ひとの手で、丁寧に、ひとつずつつくられていくものたち。工場で大量に製造されたモノにはない独特のオーラやぬくもりが、私たちの暮らしに彩りや安らぎを与えてくれます。
エントリエでは、
こだわりをもった手仕事作家さんに注目。ものづくりや作品への想いをお訊きします。

《 背負って運べる屋台「ショッテショップ」 / デザインユニットZASSO 》

持ち運べる屋台で、「なにか」をはじめる第一歩をお手伝い

デザインユニットZASSOとして、カフェのインテリア、ガーデニング、レコード屋のインテリア、家具制作、背負って運べる屋台「ショッテショップ」などの「モノづくり」、そして地域マルシェ「あいそめ市」、出張コーヒースタンド「ZASSO COFFEE STAND」、墨田区シェアオフィス&レンタルスペース「向島拠点」といった「コトづくり」を手がけてきました。

背負って運べる屋台「ショッテショップ」が誕生したのは、ZASSOが中心メンバーとして活動している地域マルシェ「あいそめ市」がきっかけではじまりました。

「あいそめ市」とは、根津(東京都文京)の藍染町にある、一見どこにでもある道路で開かれるマルシェです。住民、周辺店舗、近くの大学の学生さんなど、興味のある方がそれぞれの立場で関わりつくっています。

初めは有志のメンバー5人が 屋台を出し、小さくはじまったマルシェ。ただ、回を重ねるにつれ、沿道店舗や町内の子ども達をはじめ、遠方では静岡や長野からも参加いただき、“まちのリビング”のようなマルシェに成長しつつあります。

いまでは、「小さくても良いから、何か商い(活動) をはじめてみたい!」そんな思いのある方々がこの地域に多く集まってきているなと感じています。

それからは、「街にたくさん屋台が並び、皆がやりたいことを『「商い』という形で表現し、それがまた誰かの楽しみとつながっていく」そんな日常の光景をつくろうと決めました。

ただし、ハードルとなったのが、道具である屋台。 既成品では、重かったり、手間だったり、大きすぎたり……。そこで私たちは、キャンプ用品を家にしまって置く感覚でちょっとした場所に収納でき、持ち運ぶのも楽で、工具も使わず一人で展開できる屋台、つまり収納性と機動性に優れた「屋台」をつくれば、このハードルを解決できると考えました。

これが、「ショッテショップ」のはじまりです。

女性一人でも背負って運べる重さに

ショッテショップは、「誰もが気軽にお店を開ける日常」をコンセプトに、「チャレンジする機会を生み出す」「あなたの趣味や特技を商品にできる」「様々な人の価値観や地域を繋ぐ」もの。

収納性と機動性に配慮し、リュックのような形状で女性でも運ぶことができる軽さ(8kg=1歳児程度)、ひとりでも道具なしで簡単に組み立てができる折り畳み式です。

デザインは、アウトドアグッズのサイズ感に加え、まちの風景に溶け込むよう、木と布で構成されたスタイリッシュフォルムに設えています。

「誰もが気軽にお店を開ける日常」を実現するために、ターゲットに見合う製品に仕立てていくことには苦労しました。

特に「折り畳み式」と「軽量化」。既成の屋台は折り畳み式のものがなく、何案も仕組みを考えては試作を重ねました。ファミレスで長時間頭を悩ませたり、深夜に渡って製作に没頭していたことが思い出深いです。

折り畳みの仕組みに加え、躯体(くたい)、接合部、天幕、収納袋、それぞれが機能しつつ、意匠性も両立し、背負って運べる重さを実現するまで、様々な素材を試しました。

あいそめ市を一緒に企画している女性の方をはじめ色々な人に背負ってもらい、多くの言葉をいただきながらなんとか「この重さなら、運べる!」ところまでたどり着くことができました。着想からこれまで、大きく分類して4モデルを製作し、本業の傍ら開発していたのもあり、制作期間は3 年半程になってしまいました(笑)。多くの方のアドバイスや意見のおかげで、「やっと」です。

きっかけは根津の「あいそめ市」ですが、他のまち・地域でも使っていいただけることを目標に、さらなる改良を続けています。

まちのご縁を大切に、地域を超えたモノづくりを

実際に使われた方からは、様々な反応をいただきました。

よくイベント等で使われている出店用テントとは違い、温かみと親しみある素材・フォルムと、統一したデザインが好評で、出展者から「地域の活動用にほしい」「うちのイベントでも並べたい」、地域の方からは「こんなイベントを続けて欲しい」などお声をいただいています。

「あいそめ市」に来店された方、Facebookなどで写真等投稿を見られた方からも、ショッテショップの購入やレンタルの相談もいただき、予想以上の反響となっています。

一方、地域のイベントの規模や出店品目によって、天板のサイズや防水仕様等が希望通りといかない場合もあり、利用される方のお声をいただきながら、少しでも理想に近づけていけるようアップデートをしていきたいと思います。

今後は、まずは多くの方にショッテショップが届けられるように、安定した生産に取り組みたいと思っていいます。現在は私達ふたりの手づくりですが、今後、まちの製作所さんと生産していきたいと考えています(ご興味ある製作所さん、お声がけください!)。

また、こういった制作に至ったのも、まちの人達との関わりがあったからだと感じています。根津はもちろん、私達が関わってきた地域の方々とローカルな活動の中で制作したいものを見つけたいと思っています。

それとは別に、コロナ禍によってネットでの関係づくりも今後重要になってくると考えています。

ZASSOのふたりも、この春から北海道と神奈川の郊外に別々の拠点を持ち活動していくことにしました。

都心、地方、郊外それぞれにアンテナを張り地域を超えたモノ・コトもつくっていきたいと思っています。

イベント出店・お知らせ

▷3月14日(日)・15日(月) 隅田公園フリーマーケット

▷東京都墨田区向島で、1日~数日飲食等のチャレンジショップをしたい方を、常時募集しております。

デザインユニット / ZASSO

【HP】https://zassodesign.mystrikingly.com/
【Facebook】https://www.facebook.com/zassodesign
【Instagram】@zasso.coffst
【あいそめ市】https://www.facebook.com/AISOMEMARKET.NEZU/
【シェアオフィス&レンタルスペース向島拠点】https://www.facebook.com/nagaya.kitchen

 

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