像が……

▷細野「ちょっと怖い」藤田「胴が長い」村田「目が見開いてる」

村田:こち亀の銅像が至るところにあるんだね、マップになってる。他にもいろんな場所で、こち亀っぽいものをたくさん見かけるね。

▷「両さんそっくりさんコンテスト」が開催される亀有

▷薬局の前のサトちゃんたちも、こち亀仕様でした

藤田:みんな両さんを意識してるのかな。

何気ない落ちもんが、実は事件現場の遺留品!?

個人店が軒を連ねる北口エリアから、散策をスタートしました。

村田:ところで、よっちゃんは亀有来たことある?

藤田:あるある。

村田:そうか、太郎君(※)が亀有のお店でよくライブしてるもんね。よっちゃんと私をお互いに紹介しあってくれた共通の友だち。

※太郎君……マンドリン奏者であり、SABOTENSのお散歩仲間・井上 太郎氏。SABOTENSを引き合わせてくれた恩人でもある。

細野:なんと、SABOTENSにご縁があるまちなんだ。

▷金がならなかった木

村田:あ、「カネノナルキ(※)」が干からびてる

※カネノナルキ……多肉植物の一種。花言葉は「幸運を招く」であり、また名前自体も金のなりそうな、ご利益を感じる名前をしている。かつて五円玉を通しお金が実ったように見せかけて、縁起物として売られていたそう。

藤田:これはもう、貧乏だ。

細野:カネノナルキなのに貧乏……

藤田:あやちゃん! みて!

村田:わ! すごい! このサボテン!

▷天使の輪みたいな花が咲くサボテン

藤田:……こっちには、サンゴが落ちてる

村田:ほんとだ!

藤田:……本当にサンゴかな、骨じゃないよね

▷サンゴを骨と疑う、落ちもんデカ・藤田

村田人骨だったりして……

藤田:あれ? 一個パーツを落としたなってやつが、うちらを見て殺しに来たりして……

細野村田怖っ!

藤田:そういうのあるからね、落ちもんには。

村田落ちもん怪談だ。

藤田:やってみようかな、落ちもん怪談。「……後ろ!」とか言って。稲川淳二風に

「マスクが少ない」!? 今春の落ちもん事情

嗅覚に従い歩くと、いつものごとく細い路地に吸い込まれていくSABOTENS。

藤田:この建物すごくない? カラオケと釣具屋

村田:多角経営だね。

藤田:わ、ここもすごい!

村田花畑みたい。見事だ。すごーい。

と、ここでSABOTENS藤田さんが、おもむろに今春の落ちもん事情について語りはじめました。

藤田:この時期って花粉症が流行するから、毎年マスクがたくさん道に落ちてるんだけど、今年は全然ないんだよ。これはきっと、コロナの影響なんだよ。

村田:みんな外さないで付けたままってことかな。

細野:……あ! マスクとシャワーキャップが落ちてるよ

▷裏道に落ちていたマスクとシャワーキャップ

藤田:わ! でもいつもよりも、道に落ちている数は少ないんだよ! (このタイミングで見つけないでくれ、恥ずかしずぎるだろ……)

村田話しているそばから(笑)。どういう経緯で落ちたんだろう?

ブルーベリー農園直営のカフェ
「Blue THE Berry」さんで休憩 

マスクの謎について妄想しながら歩いていたら、雰囲気の良いカフェを発見。

▷ブルーベリー専門店「Blue THE Berry」 (東京都葛飾区亀有5-16-16)

藤田ワッフルとクレープだって!

村田ブルーベリー専門店って書いてある。

藤田:ブルーベリーとクレープって最高の組み合わせだと思うよ。入ってみよう。

突然の取材を快諾してくださった、つくば市にあるブルーベリー農園直営の「Blue THE Berry」さん。2019年9月にオープンしたそうです。フレッシュなブルーベリーをふんだんに使用したメニューはどれも美味しそう。散々悩んだ結果、シェイクとワッフルサンド、クレープをそれぞれ注文することに。

▷つくば市の農園「つくばブルーベリー ゆうファーム」のブルーベリーが使用されています

▷ブルーベリーシェイク。環境へ配慮し、再利用可能な瓶が使用されています

▷ブルーベリー&チーズクリームのワッフルサンド。食べごたえ満点な分厚さ!

▷ブルーベリーがふんだんに使用されたクレープ

激安洋品店「はんがく屋」で、突然の買い物モード突入

ブルーベリーで腹ごしらえした一行は、再び歩きはじめました。

村田:あ、根っこだ。

藤田:穴が開いてる!

細野:違う世界に行けそう。

藤田:こういう映画ありそうじゃない? 中を見たら「アー!」って入っていくやつ

▷やってみました

藤田:なんか日陰に入ると寒いね。ホッカイロ貼ろうかな

村田:私、さっき薬局で買ったやつあるけど、いる?

藤田:大丈夫。前にあやちゃんにもらったやつ、持ってきた(笑)

▷人気のない路上でホッカイロを貼るSABOTENS

ホッカイロで暖を確保してしばらく歩いていたところ、気になるお店を発見。軒先には、洋服や雑貨などさまざまなものが激安で売られていたので、覗いてみることにしました。

▷「はんがく屋」という店名に吸い寄せられるSABOTENS

藤田:あ、パジャマ安い!

はんがく屋さん半額だよ。200円

藤田:200円!? 買ってこう。

はんがく屋さん閉店だから安くしてるんだよ。

村田:あ、これ、かっこいいよ。ドラゴン! あったかそうだし。

細野ハリーポッターっていうタグがついてる……。

村田これ買って、いま着よう

▷SABOTENS藤田さんは、チェリー柄のパジャマ(200円)、パーマンのようなキャップ(100円)、「NIPPON」と書かれた靴下(50円)を購入

▷SABOTENS村田さんは、ハリーポッターのトレーナーと黄色いバッグを購入(なんと2つで1000円)

それぞれお目当ての商品を購入。今月で閉店されるということで、かなり値下げしてくださいました。値下げのお礼にホッカイロを差し上げたところ、「じゃあおじさんもなにかあげようかな」と、お返しにマスクを一枚ずついただきました。いまや入手困難なマスク……ありがとうございました。そして長年のご商売、お疲れさまでした!

道端に突如現れる、
人間ハムスター製造マシン

帽子とトレーナー。SABOTENS二人そろって装い新たに、再び歩きはじめました。

藤田:私たち、引きがいい。いい店主さんだった

村田:あんなに安くして大丈夫かなってくらい、安くしてくれたね。

藤田:合計金額が前回の西大井で爆買いした駄菓子より、安かった

村田:このへんの商店街はシャッターが降りているお店が多いね。コロナの影響で閉めてるのかな。そういえばさっきのお店のお父さんも「コロナに負けて閉店する」っておっしゃってたな。

藤田:感染に気をつけつつ、でも経済を回さないと、破綻しちゃうね。

村田:あ、なにあれ。風車がある。なんだろう。

藤田:行ってみよう。

細野:なんだろうこれ。何の説明もないね。

藤田人間ハムスターできるね。

村田:もしこれに乗れって言われたら、どこにつかまればいいのかな。

藤田:これ、トム・クルーズでも難しいよ。全盛期のジャッキー・チェンだったらギリギリいけるかも

▷どうやったらうまく乗りこなせるかを考察するSABOTENS

創業42年の喫茶「ラッキー」で休憩

村田:桜も少しずつ咲きはじめてるね。

藤田:あやちゃん、今年は「根見会」やるの?

村田:やりたいな。

細野:「根見会」って……?

村田花見の代わりに根を見る会だよ。根菜料理を持ち寄って、根っこのお酒を飲みながら。花見は自粛モードだけど、根見は自粛って言われてないから、いけるかも。

▷ソメイヨシノの花ではなく根を見る「根見会」を行った村田さん

村田:それにしてもハリーポッターのトレーナーに救われた! 寒いなと思ってたから。

藤田:あやちゃん違和感なく、似合ってるよ。あの店主のおじさん、ホグワーツ魔法魔術学校の出身だったりして。

細野:「グリフィンドール」って書いてるね。

藤田:あやちゃん、「グリフィンドール」って言ってみ。そしたらトレーナーが光って、何か起こるかも。

いつものごとく、歩きながらダラダラと、とりとめなさすぎる話をしていたら、レトロな佇まいの喫茶店に一目惚れ。お腹も空いてきたので、入ってみることにしました。

▷コーヒー店「ラッキー」 (東京都葛飾区亀有5-37-1)

▷パスタセットは、ソーセージに目玉焼き、スープとサラダ、ドリンクまでついて、なんと980円。桜の絵柄のお皿に、春を感じました

創業42年の「ラッキー」さんは、地元の方々と思われる女性グループで大賑わい。ジャズが流れる居心地良い雰囲気に、細野さんは椅子に座るなりウトウト……その傍らでSABOTENSは、延々と飼い猫の話に花を咲かせていたのでした。

細い路地は、やっぱり楽しい

腹ごしらえができて、すっかり元気になった一行は、駅の南側へ足を伸ばしてみることにしました。

細野:南口側は、より開けた感じだね。

村田:北口側とはまた違って、大きな商業施設が多い。

藤田:あ、いい感じの路地があるよ。行ってみよう。

細野:面白いね、南側。

藤田:あの突き当り、「熱帯」って書いてある。

▷細い路地があると入ってみたくなるSABOTENS。奥に見える「熱帯」の文字。

藤田:何て書いてあると思う? 熱帯雨林……

村田:熱帯……いやもう、あそこまでいったら「魚」でしょ。

村田:あ、かわいい! この看板。パンツの中を覗き込んでる。

藤田:男か女かチェックしてるのかな。

村田:ペットボトルの館もあるよ。この奥の路地、いけるのかな。いってみよう。

藤田:いってみよっか。

村田:……ドンツキ(行き止まり)だった。

▷ドンツキ(行き止まり)を発見したら○で合図をするドンツキ協会さんにならい、「ドンツキでした」のポーズをするSABOTENS

村田:うわ、なんだこの木。がんじがらめ。

藤田:さらし首の奴隷みたい。苦しいね、彼のことを考えると

昭和レトロな市場「亀有食品市場」で、地元の方に混ざりお買い物

路地を抜けると、いい雰囲気の市場を発見。思わず中に吸い込まれていきました。

▷レトロな雰囲気の亀有食品市場

村田:え!!! 安い! メロン198円。

藤田:パイナップルも安い。買っていこうかな。

▷「良いパイナップルの見分け方」を知らない方に教わる藤田さん

村田:私も野菜買ってこう。

店頭に並ぶ野菜や果物の安さに目を奪われるSABOTENS。これから2時間かけて帰宅することをすっかり忘れ、買い物モード突入です。

▷地元の方に混ざり普通に買い物するSABOTENS

▷昔ながらの活気ある商店街といった感じ。ここだけ昭和が残ったような不思議空間でした。

主婦魂が開眼するまち・亀有

両手いっぱいに今日買ったものを抱え、今日の感想を話しながら帰路につきました。

▷SABOTENS村田さんは市場の後、なんとまちの布団店にも立ち寄り、クッションまで購入したのでした。

村田:亀有はみんなフレンドリーだったね。

細野:ぶっきらぼうだけど、大盤振る舞いな感じ。

藤田:そこがいいね。亀有は「仕事を忘れて主婦に戻るまち」だね。

村田:確かに。主婦魂が炸裂してしまったね。

細野:服買って、喫茶店でお茶して、野菜買って帰る(笑)。

藤田:いやー、面白いまちでした。

村田:亀有食品市場みたいな場所があるだけで、ぐっと好きになるね。個人店も元気な感じでよかったな

藤田:歩いた範囲は狭いけど、満喫したね。

村田:経済を少しでも回せたかな。できるところから。

細野:亀有に住むなら、一軒家かマンション、どっちがいい?

村田:どっちだろう……歳をとって身寄りがなくなっても住みやすそうだから、駅チカのマンションに住んで、あの市場に通いたいな。

▷今日の戦利品を手に、両さんと記念撮影して解散しました

本日の一コマ漫画

イラスト/藤田 泰実(落ちもん写真収集家)

まちのミカタ 心に残る亀有の風景

村田のミカタ:隙間から生える木。SABOTENS藤田さんにより「す木ま」と命名されました。

藤田のミカタ:こんなところで香取くんの闇を感じてざわざわする……(亀有食品市場にて)

▷亀有(葛飾区)の豆知識

東京の下町としてしられる葛飾区は江戸時代より、お米や野菜の生産地として江戸を支えてきました。戦後、宅地化が進む中でも、下町人情や伝統行事は引き継がれているようです。亀有には昔から続く商店街も多くありますが、2006年には大型ショッピングモールもオープンしています。実際まちを歩いてみても平坦な地形に、駅近の広々とした公園、気さくな人柄の地元住民と安心感のあるまちです。

●取材/SABOTENS・細野 由季恵
●編集/細野 由季恵
●執筆/村田 彩子

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