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SABOTENS まちのミカタ#20 庚申塚編

sabotensのまちのミカタ

SABOTENS まちのミカタ

落ちもん写真収集家の藤田 泰実さん(よっちゃん)と路上園芸鑑賞家の村田 あやこさん(あやちゃん)によるユニット・SABOTENS。路上にはみ出す不思議なものを切り取り、写真やグッズ、メディア露出など、さまざまな手法で発信するふたりが、「知らないまち」を嗅覚だけで歩いてみた!

#20 庚申塚編

まちのミカタ、記念すべき20回目。エイミーズトークでもお話を伺った「降りない駅」の​​制作者である希戸塚 一示(きとづか・かずとき)さんと小坂 タイチ(こさか・たいち)さんをゲストにお迎えしました。「降りない駅」にちなんで「読めない駅」ということで、都電荒川線・庚申塚駅周辺をお散歩しました。

お散歩メンバー

SABOTENS 藤田 泰実・村田 あやこ
『月刊 降りない駅』 希戸塚 一示・小坂タイチ
entrie編集部 細野 由季恵(お散歩見守り役)

▷お散歩メンバーのプロフィールはこちら

今日の目的地は「読めない駅」

10月某日。降りない駅のお二人と待ち合わせたのは、都電荒川線の庚申塚駅。路面電車のこぢんまりとしたホームのすぐ脇にはお団子屋さんや居酒屋、お琴教室があり、ホームの向かいには大きな柿の木。のどかでレトロな雰囲気です。

いざ出発! 真っ赤な駅名看板の横で記念撮影

細野:今日のテーマは「読めない駅」ですが、「庚申塚」は読めましたか?

藤田:読めちゃった……(笑)。庚申塚駅、はじめて降りたけどすごく素敵ですね。実は家の近くにも庚申神社っていう、道開き​​の神様・猿田彦大神​​が祀られた神社があって。そこにいくといいことがあるといわれているから、今日もいいことがあるかも。

小坂:僕たちも今日、猿田彦の話をしながら来ていました。希戸塚さんが歴史の先生(※)やから。

※降りない駅・希戸塚さんは、本業が学校の先生。

本業が教師の希戸塚さん。目を引くジャンパーは、テレビ番組「吉本超合金(一部テレビ東京系列局)」で当選したレア物

希戸塚:キャラが渋滞してるんですけど、実は僕、神主でもあるんですよ。

村田:ご実家が神社なんですか?

希戸塚:そうなんです。日本の神社って、外国からやってきた文化が混ざっちゃうことがあるんですが、日本の猿田彦は、中国から伝来した道教に由来するものらしいです。

猿がモチーフになったアイコンを指さす小坂さん

小坂:庚申塚のモチーフは、猿が入っているものが結構多いんですよね。

藤田:あ、これは猿のマークだったんですね。

村田:このマーク、なんだろうと思ってました。

見どころ満載な路地探検

駅前にいるだけでさまざまな話題が飛び出し、あっという間に時間が過ぎてしまいます。これだけでも楽しいのですが、今日の目的はお散歩。ぼちぼち歩き始めることにしました。

スタート早々、それぞれ違うものに視線を送る4人

村田:降りない駅のお二人は、いつも取材のときはどんな感じなんですか?

小坂:まさに今日みたいな感じです。

希戸塚:「あ、●●だ」って、目に留まった方にすすむというか。

駅周辺の商店街には、飲食店やふとん店、おでん屋台など、雰囲気ある小さなお店が軒を連ねています。

布団屋さんのウィンドウに釘付けな4人

村田:わ、この布団屋さん、いいですね。ミッフィーの柄の布団がある。

藤田:お子さんへのお土産にいかがですか?

小坂:今日一日持ち歩くことになる(笑)。

商店街周辺には、閑静な住宅地と迷路みたいな路地。希戸塚さんが、ふと広いベランダがある建物に目を留めました。

風情ある建物

希戸塚:あのベランダがほしい。

細野:ベランダだけもらうんですね(笑)。

村田:SABOTENSも散歩でいい雰囲気のおうちに出会うと、「この家ほしい」っていっちゃいます。

窓辺にはディスプレイ

村田:建物の雰囲気もいいですね。……窓になにかいる。

小坂:アリス?

希戸塚:ああいう小窓、好きですね。

村田:外側から見えるようにディスプレイされているのがいいですね。

嗅覚の赴く方へと足を進めるお散歩。今日は降りない駅のお二人の視点も加わり、あちこちに目が留まってしまいます。

実りの季節

藤田:わ、ぶどうがたくさんなってる!

村田:本当だ! たわわに実っている。道行く人のぶどう食べ歩きスポットになっていたりして。

藤田:小学生だったら食べてしまうかも。

石碑のような車止め

小坂:この車止めはなんだろう。

藤田:誰が置いたんだろう。

小坂:デザインされた石と、ありものっぽい石がありますね。

村田:倒れているのも。

ピンクの風船が花咲く

村田:あ、風船だ! 誰かが風船で遊んだ跡。

藤田:風船がここで息絶えたんだね。

小坂:どこかで飛ばしたやつが落ちてきたんですかね。

村田:鮮やかできれいですね。

身だしなみチェックのスポット?

村田:鏡がある。

藤田:散歩の途中で、みんなこの鏡で身だしなみを整えるんじゃない。

小坂:鏡に引っ掛けられているのはシャンプーハット……? いや、自転車のサドルカバーか。

希戸塚:(アパート名を見ながら)「オティアス623」。なんだろう。

藤田:オティアス、いいですね。

村田:大家さんの名前にちなんでるんですかね。

希戸塚:「623」の意味がわからない。

村田:……むつみ?

希戸塚:おちあいむつみさんかも。

細野:おちあいむつみ……(笑)。

秘密の回廊のような細い路地を探検気分で歩いていきます。

刑事ドラマで犯人が壁伝いに逃げてそうな路地

藤田:楽しい〜! 通り抜けるだけで楽しいな。

村田:台湾の路地裏みたいな雰囲気だね。

シルバニアファミリーの仲間入り?

しばらく歩いていると、広々した児童公園にたどり着きました。

豊島区立西巣鴨二丁目公園(東京都豊島区西巣鴨2丁目27)

公園の一角にはネットが張られた木。案内板を見ると、どうやらニホンミツバチの巣作りを守っているようです。

ニホンミツバチの巣作りを守るスペース

小坂:あ、ミツバチだ!

希戸塚:蜂の巣だ!

小坂:ふわふわしてかわいい。

村田:みつばちハッチの色ですね。

4人で巣作りを見守り中

藤田:お尻ふりふりしてる!

村田:ふりふりしながらネットに入っていった!

藤田:柴犬みたいでかわいい。働いてる〜。

細野:ミツバチの専門家監修のもと、天敵であるスズメバチからミツバチを守るためのネットらしい。ちっちゃいね、ミツバチ。

藤田:守られてるんだ。頑張れ頑張れ!

小坂:こんなの、あまり見る機会ないですよね。

希戸塚:花粉を抱えすぎてネットに入れないやつがいる。

藤田:網目の大きさが、ミツバチしか入れないギリギリのサイズ。

村田:スズメバチが入れない、ちょうどいい密度のネットを選んだのかな。

絵本の家みたいなかわいいトイレ

小坂:公園のトイレもかわいいですね。

希戸塚:結構新しいですね。

村田:中もきれい! 

細野:このトイレの前で集合写真を撮りましょう。

はからずもサスペンス映画のポスター風

細野:シルバニアファミリーみたい……(笑)。

希戸塚:絶対買われない気がする。

小坂:「人形は付いていません」って書かないと。

庚申塚のたくましき植物たち

お散歩しながら「植物が多いまちですね」とおっしゃっていた希戸塚さん。確かにいたるところで鉢植えの植物や庭木が大切そうに育てられているだけでなく、スキマの植物ものびのび自由奔放。

ヤブガラシに絡まれまくった自転車

細野:うわ、見てこれ。自転車がすごいことになってる。

村田:わー、ヤブガラシに絡まれてる。

藤田:どのくらい放置されるんだろう。

希戸塚:植物でボリュームあるけど、剥がすと中身は意外に小さかったりして。

藤田:このまま運転したらどうなるんだろう……。

村田:「ブチブチブチ」ってヤブガラシがちぎれて散らばっていくのかな。

細野:やってみたい。

見事なハミ根っこ発見

村田:うわ、すごい根っこ……! 今日イチの根っこかもしれないぞ……!

藤田細野:すごい!

村田:プレッツェルみたい。

小坂:鉢を割って外に出てるんですね。

希戸塚:どうやって生きてるんだろう。

村田:地面の下に根が入り込んじゃってますね。

小坂:すごい生命力。

塀の隙間からはみだすビワ

小坂:この木もすごいですね。

村田:ビワですね。

藤田:植えたんじゃないっぽいね。

村田:何かの拍子に、塀の隙間に種が落ちて生えたのかも。

オシロイバナも隙間から元気よく繁茂

希戸塚:これってなんですか?

村田:オシロイバナです。種の中におしろいみたいな白い粉が入ってて。

種を砕くと粉末状の胚乳が入ってます

細野:たしかに、潰すと中に白いのが入ってる。

村田:小さい頃、つぶしてお化粧みたいに手につけて遊んだことがあるよ。

細野:植物すごいな。

ベランダ好きな希戸塚さん

書体や建物のデザインなど、どこかレトロで個性豊かな建物も物件も満載のこのエリア。建物目線でお散歩するのも楽しいまちです。

住みたい建物

村田:あの建物、素敵ですね。

藤田:昔の建物なのかな。

村田:建物の角が丸みを帯びていてかわいいですね。看板の書体もいいな。

登りたい階段

希戸塚:この建物もすごいですね、並行階段。

村田:ユニークなデザイン!

小坂:向こうにタワマンが見えるギャップがすごいです。

村田:いい建物がいっぱいあるまちですね。

希戸塚:実は上京した当初、このあたりに住もうとしたことがあったんです。

村田:なにか理由があったんですか?

希戸塚:実は僕、ベランダが好きで。ベランダがでかい家だけを探していたんです。

村田:そうなんですね! そうしたらこのあたりに行き着いた。

希戸塚:屋上につながる螺旋階段があって、屋上が全部使える家が見つかって。結局別のまちに住んだんですが、そこも8畳くらいのワンルームなのに3倍くらいの広さのベランダがある家でした。結婚したときも、ベランダが広い家を探していたら、今の家が見つかって。家を探すときの最優先の条件が、ベランダなんです。

村田:今日も、歩きながらベランダに目が留まっていらっしゃるなと思っていました。ベランダでの時間をどうやって楽しんでいるんですか?

希戸塚:でっかいビニールプールを置いて、暑いときは足水をして。あとは亀を買ったり、トロ箱で稲を育てたり、いろいろなことをしてきましたね。

藤田:最高ですね!

村田:満喫していますね。

希戸塚:冬はベランダにこたつを出して鍋したり。足はあったかいけど、背中は寒かったです(笑)。でもおもしろかったですね。

庚申塚の秘密の鍵?!

そろそろお腹が空いてきたので、お昼を食べられるお店を探しながら、駅へ戻ることにします。

土からみっしり生えた釘

藤田:うわ、見て、これなに!?

村田:怖い!

小坂:一気に釘を打てる銃みたいな機械がありますよね。それでやったのかな。

村田:最初、きのこがビッシリ生えてるのかと思いました……。サビてるからずっとこの状態なんでしょうか。

小坂:誰かがここに刺したのかな。

藤田:あ! 見て、秘密の鍵がある!

壁に擬態する鍵、見つけられますか

村田:カメレオンみたいに壁に溶け込んで見えなくなってる。

小坂:よく気が付きましたね。

秘密の鍵を見つけてしまったよっちゃん

村田:擬態してますよね。

細野:どこの鍵なんだろう。

村田:壁のどこかに秘密の鍵穴があるのかも。

細野:壁のどこかを押したら扉が開いたりして。

おどろおどろしいお手製防犯ステッカー

村田:向かいには「WACHING YOU」っていうステッカーが貼られてる。

藤田:怖い……!

細野:GLAYの曲で似たようなのが……「Missing you」だ。

村田:「Watching you」っていう曲だったら怖いね。

妄想しながら歩いていたら、スタート地点の庚申塚駅付近にたどり着きました。

猿田彦大神庚申堂(東京都豊島区巣鴨4丁目35)

藤田:あ、猿田彦をお祀りした神社がある!

細野:いってみましょう。

希戸塚:庚申塚という地名の由来になった神社ですね。

猿たちがまちを見守ります

小坂:猿がいますね。

村田:見ざる、言わざる、聞かざるの三猿も。

藤田:気持ちいい神社だな。猿の笑顔も素敵。

偶然が重なって結成した、降りない駅とSABOTENS 

ようやくたどり着いた定食屋さんでフライ定食をいただきながら、「降りない駅」のお二人の結成秘話を伺います。

お土産でいただいた『月刊降りない駅』6号には、なんとSABOTENSの名前も登場

細野:「降りない駅」のお二人は、地元が一緒だったりとシンクロ率が高いんですよね。(失敗を求めて旅に出る。『月刊降りない駅​』希戸塚 一示さん 小坂タイチさん | エイミーズトーク #57参照)

村田:散歩の嗅覚も近いとは、まさに運命の出会いですね。

細野:SABOTENSの二人も、けっこうシンクロしてるよね。

村田:よっちゃんとは共通の友人を介して知り合ったんですけど、偶然同い年で、お互い道に落ちてるものと生えてるものを孤独に撮り続けていて。話してみると似たような思い出があったり家族構成も似ていたりと、降りない駅のお二人のように、不思議なシンクロが重なってます。

藤田:中学生時代にダンス&ボーカルグループの「SPEED」が流行っていたんですが、SPEEDをもじって「スペード」っていうグループを結成して、無理やりつくった創作ダンスを後輩に見せていたんです。そしたらあやちゃんは「西のスペード」として、地元の福岡で全く同じことをやっていたことがわかって。

村田:私も「スペード」っていう名前で、中学2年のときに同じようにSPEEDのマネして創作ダンスをしていました(笑)。

リサイクルショップで童心に帰る

お腹も満たされたしそろそろお開きかな、と思ったところ、定食屋さんのすぐ近くにリサイクルショップを発見。リサイクルショップ好きなSABOTENSは、吸い寄せられるように店内へ入っていきます。

「リサイクルショップとも」さん。雨の日以外、不定期でオープンしているそうです
駄菓子におもちゃに雑貨。大人心もくすぐってしまうラインナップ

藤田:駄菓子があるよ。

村田:木彫りの熊もあるね。

藤田:こういうところから掘り出し物を見つけるのが楽しいな。

希戸塚:玉子豆腐器を見つけました。買おうかな。

藤田:いいですね! 

希戸塚:奥さんに怒られる可能性があるな……。「もの増やさんといて」って。「小坂さんが買ってっていったから」って言い訳しよう。

真剣に悩む希戸塚さんとSABOTENS。今日一テンションがあがっています

それぞれ買い物を済ませて外に出ると、見守り役の細野さんと小坂さんが、ニヤニヤしながら待ち受けていました。外から見ると、学校帰りに駄菓子屋に寄る小学生みたいだったそうです。

ブラインドで引いた「なめ猫」のカードが、夜のお店の名刺みたいだった希戸塚さん。奥さまに怒られないか、心配でした

村田:いつもこの企画では、お散歩したまちに住むなら一軒家かマンションなど、どんなおうちに住みたいか聞いてるんですが、お二人はいかがですか?

小坂:リノベーションして使ってみたい建物が多かったですね。

希戸塚:大きめの古いところを借りて、改装して住みたいですね。ベランダから屋上に行けるおもしろいデザインにしたりして。

村田:ベランダ好きな希戸塚さん、今日はベランダや屋上によく目が留まっていらっしゃいましたね。

希戸塚:屋上って、ずっと見てしまいます。前に飛行機で新島にいったときも、家族は放ったらかしでずっと窓から外を見て「うわー」っていってました。

細野:(笑)。お子さんと一緒にいるところも見てみたいです。

村田:楽しいでしょうね、こんなに目がキラキラしたお父さん。

細野:今日はありがとうございました!

藤田:またぜひご一緒させてください!

村田:ぜひ、違うまちで。

結果、一番盛り上がったリサイクルショップにて記念撮影

本日の一コマ漫画

イラスト/藤田 泰実(落ちもん写真収集家)

心に残る庚申塚の風景

村田のミカタ :「中にミッキーが隠れてる?」
藤田のミカタ :「ひみつの休憩スポット」

著者プロフィール

SABOTENS(さぼてんず)

2016年結成。「落ちもん写真収集家」の藤田 泰実(よっちゃん)と、「路上園芸学会」の村田 あやこ(あやちゃん)による路上観察ユニット。室外機やアロエ、選挙ポスターなど、組み合わせると路上あるあるな風景が作れる「家ンゲイはんこ」をはじめ、路上をテーマにしたグッズ制作や国内外での作品展を行う。

PROFILE

WEB SITE

小坂 タイチ(写真左)

「月刊降りない駅」イラスト / デザイン担当。1977年 大阪府生まれ。デザイナー/イラストレーター。主な仕事は、雑誌・書籍、教科書、広告などのイラストレーションの制作とグラフィックデザイン全般。

PROFILE

Twitter

希戸塚 一示(写真右)

「月刊降りない駅」文章担当。1977年 大阪府生まれ。『死神K ~あなたの夢を終わらせにきました~(めちゃコミックオリジナル)』『さくらのはなみち(ジャンル不問コミックサイト めづ)』原作。小説家。

お知らせ  お散歩動画公開中!

SABOTENSちゃんねる」では、過去の「まちのミカタ」の取材中に撮影した動画を少しずつアップしています。ぜひお暇な時にでもご覧ください!

●取材/SABOTENS
●執筆/村田 あやこ
●編集・お散歩見守り役/細野 由季恵

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