叔母の影響ではじめ、幼い頃から高校卒業までつくっていたビーズの手芸作品。大学入学後は、忙しくなり制作をやめていましたが、大学では建築を学んでいたこともあり、卒業後は作図や模型製作で使っていたツールを生かしたものづくりにシフトしていきました。

現在は、もともと好きだった絵を描いたり、描いた絵に機能を与えるイメージでアクセサリーづくりをしています。作品は、透明感があるものに魅力を感じるので、レジンやアクリル板を使用することが多いです。

「シンプルにつくりたいもの」をつくっているので、あまりコンセプトらしいことを考えたことはありません。ただ、ふたつの意味で「瞬間」を捉えているのかもしれません。

ひとつめは四季の移ろいや、日常の中で時間の経過を感じた瞬間に抱く感情を元に絵を描くので「瞬間の美しさをかたちに」ということ。
もうひとつは、「偶然にインクが跳ねたり滲んだりといった瞬間」が好きで、そういったものを素材に描いていること。

街の風景、匂い、音から時間の経過を感じるときに言葉にならない感覚を覚える瞬間ってあると思うんです。そういった「言葉にならない」を形にするのが自分の仕事だと思っているので時間そのものと向き合う時間を大切にしています。

理想を追い続けられる自分でいられるように

私にとって作品づくりは、「生きること」そのものです。手を動かしている間はどこを切り取っても楽しい瞬間です。しかし、やはり完成した瞬間は一番ぐっときます。

アオイという作家名は熟れる前の果実が青いことからきています。 青二才ってやつです。「青い。」のかたちを世に出していこうという思いからつけました。

作品を販売するにあたってブランド名は必要だと思い、『Atelier Ao/アトリエ アオ』としました。とはいえ、ブランド名より誰がつくってるかのほうが重要だと考えているので、ブランド名に拘りはないです。あるとすれば「アトリエ」という響きが好きでつけました。

アクセサリーに限らず“ベテランのつくり手が理想を追い続ける”姿が好きなので、自分にとってもありたい状態です。これからいつまでつくり続けられるかはわかりませんが、生きている限り続けていければ。

たとえ100歳になっても「まだ一番いい作品はできてない」「まだまだ青い」。そんな向上心を持ち続けられるつくり手でいれるよう、頑張りたいと思います。今後もこれまで通り、常に新しい作品をつくり続けること。

シンプルですがこれが1番大切だと思います。

イベント情報

①《2月26日(日) 開催》「Little Link Living -11- ものづくり作家の小さな販売会」

エントリエで行われるイベント「Little Link Living -11- ものづくり作家の小さな販売会」ではアトリエ アオさんも出店されます。イベントに関するお知らせはこちらの詳細ページをご覧ください。

②2023年 初の個展を計画中。発表をお待ちください。