たじぃーこと、北島一広を一言で表すと、“過ぎ”が付くほどのこだわり人間。とにかく自分が興味あることへののめり込み具合が半端ありません。そのこだわりぶりは、仕事でもいかんなく発揮され、ときにはお客様から「北島さん、そんなところ、誰も見ていないですよ」と飽きられるほど。ブログでは北島ならではの目線を通して、素材、建具、家具など建築のディテールにまつわる話を事例を交えて紹介していきます。

 

#12「視線をどこに、どう集めるか

今日は、ガラスの扉のお話です。

ガラスの扉って、高いんですよね……

こちらのおうちはリビングもタイル張りの真っ白なおうちですが、玄関ホールからリビングに入る扉を全面ガラスにしています。

これは「テンパーガラス」といって強化ガラスみたいなものです。
割れると、砕け散るような形になり、鋭利な部分が残らないので危険性が少ないガラスです。

入口ドアのガラス扉はこうした素材を使いますが、オーダーでつくるとすごく高くて30万ほどかかります。
なので、既製品を使いたい…… と探したところ、見つけました!

高級ホテルなどで、洗面所とお風呂場がガラスで仕切られていたりしますよね。そのガラス扉の規格品があったんです。

ただ扉の幅が細く、高さも決まっていて、お客さまの部屋に合わせられませんでした。
そこで本来は「ドアをガラスにしたい」という要望だったんですが、そこだけじゃなく、全部ガラスにすることを提案しました。

既製品のガラスだとお部屋の天井まで届きません。
なので、届かないところは別のガラスを入れました。

全面をガラスにすることで、ドア自体よりも全面ガラスであることや、間にあるアイアンの要素が強くなり、既製品である幅の少し狭いドアが付いていることを感じなくなります。

通常、ガラスドアはすごく目立ちますが、そこを強調せずに内側、壁面全体で一つの意匠にすると、ドア本体の存在感は感じなくなってきます。

規格品を使うときには、サイズがぴったりじゃないことがたくさんあります。
そのサイズ感をぼかすために、別のところまで同じ要素を使うとか、足りないところを付け足してあげる。
すると、ほかの要素が強くなるので、本来「気になるところ」が気にならなくなるんです。

ガラスにすることで見通しが良くなり、奥に見えているものがポイントになってくるので、リビングの雰囲気をそのまま楽しめます。

反対にリビングから見たときも、階段のアイアンの手すりなどが目に入ってきて、楽しめますよね。

視線をどこにどう集めるか?
規格品を使うことで生まれるデメリットを、どう吸収するのか?
目立たなくするのか? 伸ばしちゃうのか?

そのために全体の意匠で、整えていくというアイデアです。

この扉もテンパーガラスでつくると30万円ほどかかりますが、これなら7万円ほどです。

規格品をうまく組み合わせることで、コストのバランスが取れているんですね。

 

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・北島  一宏 /kazuhiro kitajima/ たじぃー
設計営業

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インテリアコーディネーター・インテリアプランナー・2級建築士

ジェルコデザインリフォームコンテストマンション部門 全国最優秀賞受賞

好きな本:指輪物語
好きな映画:スターウォーズ 新たなる希望EP4
好きな場所:パークハイアット東京の41Fのエレベーター出たところ
趣味:トライアスロン、トレイルランニング、ロードバイク、ウルトラマラソン。大会前日にレースのことをイメージしながらツールやウエアを選んでいる時間が好きです。

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