「本当のわたし」として一歩を踏み出す力が高まり、後半には、その情熱を日々の暮らしへとなじませていく8月。月末には、心にたまった疲れや思い込みを手放すような星の流れも訪れます。そんな季節にイルマーヤさんが見つけたのは、紙の上に広がる自由な世界。万年筆を走らせながら、自分だけの「夏休み」のありかを探します。
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今年の夏も厳しい暑さです。とにかく涼しいところを探し、水分補給のことばかり考えて過ごす日々。立秋である8月7日に「陽」のエネルギーが最大になり、23日に太陽は獅子座から乙女座へと動きます。獅子座は「レジャー」や「フェス」のような、エネルギッシュで華やかさをあらわす星座。それに対して乙女座は、ぐっと落ち着いた雰囲気の星座。例えるなら、「フェスの後片付けと反省会」「残った夏休みの宿題を計画的に進める」ようなイメージ。夏休みの過ごし方とリンクする感じもおもしろいですね。

わたしの夏休みはどこにある?
わたしは家族と一緒の時間を優先するため、なかなか自分の時間といえるような夏休みにはならないことも。「ちょっと時間ができたぞ!」なんていうときにも、何をしていいのかわからず、結局気になっていたところの掃除をしていたら、みんな帰ってきちゃった……みたいなことも。
わたしはやりたいことがたくさんあって、何から手をつけて良いのかわからなくなってしまうことがよくあります。読みたい本は積み上がっていくし、作ってみたいものもたくさんあるし、観たい映画やドラマも数えきれません。それから『ほんとうのことを書く練習(土門蘭著)』という本を読んで以来、誰にも見せないノートを書き始めたので、書く時間もほしい。

万年筆とクロッキー帳
書く時間がぐんと楽しくなったのは、万年筆を使い始めてから。手軽に使えるカートリッジ式で、書き心地も抜群なものに出会ったのです。それから、紙も決まりました。可愛いノートが好きなので買い集めていましたが、ちゃんと綺麗に書かなくちゃと思うとなかなか筆が進まないので、クロッキー帳を使うことに。紙の色は、クリーム色。真っ白よりも目に優しくて、なによりも書いた文字やイラストの雰囲気が良いのです。万年筆で思い浮かんだ言葉や絵をサラサラと紙に乗せていく感覚が気持ちがよくて、マインドフルネスの時間のよう。タイピングされた文字ではなく、自分の書いた文字や線を眺めていると「まぎれもなく自分の中から生まれたもの」という愛着を持つことができます。
土門蘭さんの著書の中で「知らないことを知るために書く」とあります。わたしもその感覚がなんとなくわかります。本を読むこと、何か書くこと、何か作ることは「知らないことを知るため」なんだと思います。書いているうちに、あるいは作っているうちに、自分でも気づいていない気持ちを知ることができます。

紙の上はどこまでも自由な世界
「なんでこんなに紙が好きなんだろう」と思いながら万年筆を動かしていたら、クロッキー帳の上に「紙の上は自由」という言葉が。そうか、わたしは自由な世界が好きなんだ。
もうひとつ思い出したのは、『アンネの日記』の中にでてくる「紙は人間より辛抱強い」という言葉。たしかに、紙はどんな話も聞いてくれる。なにも言わずに。
自由な紙の世界にはジャッジする人はいません。「すごいね」「かわいいね」「きれいな字」そんな言葉を期待しないで筆を走らせる。意地悪な考えも、ありえない空想も、だらしないグチも、平和のメッセージも、少女みたいな夢物語も。もしかしたら心の中の誰かが「そんなこと書いていいの?」なんて覗いてくるかもしれませんが、その存在に気づいたら「ちょっと黙って見ててね」と横にいてもらいます。かわいい自分も、がっかりするような自分も、まるごと「これがわたし!」と思えたとき、あたたかい気持ちで満たされます。本当の自分の思いに気づけるのは、すごく豊かな時間だと思います。

占星術的にみても、この時期は特に直感をかたちにしやすいときなんです。思い浮かんだことをサッと書き留めたり、何も考えずにぐるぐると線を書いているうちにアイディアが生まれるかもしれません。いつ始めてもいいし、やめてもいい。再開して、またやめてもいい。どこまでも自由。
もしかしたら、わたしの夏休みは紙の上にあるのかも。こうして書いているうちに、また少し、「知らないことを知る」に近づいている感じ。自分の時間とは「ただのわたし」になる時間。今日もサラサラと心地よい時間を過ごしたいと思います。そして、何から手をつけようか計画を立てていこうと思います。

