イルマーヤ
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イルマーヤ / irrmarya
占い師/インテリアコーディネーター
インテリアコーディネーターの資格をとり、もっとお客さまの心の声が聞きたい!と思っ たら、うっかり占い師になりました。占星術とタロットで癒しと未来創造の占いを提供しています。インテリア、アート、本、文房具が好き。「irrma.」(イルマ)という名前で絵や刺繍作品などの創作活動もしています。

12月は未来を描きながら、現在を地固めする季節。少し疲れがでやすいかもしれないという占い師イルマーヤさんが綴る今月のコラムは、“自分への思いやり”がテーマ。心の渇きを潤し、自分らしさを取り戻すための「ひとりの時間」を作れていますか? 忙しい日々のなかで、誰かのためではなく自分のために優しさを向け、静かな強さを育んでみてください。
イルマーヤさんによる、12月の12星座別占いはこちら

家族のために、誰かのために

わたしのまわりには、優しい人がたくさんいます。優しい人たちは、いつも誰かの幸せを願っていて、自分のことは後回しにしてしまっているような気がします。でも、わたしはその人たちの幸せも願っているので、その優しさを自分に向けて欲しいな、なんて思うこともあって……想いはぐるぐると巡っています。

家族のために動き、職場で周囲の空気を読み、友人の悩みには親身に寄り添う。そんなふうに日常をがんばっている人ほど、「自分のことはあとでいい」と無意識に思っているような気がします。それは思いやりが深くて、責任感が強いということで、とても尊い生き方だと思います。

「自分のものを買うの忘れてた!」という女の子のイラスト

けれど、その優しさの代償として、小さな疲れが胸の奥に積もっていくことがあります。
「ちょっとしんどいかも」という自分の声は、誰かの声よりずっと小さくて、遠慮がちで、聞き逃しやすい。そして気づけば、人を支えるための力を自分で枯らしてしまっている——そんなことも珍しくありません。

水分が不足している状態のようだな、と思いました。

水分補給は喉がカラカラになってからでは遅くて、本当は渇く前に飲むことが大切だと言われています。

心も同じ。疲れ果てて立ち止まる前に、ほんの少しでも休む。重くなる前に、自分を軽くしてあげる。それは決して怠けや甘えではなく、未来の自分を守るための、思いやりなのかもしれない。他者へのケアを大切にしているからこそ、自分へのケアも同じくらい丁寧に扱いたい。

そう思えたら、ふわりと軽い気持ちで日々を過ごせるのかもしれません。

自分のための“ひとりの時間”

わたしは“ひとりの時間”がどうしても必要です。誰とも話さなくていい、誰かの表情をうかがわなくていい、ただ静かに深呼吸ができる時間。そんなひとときが、心の表面に張った薄い膜のような緊張をほどいてくれます。

「ひとりでいると、自分の輪郭が戻ってくる」と感じることがあります。母である自分、仕事の自分、友人としての自分……どの自分も、偽物ではないし、嫌いでもないけれど、ありのままでもないような。だから一度、すべてをそっと置いて、“ただのわたし”に戻る必要があるのだと思います。

そして、その時間があるからこそ、「自分を大切にするとはどういうことか」を考える余白が生まれるのかもしれません。

・自分に興味を持つ
・深く知ろうとする
・できない日も、迷う日も、そのまま受け入れる

こんな派手な自己肯定でも、強気に振る舞うことでもなくて、もっと静かで、地道な愛情表現。誰かを大切にするときと同じです。

落ち込んでいる友人にがいたら、「そういうことも、あるよね」と言って寄り添うことができるように、“できた自分”だけを愛するのではなく、“できない自分”も含めて抱きしめる。

「今日は何もできなかった」という日も、実は心が自分を守るために必死にがんばっていたりします。そのことに気づいてあげられたら、自分を責める必要はどこにもありません。条件つきではなく、存在そのものにOKを出してあげる。そんな愛し方を、まず自分に向けてみようかな。

「本日の営業は終了しました」という編み物をしている女の子のイラスト

「立ち直れる自分」を信じる

もうひとつわたしの話をさせてください。「できるだけ穏やかに過ごしたい」と暮らしていても、生きていればどうしても傷つくことから避けられません。

思うように伝えることのできないもどかしさ、期待を裏切られるような出来事、自分自身への失望……。そんなことが重なると、「もう立ち直れないかもしれない」と思って、今すぐ布団にもぐりこみたくなります。

でも、これまでわたしは何度も何度も布団から起き上がってきました。それは強いからではなく、“回復する力を持っている”からです。失敗しても、泣いても、しばらく止まっても、また動き出すことはできる。

その力を本来の自分が知っているからこそ、生きていける。

傷つかない鋼鉄の心を目指す必要はなくて、むしろ、折れながらも戻る力、しなやかに立ち上がる力を信じられたとき、心はぐっと軽くなるのではないかと思います。

strengthと書いた女の子と犬のイラスト

傷つかないようにとかたくなになるのではなく、弱さを抱えたまま生きられるしなやかさを持つこと。それは、毎日を自由にしてくれる“静かな強さ”です。

そして、「自分にやさしくしてあげたい!」と思った時から、育っていくものなのかもしれません。

「少し疲れているかも」と思ったら、ひとつでも“自分に戻る行為”をしてみましょう。

たとえば、深呼吸やお茶を飲むこと、布団に早く入ってソルフェジオ周波数の音楽を流す……その時にできる、ほんの小さなことが、きっとあなたを守ってくれる。

誰かを大切にするためには、まず、自分自身の心を乾かさない。水分を補給するように、自分をおもいやる時間が、あなたの毎日にもありますように。

イルマーヤ
占い師/インテリアコーディネーター

イルマーヤ / irrmarya

インテリアコーディネーターの資格をとり、もっとお客さまの心の声が聞きたい!と思ったら、うっかり占い師になりました。占星術とタロットで癒しと未来創造の占いを提供しています。インテリア、アート、本、文房具が好き。「irrma.」(イルマ)という名前で絵や刺繍作品などの創作活動もしています。

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