SABOTENSのお散歩、今回はちょこっと遠征。神奈川県南西部の港町・真鶴にやってきました。巨大なサボテンに、八百万の生き物たち。家と家の間を縫うように通る路地「背戸道」。探検気分で、真鶴を歩きました。
駅前で手作りの「鶴」がお出迎え
爽やかな秋晴れで青空の広がる中、真鶴駅前からお散歩スタートです。
村田:今日は真鶴町に来ています!駅舎がかわいらしい。
藤田:晴れたねえ。気持ちいいお天気!
村田:見て、駅前の植木に鶴の折り紙がたくさんついてる。
藤田:かわいい!駅長さんが作ったのかな。
村田:もしや、真鶴の「鶴」にちなんでる……?
細野:これも路上園芸?
村田:オフィシャルっぽく見えるけど、折り紙で装飾されてたり、支柱が刺さってたり、誰かの手で作られていることがわかるようで、グッと来るね。
藤田:見て見て、これ良くない?
村田:ひび割れに苔が生えてる!傷跡をかさぶたが埋めてるみたいだね。
藤田:こういう「モーリー」っていうおもちゃ、流行らなかった?
村田:……(ピンときていない)。ひび割れの周りに模様ができていて。苔が泳いでいって波紋が広がっているようにも見える。
藤田:確かに!すっごいかわいい。手触りも生き物みたい。
村田:ほんとうだ、生き物っぽい。
藤田:「モーリー」と名付けよう。
村田:君は「モーリー」だ(まだピンと来ていない)。
後日よっちゃんに確認したところ、正しくは「モーリー」ではなく増田屋コーポレーションさんから発売されている「モーラー」でした。
巨大サボテンに再会!
実は真鶴には思い出があるSABOTENS。今日は、行きたい場所があるのでした。
村田:6、7年前に、よっちゃんと一緒に、真鶴で大きいサボテンを見たことがあったよね。
細野:「サボテンお遍路」だ!
村田:立派なサボテンだったよねえ。今日はあのサボテンを見に行きたいというのも、目的の一つ。
藤田:サボテン、まだ残っていてほしいね。
村田:わ、この駐車場、壁から植物が生えまくっている。勢いあるな。
藤田:植物が壁から垂直に生えてるね。どっちが地面なのかわからなくなる、不思議な感じ。
村田:写真を90度回転したら、地面から生えてるように見えるかも。
藤田:あ、壁に寝そべってみようよ。
細野:やってみよう。
村田:寝そべってるふうに見えるかな??
村田:思い出してきたぞ、このあたりの風景。たしかサボテン、この近くだったような……。
藤田:あ、あれだ!
村田:わー、あのときのサボテン!
村田:いやー、相変わらず立派だ!前見たときよりさらに大きくなってる気がする。育ったなあ。
藤田:青空に映えるね。
村田:かっこいい!
偶然、おうちの方が外に出てこられました。
村田:こんにちは!サボテンの写真を撮らせていただいてもいいですか?
おうちの方:どうぞどうぞ。
村田:このサボテンは、何年くらいここにいるんでしょうか?
おうちの方:おそらく50〜60年は経っていると思います。大元のサボテンは別の場所にあったんですが、建物を壊すときに切っちゃって。かわいそうだからと1本だけ取っておいた小さな株を、電柱の横にポンと植えたら、ここまで育っちゃいました。
村田:そうだったんですね!こんなに大きくなって。
藤田:以前真鶴で、このサボテンを見たんです。
村田:「あのサボテンどうなってるかな」って、見に来てしまいました。その時よりもさらに背が高くなっていて、びっくりしました。
おうちの方:ご近所のお店に行く方も、このサボテンを目印にしているみたいです(笑)
村田:「あのサボテンの近くのお店」って。
おうちの方:毎年2回、白い花が咲きます。ちょっと前にも咲きましたよ。夜に咲くんです。
村田:そうなんですね!花が咲く頃にまた見にきたいです。
全員:ありがとうございました!
村田:いやあ、再会できてよかった!真鶴のヌシのような存在感。
藤田:元気出るね、サボテンって。
村田:異国を感じるね。このサイズになると、もはや別の生き物だ。
藤田:怪獣に見えてくる。
細野:千手観音みたいだね。このサボテンに名前をつけるとしたら?
村田:「一つ目千手観音サボテン」だ。
犬に猫、鶴、亀、蛇。八百万の生き物たち
念願だった巨大サボテンに再会でき、すっかり元気をもらえたSABOTENS。ここからはいつも通り、嗅覚に従って真鶴のまちを思いつくままに歩いていきます。早速、通り沿いに気になる一角が……
藤田:かわいい!
村田:この中で世界観が生まれてるね。覗き込んだ人にしか見えない、箱庭だ。
細野:犬に、きのこに。
村田:ビー玉もところどころ埋まっていて、キラキラしてる。犬は犬でもいろんな種類がいるね。
藤田:路上で見かける犬の置物って、なぜかチワワとブルドックが多いよね。
村田:確かに。そんな気がする。犬の置物界で二大巨頭の犬種。
しばらく歩いていたら、ワンワンと吠える本物の犬の鳴き声が。
犬:ワンワンワンワン!
藤田:「怪しいやつがやってきた」と思ったのかな。
村田:番犬としての役割をしっかり果たしている。
藤田:素晴らしいね。
吠える犬の鳴き声を背に進んでいくと、気になる建物を発見。
村田:見て、こっちは「Cat Club」だって。
藤田:いいね(笑)
村田:犬の先に、猫。
藤田:あ、マンホールに鶴がいる。
村田:本当だ!これも真鶴の「鶴」かな。もしかしたら、いろいろなところに「かくれ鶴」が潜んでいるのかも。
藤田:あのツタ、かわいいね。
村田:あ、形が鶴っぽくない?!
藤田:本当だ!鶴だ!
村田:真鶴の「かくれ鶴」だ。
「かくれ鶴」たちを後にし、しばらく住宅街を歩くと、おうちの前の水槽で飼われる「亀」にも出会えました。鶴に亀。なんだかめでたい。
細野:亀だ。
藤田:大きい!私達の話を聞いてるのかも。
村田:こっち見てるね。
藤田:何歳なんだろう。亀って長生きしそうだよね。意外と同い年だったりして。
しばらく歩いていたら、なんと蛇にも遭遇。
村田:今度は蛇だ!
藤田:なんか食べてる。トカゲ?
村田:とったとった。トカゲの尻尾が、蛇に飲み込まれながらプルプル震えてる。かわいそうだけど食物連鎖だ。そういえば前に茅ヶ崎でも、ヘビを見かけたね。
藤田:あやちゃんが、蛇が車に轢かれないように助けてあげたよね。
藤田:実は今日、来る途中に蛇みたいな形をした雲を見かけて、「前に蛇を助けたよな」って思い出したの。今日は、蛇に会う気がしてた。
村田:すごい!予感があたった。蛇って、出会うといいことがありそうな気がするよね。みんな、これからいいことがあるでしょう。
迷路のような小道を進んでいくと、海!
「背戸道」と呼ばれる路地が、建物と建物の間を縫うように通る真鶴。「この道を抜けるとどこにたどり着くんだろう?」と、歩いていると探検気分になってきます。
村田:こういう小道を歩いていくのが楽しいね。
細野:海が見える場所までたどり着けるかな。
藤田:たどり着きたい!
村田:あ、路地の一角に井戸がある。
藤田:手を洗わせていただこうかな。冷たくて気持ちいい!
藤田:あ、落ちもんだ。真鶴の第一落ちもん。
村田:長い歯ブラシだ。
藤田:一列一気に磨けるくらいの長さだね。
村田:誰かがこの路地で、歯を磨いた……?
藤田:ご近所のおじいちゃんとかが散歩しながら歯を磨いてたら、歯ブラシが落っこちちゃったりして。
村田:「落ちちゃった。もう磨かなくていいや」って。
村田:壁の隙間から、ヒメツルソバとペラペラヨメナがわしゃわしゃ生えてる。
細野:かわいい!
村田:そういえば地元の方が、最近真鶴でヒメツルソバとペラペラヨメナが勢力争いしてるって言ってたね。ご近所で密かに話題になってるんだって。
藤田:そんな話題で盛り上がるって、素敵だねえ。
村田:「最近、ペラペラヨメナが増えてるのよ…」って小声でコソコソ話してるのかな。
藤田:「ほら、ここもよ!」って(笑)
藤田:見て、この岩に目みたいなのがついてる。
村田:本当だ!
藤田:妖怪だ。
細野:岩のふりした妖怪。草をむしゃむしゃ食べてる。
村田:ローマの休日に出てくる「真実の口」みたいに、手を入れると何かが起こったりして……
背戸道を進んでいくと、海が見えてきました。晴れ渡る空と、真っ青な海。気持ちの良い景色が向こうまで広がっています。
村田:わー、海だ!
細野:きたきたー!
藤田:うわー、きれいだね。
村田:見て、見晴らしがいい場所にベンチが置いてある。いいねえ。
藤田:最高。座っていいのかな。
村田:座らせていただこうか。
藤田:わー、気持ちいい。なんていいんでしょう。
村田:晴れてよかったねえ。
藤田:きれいだねえ。
村田:高い建物がなくて、海を見渡せるね。空が広い。
藤田:ずっと座っていられるベンチだね。哀しいときにここに来たいな。
村田:風で葉っぱがこすれる音に、鳥の鳴き声。静かだねえ。なんの鳥だろう。
藤田:鳥が好きな人はわかるんだろうね。鳥って大変だよな。空を飛ぶんだから。
細野:優しい。
藤田:風がすごいと、「全然進まない」ってこともあるんだろうね。
ベンチのすぐそばには、海を一望できる草っぱらも。思わず「鶴」のポーズを決めるSABOTENS。
細野:見どころ満載だね。
村田:真鶴は「いつか住みたい街」の上位だな。もう、この草っぱらに住みたいくらいだ。ゴザを敷いて、テント張って。
藤田:怖いよ。「誰かいるぞ」って(笑)。