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想像が駆り立てられるよう、プレーンに、記号的に。/ 建築模型 nami barba okamoto – 愛しいものたち – 愛しいものたち​​

ひとの手で、丁寧に、ひとつずつつくられていくものたち。工場で大量に製造されたモノにはない独特のオーラやぬくもりが、私たちの暮らしに彩りや安らぎを与えてくれます。エントリエでは、こだわりをもった手仕事作家さんに注目。ものづくりや作品への想いをお訊きします。

見る人の想像が駆り立てられるよう、プレーンに、記号的に。/ 建築模型 nami barba okamoto – 愛しいものたち

 

専門学校でスペースデザイン科に進み出会った建築模型。その魅力と自分の適正に気がつき、在学中にはいくつかの建築事務所で模型バイトをしました。

しかし、ことあるごとに建築模型の“不遇さ”を感じたのです。建築模型はこんなにかっこいいのに「一般の方の目に触れる機会が少ないこと」や「設計のプレゼンテーションの手段のひとつに収まってしまっていること」、度重なるデザインの変更でどんどん模型に充てられる時間は削られて、「模型自体のクオリティの担保が難しくなっていること」。

目的は模型を作ることではないのだからやむを得ないことではありますが、建築模型の進歩の土壌が育ちづらい環境がありました。建築学科でも模型の指導をきちんと授業のコマを使ってするところはおそらく少ないのです。

そこから建築模型をショーアップして広めたいと思いました。

「できることをできるだけ全部やる」
納得いく作品を世に送り出す。

私が制作をするものに対しては、作品を見る人が何かしらを当てはめたり、連想したりしやすいように、できるだけエゴイスティックにならないように、プレーンであったり、記号的なものになったりするようにしています。建築模型が他のいわゆるミニチュアと一線を画するのは、〈提案・実験〉である点。既にある何かを小さくしたものではなく、これから大きくなる予定のものです。

作っているものに対してストーリーを想定することはなく、どちらかというとその逆のような気がします。生きていて出会う「なにか」や「だれか」、もしくはエピソードなどが発想のきっかけになり、要素を抽出して模型に落とし込みます。例えば、モノやコトが持っている要素が、普段は一緒にならないようなもののそれと組み合わさったとき、どんな風に見えるか、人(自分を含め)はどういうことを考えるかな? どんなことを連想するかな? ということを考えています。

私の作品に対して「あたたかみを感じる」とよくいっていただくのですが、あたたかみを込めようと思ったことがないので毎度びっくりします(笑)。そう思ってくれる方はその方自身があたたかいんだろうと思います。

期せずとも、あたたかみの要因になっていると思われるのが木材を使っていることなのですが、使用しているのは建築模型に関わる人にはお馴染みの「バルサ」。カッターでもしゅんわり切れる世界一軽くてやわらかい木材です。個体差が大きいので、通販のものは絶対に使わず、店頭で木目や色を吟味しています(長時間、お店の通路で板を見比べているので不審がられていないといいなと思います)。

デザインにおいては、作り込んで再現度を上げた方がかえってダサくなるといったような「技術的にできることでも、デザイン的にやらない方がいい」ということが往々にしてあります。いわゆるミニチュアは油断するとすぐエゴイスティックになるので、そうならないように気をつけています。

そして、精度の担保のためには、〈できることをできるだけ全部やる〉を信条としています。作業する上では素材・道具・工程・構法など無限の分岐があるので、都度つどできるだけ分岐をみつけて、かつ正しい選択をしたいと思っています。「他の人はこんなこと気にならないかもしれない」と思いつつも、接合のズレや接着剤光り、プロポーションなど自分で気になってしまったものは販売には回さないようにしています。

建築模型ではない作品とのストーリーも

建築模型を多く制作していますが、実は、一番の思い入れがある作品は、建築模型ではない「ハンドスカルプチャー」です。

木の塊を触覚だけを基準に削り出していく、母校の伝統課題です。くれぐれも視覚的なまとまりをねらわないように、「こんな触り心地になるといい」だけを追って、触覚的なかたちのメリハリ・つながり・まとまりをつけていきます。

人生でいちばんすきな授業で、いちばんよくできた課題。いちばんすきな先生からもよい評価をいただきました。削り出しなので後には退けないマイナスのデザインで、運の要素も少なくありません。どうしても視覚に引っ張られてしまうところを、「触覚にのみ真摯に」をかなり忠実に守れた、やりきった感がありました。

これまでの人生で作った中でいちばんいいもの(優れた、美しい、貴重な、素敵なというようなのをいろいろと引っくるめたイメージ)だと思っています。

変わらない制作への思いと、変化した販売するための意識

建築模型に出会ったのが専門学校時代からの7年。当初から、精度に対して真摯であることは変わりません。もはや執着のようなものでもあるのですが、建築模型はその来歴からも、もともとプロダクトとしては比較的素朴なもので、素材も構法もあまり特殊ではないです。そのため、「成立」という意味ではそれほど難しいものではないので、高い精度を目指してこそ、新しい価値を持ち得ると思います。再現度より精度が鍵を握ります。

変化したこととしては、販売を意識してのデザインは増えたかもと思います。建築模型を広く届けるために、規模のちっちゃいものが増えました(お部屋に置いていただくに当たっての想定や、郵送、搬入出などの都合から)。制約ともとれますが、そのおかげでうまれたものもたくさんあります。

今後やりたいこととしては、個展の機会をずっと伺っていたら世情がこんな感じになってしまいました。あとは広告のようなお仕事にも興味があります。カタログ表紙や装画、もしかしたらMVなど、うちの建築模型が進出できたら嬉しいです。

 

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