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「自分の“好き”は、きっと相手には伝わる」 ハワイアンキルト作家 渋谷由美さん | エイミーズトーク #29

エイミーことエントリエ編集長の鈴木 栄弥が気になる人に、自分らしい暮らし方や生き方のヒントをいただいてしまおうというこのシリーズ。第29回目のゲストは、ハワイアンキルト作家の渋谷 由美さんです!

自分の“好き”は、きっと相手には伝わる

渋谷 由美(しぶや・ゆみ)さん。東京生まれ。2004年にハワイアンキルトに出会い、製作に熱中。徐々に活動の幅を広げ、今では自身で教室を開くまでに。数多くの生徒さんにハワイアンキルトの魅力を伝えている。

現在東京都多摩エリアで、6つのハワイアンキルト教室を持つ渋谷 由美さん。作家として活動をはじめてから16年目。3月にはエントリエショールーム内で個展をおこなっていただくことになりました!(※コロナウィルスの影響を受け、延期となりました。追って詳細をご連絡します) そこで、今回はハワイアンキルトとの出会いや教室での生徒さんとのふれあいの中で感じていることについて、お話を伺いました。

「おおらかな気持ちになる」そのアバウトさが心地よいハワイアンキルト 


――渋谷さんは、“ハワイアンキルト”の作家さんとしてご活躍されていますが、普通のキルトは、どこが違うのでしょうか?

渋谷さん:名前の通りハワイモチーフを使用するところです。もうひとつの特徴として、例えば、正方形の折り紙を折ると、長方形になりますよね。また半分に折ると正方形に、さらに折ると今度は三角形になります。

そうすると、元のサイズの1/8の状態になります。これを8枚重ねてカットし、広げたモチーフを連ねていくのがハワイアンキルトの特徴的です。

――なるほど! キルトといえば、幼稚園バックなどに使うようなふっくらとした布地をイメージします。

渋谷さん:そうですね。幼稚園のお子さんに、キルティングバッグをつくったりしますよね。ハワイアンキルトは、あの布地を自分の手でつくったり、そこにひとつひとつアップリケのようなものをつけたり。できあがったら、またチクチク縫って、そうすると布地にふっくら感が出てくるんですね。

――ミシンを使わずにすべて手縫いですか! すごく時間をかけて、ていねいにつくられていらっしゃるんですね。

渋谷さん:そうですね。製作は、短くとも3〜4ヶ月はかかるかな。

――キルトと一口にいっても、製作手法はいろいろありそうですね。

渋谷さん:はい。小さい三角や四角、ひし形などをつなげ、ひとつのモチーフにする“ピーシング”というものもあります。「ピーシングキルトとハワイアンキルトの違いは何ですか?」とよくいわれますが、ピーシングは縫っていくときに1mmずれると、つなげたときに1cmずれます。どんどんつなげていくから1mmでもズレの影響は大きい。

その点、ハワイアンキルトは、多少ずれても気になりません。つくった本人は気になるかもしれませんが、見ている人はおそらく気にしていないはず(笑)。だから、おおらかな気持ちでつくることができるんです。

手芸店で一目惚れ!
ハワイアンキルト一筋の16年

――渋谷さんがハワイアンキルトと出会った経緯を教えてください。

渋谷さん:もともと、かわいいものが好きなんです。製作をはじめる前は主人の仕事上、転勤が多くて……。私は東京生まれですが、結婚・子育ては九州でした。子どもも成長して、自分の時間ができた頃、何か自分のことをはじめたいなと思っていたんです。

そんなある日、手芸屋さんでハワイアンキルトを見て「かわいい!」と思って。そこでキルトの先生と出会って、お教室でいろんなことを教えてもらいました。

▷手芸道具にも、渋谷さんこだわりの「かわいい!」が詰まっています。

――細かい作業はもともとお好きだったのでしょうか?

渋谷さん:嫌いでも、好きでもなかったです(笑)。小さいころは人形をつくったりしていましたけど、趣味にするつもりはまったくありませんでした。

でも実際につくってみると製作中はもちろん、形になったときには感無量で。自分の好みに合わせてサイズを変えられるから、大きな展示用の作品から生活に密着したものまで自由につくれるし、いつでも持ち歩けるところが良かったですね。

――転勤が多い環境でも、続けることのできる好きなものが見つかったんですね。

渋谷さん:それに、最初に出会ったキルトの先生は幅広く活躍されている方でしたが、私はなぜかハワイアンキルトにしか興味がなくて。例えば、ビーズやクラフト系の製作には全然目がいきませんでした。

ハワイアンキルトは奥行きがあるというか……これまでいくつもと作品をつくっていますが、そのたびに「またつくりたい!」と思うんですね。

――ハワイアンキルト、一筋ですね。

「今日、来て良かった」と思える場所づくりを

▷教室には、幅広い年齢の生徒さんがいらっしゃるのだとか。こちらは作品展示会のワークショップでの様子、「ちびっ子も頑張ってました!」。

――渋谷さんが生徒という立場から一転、今度は先生として生徒さんを持つようになった経緯について教えてください。

渋谷さん:キルトの先生から「教室をすることもできる」と聞きました。それで自然と、「自分の知識をみんなに伝えられたらいいな」と思うようになって。ハワイアンキルトをはじめて4年目のときです。

今は、デパートなどにあるカルチャースクールで教室をもっていますが、はじめは「ハワイアンキルトの活動をしています」と持ち込みました。すると、だんだん声をかけてもらえるようになって、気付いたら生徒さんがたくさん来てくださるようになっていました。

――教室に通われる方は、どんな方が多いのですか?

渋谷さん:年齢的には、ご年配の方が多いかな。ご自分の時間を持てるようになって、「新しいことをはじめてみたい」という方ですね。人生の先輩ですから、がんばらないといけないな、とよく思います。

――お教室はどんな雰囲気ですか?

渋谷さん:もう和気あいあいで、大変です(笑)。お茶の時間をつくっているクラスもありますが、お教室でのお話を楽しみにしてくださっている方もいらして。製作に関わる話から、普段、家族にはいいづらいことなんかも話してくれます。

中には4回目の成人式を迎えられた人もいらっしゃいますが、みなさんすごく元気! 私も「ここに来て良かったな」と思える教室にしたいと思っています。

うまくいかないこともあるけれど、
自分の「好き」は
、きっと相手には伝わる

――現在は、お教室と自主製作を通してハワイアンキルト と関わっていらっしゃいますよね。「好きなことを仕事にしていきたい。でも、なかなか実現できない現状にモヤモヤしている」という人も、多いように感じています。だから渋谷さんに憧れる方も多いのではないでしょうか。

渋谷さん:なんというか……「自分が楽しい」と思えることができるといいですよね。

――はじめの一歩は、ご苦労されたこともあったのではないでしょうか。

渋谷さん:そうですね。今でこそ、順調だと思っていただけるかもしれませんが、はじめは人が集まらず生徒さんひとりのときもありました。今も、販売のお声がけをしてもらっていますが、思うようにはいかない。

あとは、多くの方は長く続けられてくださいますが、中には「キルトは好きだけど、時間や都合が合わなくなって続けられなくなってしまいました…」という方もいらっしゃいます。

何もかもが上手くいってるわけではないんです。でも、自分が好きなことをやっていると、わかってくれる人には届くと思います。自分が好きなことをして一緒にいられるのは、生徒さんにしても仲間にしても、分かち合って共有できる人たちだと思うんです。だから気にせずに、好きなことをしたらいいなと思います。

――反対に、生徒さんの中には「渋谷さんだから続けられる」という人も多そうですね。楽しそうな雰囲気がお話から伝わってきます。

渋谷さん:ありがとうございます。(雰囲気づくりでいえば)敬語を使いすぎると距離感が出てしまうので私も普通にお話しますし、生徒さんもフレンドリーなので、気を遣い合うみたいなことはないですね。

――人と関わる時間は、大切ですよね。日常から抜け出して、自分の時間を意識的にもつというか。渋谷さんのような教室があると「頼れる場所」になるのではないでしょうか。

渋谷さん:月に1回来るだけでも違うと思います。こうしたカルチャーの仲間は生活圏も違うし、その人のご近所のことは誰も知りません。だから、普段話せないようなことも気兼ねなくいろんなことを話せる空間は、どの世代も大事だなって。

――ありがとうございます。渋谷さんが生き生きと活動されてることで、きっと周りの方の笑顔も増えていきそうですね。

渋谷さん:はい! もっともっと、たくさんの人にキルトの楽しさを知ってほしい。あとは、いつかは毎年東京ドームで開催されている「東京国際キルトフェスティバル」で賞をいただきたいです。自分の目が見えなくなるまで、つくり続けたいです。

渋谷さんの至福のひとときは1年半前からはじめたゴルフ。座りっぱなしの作業が多いので、運動不足解消のためにはじめたそうです。「へたっぴですけど」と、はにかむ姿が印象的でした。

「ゴルフで使うバッグやシューズケースも手作りなんです」と、教えてくださいました。

 

●文 / 安田 あゆみ
●インタビュー・編集・写真 / 細野 由季恵

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