家庭菜園や手作りの食べもの、大好きなお茶、キッチンアイテム……豊かなライフスタイルがテーブル周りを彩るmayamoonさんのコラム。ありのままに生き、暮らす喜びのエッセンスをほんのりおすそ分け。

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#05 レイチェル

生まれてはじめてベーグルを食べたのは10代の頃
シアトルのフィッシュマーケットそばの寂れたダイナー
ピンクレモネードはありえない甘さで
付け合せのチップスは脂ぎっていたけど
サーモンとクリームチーズが挟まったベーグルは
もちもちムチムチで美味しくて
何故か母親を思い出してホームシックで涙した

フィッシュマーケットの前には
レイチェルという名の金色の豚の銅像があって
ピカピカの背中を撫でて自分を励ましていた

ここでないどこか遠くに行きたいと思ったけど
どこに行っても同じだということを
思い知らされたあの雨の街
剥がれたペディキュアの足で逃げても
孤独の影はどこまでも追いかけてきた

あれから何年も経って
自分の好きなものが溢れる台所でベーグルを焼く
ベーグルは発酵が終わったら一度茹でる
白い生地がお湯の中で少し膨んで
プカプカと浮く様は
なんとも愛おしい

今もどこからかやってきた
孤独に酔ってる少女のことを
レイチェルは慰めているかな

ベーグルの作り方

【材料】
強力粉 水 砂糖 塩   
白神こだま酵母 (35℃のぬるま湯につけて5分ほど置く)

上記材料をこねる(ホームベーカリーの場合はパン生地メニューで一次発酵まで)

  • 一次発酵
    生地を4等分してベンチタイム
    成形(フィリングを入れるならここで)
  • 二次発酵
    砂糖を入れた熱湯(グラグラしない程度の温度)で両面30秒ごと茹でる
    190度で10~15分焼く
■mayamoon
学生時代に国際文化を学び、バックパッカーとして東南アジアを旅する。商社で働きながら子育てしていた最中、東日本大震災を経験。食の安全、暮らしのあり方について勉強をはじめる。家庭菜園や保存食づくりなど、昔ながらの手仕事で感じることを大事に暮らす。2019年「日々の芽」を立ち上げる。日々の小さな喜びの芽を育てる暮らしを発信するコラム連載や手仕事のワークショップ開催予定。【Instagram】https://www.instagram.com/mayamoon0000/