今回お話を伺ったのは、エントリエの建築士でありこのWEBマガジンの編集長であるエイミーこと鈴木 栄弥(すずき えみ)。エントリエの立ち上げは、このWEBマガジンの立ち上げでもあります。2018年のエイミーズトーク番外編では、エントリエとは? なんでWEBマガジンをやっているの? という内容をお伝えしました。
5年経った今、当時からどのような変化があったか、そしてエントリエとして、エイミーとして、現在の思いを改めてみなさまにお伝えいたします。
──前回のエイミーズトークから5年経ちましたね。改めて自己紹介をお願いします。
エイミー:ブランド立ち上げからエントリエの営業・設計・WEBマガジンの編集長をしている鈴木 栄弥です。スタッフやお客さまからは、エイミーと呼ばれています。
──2018年のブランド立ち上げから、お客さまからのご相談だけでなく、店舗やスタッフも増えましたね。当時から変わらない想いはありますか?
エイミー:リノベーションは“飾らない自分で楽しく住まうための手段のひとつ”という考えは、ずっと変わりません。すべての人にとってリノベーションが必要なわけではないので「リノベーション以外にも、暮らしを楽しむ方法がある」とウェブマガジンで発信し続けています。と同時に、リノベーションを知らない人、興味が無かった人にも、このウェブマガジンをきっかけに、リノベーションという選択肢があること、リノベーションの魅力を知ってほしい、と発信をしています。
もうひとつは、“お客さまひとりひとりにとって、何が大切なのか”ということ。そこをいつもお客さまと一緒に見つけて形にしているし、今後もそうしていこうと考えています。
──エイミーさんは一貫した姿勢を持ち続けていますよね。変化した部分はありますか?
エイミー:お客さまと“一緒に”つくっていくという気持ちは、以前より強くなったかなと。
わたしが良いと思うことをおすすめしたり、そのまま形にしたりするのは簡単です。でも、それだと一方通行になってしまいますし、その人にとってはそれがベストではないかもしれません。考えるための選択肢やアイデアはもちろん提供しますので、お客さま自身にも考えてもらい、一緒につくってもらえたら嬉しいんです。これまでの経験からも、その方がリノベーション後の家に対してもより納得感や満足感があり、愛着が持てるということはお伝えできます。
──たくさんのお客さまと出会ってきたことだと思います。打ち合わせで大切にしていることを教えてください。
エイミー:ご自身で考えたり決めたりしたいことは、みなさんそれぞれに持っています。ただ「Aは大事だけど、Bはどちらでもいい」というように、そのポイントは人によって違っていて。そして、その人がどんな性格でどんな価値観を持っているのか、何を優先して考えているのか。家族が優先の方もいれば、自分の時間を大切にしたいという方、機能性が最優先の方もいれば、意匠性にこだわりたいという方、人それぞれです。
目の前にいるお客さまに合わせた関わり方をするためにも、お客さまが話している内容以上に、言葉のチョイスや話している時の表情、トーンやしぐさ、いろんな要素から感じ取り、伝えていただいた言葉の背景を理解するように心がけています。
──ご家族が多い場合、どのように対応されていますか?
エイミー:「(希望が通らなかったときに)別にいいよ」とは仰っているものの、本当はそうじゃないんだろうな、というのも聞いているとわかりますよね(笑)。それは、もしかしたらご家族に気を使っているだけなのかなとか。
やっぱりどうしても家族みんなの意見が一致しない場合もありますが、できるだけ全員が納得して進められる案を常に考えています。
メッセージを伝えるエントリエが、自分らしくあるように
──ウェブマガジンを長年続けてこられた今、どのような思いがありますか?
エイミー:率直にここまで続けることができて、嬉しいです。実は「もっとわかりやすく、リノベーションのことだけを発信する」という方向になりそうになったこともあったんです(笑)。それでも間違っていないと信じて、ブレずにやってこれてよかったなと思っています。
──住んでる場所も活動も多種多様な方と出会ってきましたね。
エイミー:そうですね。エイミーズトークや愛しいものたちといったインタビュー関連の記事では、さまざまな人にお話を伺ってきました。そこから、協力してくれる人とのつながりも増えて。
そうやって出会った人たちが活躍しているのも、すごく嬉しいんです。もともと、恵比寿の拠点entrie times ebisu(エントリエ タイムス エビス)では「繋がり、育み合うスペース」というコンセプトですが、もうそれ以上にみんな活躍してるという(笑)。
──先日エントリエで10周年イベントを開催したoto otoさんも、そのひとりですね。長くお互いを応援しあえる関係というか。
エイミー:そうですね。他にも、もともとエントリエでリノベーションをしたmayamoonさんやりえさんのように、執筆し続けてくださっている方もいますし、読者となり発信を見たり、イベントにきてくれるようになる方も。それぞれの形で応援し続けてくれている方が増え広がりを実感します。
他にもエントリエで開催された作家さんのイベントに来場してくださった方が、今度はリノベーションのお客さまになることもありました。そういう繋がりの連鎖に対して、感慨深いものがありますよね。
──今後エントリエとしては、どのような展開を考えていらっしゃいますか?
エイミー:今すでに取り組んでいることを大切にしながら、わたしたちらしいリノベーションを提供する数を増やし、広めていきたいです。それを一緒に広めていけるようなスタッフにもきていただきたくて、今は採用にも力を入れています。
あとは、エントリエカフェといったイベントなどを通して、リノベーションが終わったお客さまとの関係をもっと繋げていきたいなと。
──鈴木 栄弥、個人としてはどうでしょう?
エイミー:一番は自分自身が自分らしく働くことを続けていきたいなと思います。わたしたちが「自分らしい住まい」とお伝えしているのだから、提供する側が自分らしくないと説得力がないですよね(笑)。
現在もすでに、みんなが自分らしく働けるような環境を、(ジェネラルマネージャーの)北島さんがつくってくれています。会社がわたしたちの意見を尊重して働きやすくしてくれていることは、とってもありがたいです。
──自身も率先してウェブマガジンの責任を担い、エントリエというカルチャーをつくりあげている印象です。
エイミー:わたしのアイデアや設計といった住まいに関わる仕事や、ウェブマガジンや店舗での出会いを通じて、相手の人生に楽しさをちょっとプラスできた瞬間が、わたしにとっての喜びなんです。
リノベーションを通して出会うお客さまとは家族でもない、友達でもない、不思議な関係です。せっかくならわたしとの出会いが、楽しさにつながるものであってもらいたい。そういう関係性を増やしていきたいなと思っています。
ウェブマガジンを読んだ方にリノベーションをする相棒として指名していただくことも増えました。これからも、頑張っていきます。
前回の至福のひとときは「月1のネイル」だったエイミー。コロナ禍以降は、ミニマルな生活になりネイルはしなくなったのだそう。今は「ごろごろしながらドラマやアニメを一気見するとき」が至福のひとときということでした!
鈴木 栄弥 / Suzuki Emi
2級建築士、カラーコーディネーター、福祉住環境コーディネーター、ファイナンシャルプランナー
静岡県富士市出身、1990.7.27生まれ。
日本女子大学 家政学部 住居学科 卒業。…
小学生の頃から間取りやミニチュアが好きで、建築模型がつくりたい! と、建築士になることが夢に。
ビルや建物ではなく、人が住む家のことを中心に学びたいと思い、住居学科で学び、
「人が楽しく暮らす住まいをつくりたい」という思いで就職しました。
現在は、エントリエで設計営業 兼 マガジン編集長として所属。お気軽に「エイミー」と呼んでください!
わたしの手掛けるお家は、どれも決まったテイストはありません。
住まい手の体温を感じられるテイストに仕上げることが得意です!
●全国ジェルコデザインリフォームコンテスト
2023年 リビングダイニング部門 全国最優秀賞 受賞
2020年 一般社団法人住宅リフォーム推進協議会会⾧賞 受賞
2020年 個室部門 全国優秀賞 受賞
2019年 リビングダイニング部門 全国優秀賞 受賞
●ジェルコ関東甲信越支部リフォームコンテスト
2022年 デザイン部門 キッチン賞 受賞
2021年 デザイン部門 優秀賞 受賞
2020年 デザイン部門 優秀賞 受賞
●RoomClip全国理想の住まいコンテスト
2022年 1000万円以上部門 全国最優秀賞 受賞
2021年 500万円以下部門 特別賞 受賞
2020年 500万円以下部門 全国優秀賞 受賞