#127「ブローチ」
路面電車がすぐそばを通る店で
君がつけていたブローチを見つけた
陶器の鳥は哀しそうな顔をしていた
君はブローチをたくさん持っていて
いつもどれをつけようか
洗面所で迷っていた
その真剣な様子の君を
コーヒーを飲みながら
見るのが好きだった
月日はたって
ブローチ選びに時間がかかる君に
「早くしてくれよ」と思うようになり
何のブローチをつけていようと
関心がなくなったところで
君は猫をつれて家を出ていった
春になる前のことだった
mayamoon暮らしのエッセンス
「ブローチ」
冬は衣服が分厚いので、気兼ねなくブローチをつけることができます。
コートやセーターに。
カバンのワンポイントにも。
可愛いブローチを見つけると思わずにんまり。
持ち帰ってコレクションに加えます。