古くなった実家をどう活かすか――その答えのひとつが、二世帯住宅という新しい暮らし方です。エントリエの建築士小林めぐみは、築年数の経ったお家をベースに、古さや間取り変更に伴う構造チェックや安全性はもちろん、それぞれの世帯が快適に過ごせるリノベーションをご提案しています。今回は、“実家を受け継ぎながら新しく暮らす”二世帯住宅をご紹介します。
ふたつの暮らし、ひとつの家。家族の記憶を受け継ぐ二世帯リノベーション


祖父の代から続く住まいを、家族が再び集える二世帯住宅へとリノベーションしたIさまご家族。
お父さま・お母さま・息子さまご一家が、それぞれの生活に寄り添い合いながら空間を最大限に活かし、光と風を取り込む住まいを共につくり上げました。
長く受け継がれてきた思い出と、これから育まれていく日常が交差する、あたたかな住まいです。
「友人が子どもを連れて遊びに来ることも多くて、6人ほどで遊んでいたこともあります。リビングは広くて視界も開けているので、どこで子どもが遊んでいても見守れる。大人も子どもも安心して過ごせる空間になりました。」
ツーバイフォーから自由な間取りを実現。距離感がちょうどいい二世帯住宅


ご主人のお母さまとの同居を決めたNさまご家族。構造上リノベーションが難しいとされるツーバイフォー工法の住宅でしたが、エントリエの提案により大々的な間取り変更を実現した事例です。空間を最大限に利用し、ご夫婦とお子さまふたり、お母さまと5つの寝室を作ることができました。1階と2階で世帯を分けつつ、必要なときにはすぐに駆けつけられる距離感が、安心感を生んでいます。
「普段はある程度の距離感を保って暮らしているけれど、必要なときはすぐに駆け付けられる。顔を見なくても元気でいることが分かるのがいいですね。」
上品な色合いで高級感を。家族3世代で暮らす重量鉄骨造の家


祖父母の代で建てた思い出のあるお家を受け継ぎ、三世代での新しい暮らしを選んだKさまご家族。
重量鉄骨造という特殊な構造に不安を抱きながらも、エントリエの建築士・小林めぐみと二人三脚で、構造的制約を乗り越えたリノベーションを実現しました。
暮らしに合わせた収納や小上がり、照明計画など、細部まで丁寧に検討を重ねたお家は、家族それぞれの心地よい距離感と“つながり”を感じられる住まいとなりました。
「両親の部屋へもパジャマのままお醤油を借りに行けるんです(笑)。同じ建物に住めるようになって、助け合うことが増えました。」
“ちょうどよさ”が叶った二世帯リノベーション

娘さまのご実家である一戸建てを、二世帯で暮らせる家へとリノベーションされたTさま。「一緒に暮らすけれど、それぞれの暮らしはちゃんと守りたい」。3階建という特徴を活かし、個室を1階と3階に分けることで、それぞれのプライバシーが確保できるように。気掛かりだった耐震補強工事もしっかりと行い、安心の2世帯住宅が完成しました。
「やっぱり家に帰ってくると“いいな”って思うんです。思っていた以上に“ちょうどよい距離感”になっていて、ありがたいですね。」
それぞれに居場所がある、安心の鉄骨造二世帯住宅


築50年の鉄骨造4階建てという、特殊なご実家を受け継ぎ、お母さまと息子さまご家族が安心して暮らせる二世帯住宅へとリノベーションされたMさまご家族。2階にはお母さま、3,4階には息子さんご家族が暮らす住空間を配置。「この足音は誰かな」と、お孫さんの生活音で安心するというお母さまのやさしい言葉が印象的でした。
「朝起きてしばらくすると、上から足音が聞こえるんです。「これは誰の足音かな」って思ったり。それがね、なんていうんでしょう……一緒にいるんだなっていう安心感になるんですよね。」