DUCK SEIRO
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DUCK SEIRO
家に住む人
2022年、エントリエに念願のリノベーションを依頼。2023年1月に完成。 夫・長男・娘+おいどんという猫と一緒に住んでいます。好きなものは、鴨せいろ。

少し前に、金継ぎを習いはじめた。金継ぎとは、欠けや割れのある器を、漆を使い修復する日本の伝統的な技法だ。はじめたきっかけは、大切な人からいただいた欠けや割れのあるお猪口やマグカップを直したいという単純な理由だった。

ただはじめてみてわかったことだけど、意外と同じような理由で割れたものを保存している人は多いようで、最近は人からの依頼が絶えない。

「娘を出産した時の産院からの記念品」、「亡くなった祖母が愛用していた食器」など、依頼者から語られる思い出は、どれも愛おしく毎度心を打たれる。同時にその人の思い出や時間を背負ったようで、一気に作業に対する緊張が高まる。

ところで、子どもの頃、自分の不注意で大切にしていたものが壊れてしまった経験はないだろうか? 

不思議なことに、なにを壊したのかをすっかり忘れてしまったのだけど、壊してしまった瞬間の気持ちは今でもすぐに思い出せる。「10秒前に戻れたら」、「あと、ちょっとだけ気をつけていれば」大切なものが壊れてしまったことを受け入れるのは、とても苦しく切ない。

ただ、金継ぎでは壊れたものを直すという作業を通して、そういった自分の不完全さを認め、受け入れることの尊さを知った。修理された器には傷跡が残るが、そこにあった記憶や思い出をつなぎとめることができる営みなのではないだろうか。

エントリエでフリーランスの編集・ライターとして6年間リノベーションに携わらせてもらっているけれど、金継ぎを通じて自分の中で軸としてつながるものがあるように感じる。

形や見た目だけでなく、そこに在る記憶や思いへの敬意をもつこと。編集、リノベーション、金継ぎ。受けている仕事や業種はさまざまで、一見違うけれど、自分の中にある本質は何も変わらないと、やっとわかってきた気がする。

【おまけ】最近の猫の「おいどん」

今回は、おいどんの近況。

災害用にハーネスを買った。1度、練習のためにハーネスをつけて外に連れ出すと、毎日にゃあにゃあ鳴いて外に連れて行け! というようになりました。大変です。

その割に1箇所から動かない。

▷「家族が家族じゃなくなる家」を設計した人はこちら

鈴木 栄弥
設計営業・ウェブマガジン編集長

鈴木 栄弥 / Suzuki Emi

エイミー

2級建築士、カラーコーディネーター、福祉住環境コーディネーター、ファイナンシャルプランナー

静岡県富士市出身、1990.7.27生まれ。
日本女子大学 家政学部 住居学科 卒業。

小学生の頃から間取りやミニチュアが好きで、建築模型がつくりたい! と、建築士になることが夢に。
ビルや建物ではなく、人が住む家のことを中心に学びたいと思い、住居学科で学び、
「人が楽しく暮らす住まいをつくりたい」という思いで就職しました。
現在は、エントリエで設計営業 兼 マガジン編集長として所属。お気軽に「エイミー」と呼んでください!

わたしの手掛けるお家は、どれも決まったテイストはありません。
住まい手の体温を感じられるテイストに仕上げることが得意です!

●全国ジェルコデザインリフォームコンテスト
2023年 リビングダイニング部門 全国最優秀賞 受賞
2020年 一般社団法人住宅リフォーム推進協議会会⾧賞 受賞
2020年 個室部門 全国優秀賞 受賞
2019年 リビングダイニング部門 全国優秀賞 受賞

●ジェルコ関東甲信越支部リフォームコンテスト
2022年 デザイン部門 キッチン賞 受賞
2021年 デザイン部門 優秀賞 受賞
2020年 デザイン部門 優秀賞 受賞

●RoomClip全国理想の住まいコンテスト
2022年 1000万円以上部門 全国最優秀賞 受賞
2021年 500万円以下部門 特別賞 受賞
2020年 500万円以下部門 全国優秀賞 受賞

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