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「仏像と人とのつながりは、世界観を広げる」 仏像コミュニティ 仏像リンクさん | エイミーズトーク #51

エントリエ編集長のエイミーこと鈴木 栄弥が気になる人に、自分らしい暮らし方や生き方のヒントをいただいてしまおうというこのシリーズ。第51回目のゲストは、「仏像が好きなひとびとが集う、仏像コミュニティ 仏像リンク」主催の仏像リンクさんです。

エントリエでリノベーションを経験されたお施主さまでもある仏像リンクさん。お客さまとリノベーション会社としての関係だったある日の雑談から、「仏像リンク」というコミュニティをされているという情報が……! 早速、エントリエ編集部は、仏像リンクさんとしてご活動についてお話しを聞いてみることにしました。

仏像リンク

仏像好きのための仏像コミュニティ『仏像リンク』を運営。会社員の傍ら2005年よりmixiコミュニティから活動開始し、2014年に仏像リンクを創設。『仏像がすき』をつなげていくことを目標に日本全国の地方仏や秘仏を訪ねるバスツアーや、初心者に向けた都内近郊の仏像さんぽ『仏像ブラ参り』を毎月開催。ウェブマガジン仏像リンクでは、仏像の楽しみ方や仏教の世界をわかりやすく解説。仏像だけでなく、その仏像が息づく環境ごと感じて、楽しんで、日本をもっと好きになってもらいたいということを目指して、仏像好きの仲間を増やす活動を継続中。

大学時代に衝撃を受けた立体曼荼羅。設立したコミュニティ運営では1万人もの会員を集める

――今日はよろしくお願いします! まずはじめに「仏像リンク」とは、どのようなコミュニティですか?

像リンクさん:仏像が好きな人同士で仏像について語ろうといった趣旨のコミュニティで、月に1度、仏像を巡るイベントを行っています。WEB上では「最近、仏像が好きになったけどどうやって楽しんだらいいかわからない」という人に向け分かりやすく説明するコンテンツを配信したり、SNSでつながったりしています。

▷WEBサイト「仏像リンク|仏像・仏教がわかる仏像コミュニティ」では、イラストや写真を交えて、面白く、そしてわかりやすく仏像に関する知識を発信しています。

――今ではすごい数のコンテンツになっていますね。全て仏像リンクさんがおひとりで配信されているのでしょうか?

仏像リンクさん:ありがとうございます。私が書いている部分も当然多いのですが、私はあくまで「仏像が大好き」という人間なので、仏像を取り巻く「仏教」の話にはちょっと疎いところがあり、また超専門的な仏像の解説などについては各専門の方に手を借りています。活動報告などは仏像リンクでの仏像めぐり活動を一緒にやっている友人の手も借りつつ更新しています。

――立ち上げの経緯を教えていただけますか?

仏像リンクさん:15年ほど前、mixi(ミクシィ)というSNS上でコミュニティをつくったことですね。自分の好きな仏像の写真を10枚並べたgifアイコンをつくり、「セクシー仏像」という名前でコミュニティを立ち上げました。そしたら、1万人くらいの方が参加してくれて。こんなに集まるものなのかと驚いたことを覚えています。

▷mixiで開設されたコミュニティのトップ画像。当時の様子がわかる貴重な1枚!/写真提供:仏像リンク

――1万人! すごいですね。最初はインパクトのある名前だったんですね(笑)。

仏像リンクさん:そうですね。ただ、活動を続けていく中でもっと真面目に勉強したいなと思いはじめました。たとえば、イベントで仏像見学のためにお寺にいくときに「セクシー仏像」だとちょっと……(笑)。そこで、“仏像や仏像が好きな人とつながる”という意味を込めて「仏像リンク」という名前にしました。

――仏像リンクさんご自身が仏像に惹かれたのはいつ頃からですか?

仏像リンクさん:中学校も高校も修学旅行が京都・奈良だったのにも関わらず、仏像やお寺に興味を持っていませんでした。転機は、大学生ですね。一人旅にはまり、旅先で出会った京都にある東寺(とうじ)1の立体曼荼羅(りったいまんだら)で出会った仏像がきっかけです。空間も相まって自分の体に電気のような衝撃が走ったことを覚えています。

▷大学生の仏像リンクさん/写真提供:仏像リンク

――それほどの衝撃を受ける空間だったんですね。

仏像リンクさん:曼荼羅は簡単にいうと「如来(にょらい)」や「菩薩(ぼさつ)」といったさまざまな仏さまがどこに配置されているかがわかる地図のようなものなんですね。東寺の立体曼荼羅は、その地図を具現化した空間ですが、曼荼羅の世界に自分が入り込んだ感じがしました。そこから仏像の魅力に取り憑かれていきましたね。それからは「Sexy仏像」を立ち上げ、仲間も生まれ、地方の仏像めぐりやイベントを開催する、今の活動に発展していきました。

※1 「東寺の立体曼荼羅」について詳しく知りたい方は、仏像リンクの『【見仏入門】No.11 京都府・東寺(教王護国寺)の仏像/立体曼荼羅、梵天&帝釈天、不動明王像、弘法市、御朱印など』へ!

目的はそれぞれにあってよし! 自分好みに合う仏像を求めて

――今回はエントリエのモデルルームがある聖蹟桜ヶ丘の隣駅にある高幡不動尊 金剛寺※2(たかはたふどうそん・こんごうじ)に来てみました。仏像リンクさんがいつも仏像をどのように楽しんでいるか、どのように見ているか、ヒントをいただけたらと思います。

仏像リンクさん:わかりました。こちらの高幡不動尊の中央には、国の重要文化財である不動明王像が祀られているんです。こちらの仏像は「寄木造り(よせぎづくり)」といって、プラモデルと同じようにパーツごとに分解できるんですね。

※2 「高幡不動尊 金剛寺について詳しく知りたい方は、仏像リンク『【見仏入門】No.9 東京都・高幡不動尊(高幡山金剛寺)の仏像/木造不動明王及び二童子像・大日如来坐像など』へ!

写真提供/高幡不動尊 金剛寺

――それは知りませんでした! よく見ても、どこがバラバラになるのかわからないですね……

仏像リンクさん:そのぐらい見事にできているということですよね。

古い仏像に関しては、「一木造り(いちぼくづくり)」といって文字通り一本の木から丸ごと仏像の形に彫るというのがスタンダードだったようです。ただ、この仏像がつくられた平安時代後期から寄木造りが開発されました。

寄木造りでつくられている仏像は、体をくり抜かれているので見た目程は重くないんです。そのように軽くする工夫がなされています――とはいえ、不動明王像は約1トンと到底一人では持てない重さではありますが。あとは、割れることを防ぐため。あと中に物を入れるためっていうのがあります。つくった人の大切なものとか。

――つくった人の大切なもの! そういうことに思いを馳せると、面白いですね。

仏像リンクさん:巻物とかですかね。あとは、日本ではないのですが、海外ではミイラがそのまま入ってたって仏像も発見されたりしたんですよ。

――仏像初心者でもお話を聴きながら見ていると見方が変わってきますね。いつも、情報を調べてから来るんですか?

仏像リンクさん:基本的には調べてから来ることが多いです。でも、はじめて見る仏像に関しては事前情報を一旦忘れます。たとえばキャプションのある展覧会でも、まずは見て感じることからはじめます。最初に受けた感想を大事にしたいんですよね。

――見て感じる……仏像リンクさんは、仏像からどんなイメージを受けていますか?

仏像リンクさん:たとえば、仏像リンクの会員さんもそれぞれに好きな趣向が違うんですよね。不動明王みたいな怖い表情の仏像が好きだったり、仏像に癒しを求める方もいたり。僕自身も、仏像であれば何でもいいというわけではなく、自分の好みに合う仏像を求めたいんです。それは、強さや圧倒されるような感覚になる仏像。

写真提供/高幡不動尊 金剛寺。「不動明王」は、煩悩を断ち切る仏。元来は「大日如来」という別の仏さまであり、綺麗なアクセサリーをまとい、優しい表情をしていたそう。しかし、その柔らかい容姿に話を聞いてくれない人が現れます。そうして「大日如来」に代わり、見たものを圧倒するように生まれ変わった仏さまなのです。

――それでいうと不動明王像の顔も、すごく怖い感じがしますね。

仏像リンクさん:そうですね。でも、優しい顔だけど鳥肌が立つみたいな感覚を覚える仏像もあるんです。特定の仏像を見ると発揮されるセンサーみたいなものが僕の中にあるんですよね。

――もう少し私たちの身近なところで考えてみたいです。お地蔵さまと仏さまは違うのでしょうか。

仏像リンクさん:お地蔵さまも仏像です。正式には地蔵菩薩( ※3)といいます。仏像の世界って4つのランクに分かれるんですね。一番上が悟りを開いた存在といわれる「如来(にょらい)」、2番目が「菩薩(ぼさつ)」、3番目が「明王(みょうおう)」4番目が「天(てん)」とされています。地蔵“菩薩”なので2番目の仏さまなんです。

――なんと! 二番目にえらい存在なんですね……!

仏像リンクさん:はい。お釈迦さまが入滅して56億7千万年後に、お釈迦さまに代わる存在である弥勒菩薩(みろくぼさつ)が登場するといわれていますが、その間、この世の中を守る存在が地蔵菩薩です。

――私の家の前にもお地蔵さまがいますが、そんなにえらい方だったとは……仏像リンクさんに説明してもらうと、好みの仏像を探したくなりました。

※3 「地蔵菩薩」について詳しく知りたい方は、仏像リンク『【仏像の種類:地蔵菩薩とは】裏表が激しいお地蔵さまは現世をまもるナウい仏像だった!』へ!

仏像から得た、人のつながりと広がり続ける世界観

――本業は他にお持ちの仏像リンクさんですが、学生の頃から15年経った今でも続いていると想像していましたか?

仏像リンクさん:自分ひとりだと続かなかったとは思っています。京都や奈良だけではなく、東京や北海道、どこにいってもさまざまな仏像があるということをコミュニティの方に教わりました。そうやって情報を聞いては、次はどこに行こうと自分の行動範囲が変わる。

自分の世界観が広がるきっかけには、常に人がいるんだなと感じましたね。だから、今は他のみなさんにとっても世界を広げてくれるきっかけになったらという思いでコミュニティを続けることができています。

――まさに「リンク=つながる」ですね。コミュニティを運営するにあたって、苦労されたことはありますか?

仏像リンクさん:この数年、コロナ禍で移動や集まりが制限されてしまい、なかなかできなくなってしまってたことでしょうか。個人的にもコミュニティでも、毎週のように仏像を見に行っていたんですけれど。幸いこれを仕事にしていなかったというのも良かったかもしれないですよね。心に余裕を持って活動できる。今の生活も自分が見て周りたい仏像や紹介したい仏像を中心にしているので。仏像を趣味としていられたことは、幸せだなって思っています。

――では、反対に一番良かったと思っていることを教えてください。

仏像リンクさん:基本的にイベントに来られる方は、30〜60代で一人で来る方がほとんどなんですけれど、最近、結婚された方がいて。そういう人の幸せな方のきっかけにできたというのは本当に嬉しいです。

▷仏像リンクさんのイベント/写真提供:仏像リンク

――そうなんですか、とてもすてきですね! 今後やってみたいことを教えてください。

仏像リンクさん:もうお亡くなりになられたのですが、日本の仏像評論家である丸山 尚一(まるやま・なおかず)さんという方がいます。その方が昭和の時代に巡った仏像訪問記『地方の仏たち(2004年、 NHK出版)』があるんですけれど、そこに掲載されている仏像を全部巡りたいです。

丸山さんって、単に巡るだけではなくて文章がお上手で魅力的に書くんです。その人と同じ仏像を見たときに「自分がどう感じるか」を体感したいですね

――ありがとうございました。仏像を通して、人とのつながりも大切にされている印象を受けました。

仏像リンクさん:そうですね。いろんなキャラクターがいるので、これからもどんな人と出会っていけるのか、単純に楽しみですよね。

写真は昨年訪問した中でNO1だった岩手県にある『大沢温泉』です。/写真提供:仏像リンク

仏像リンクさんの至福のひとときは「地方の仏像を巡っては、秘湯を探して濃度の濃い温泉を求めています。仏像に満たされ、温泉を浸かるときに至福を感じます」だそう!

●インタビュー・文 ・撮影 / 細野 由季恵

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