小さな動物は、日常の中にある楽しみを再発見させてくれる助っ人

itosino(いとしの)というブランド名で、動物たちをモチーフにした小さな刺繍雑貨を制作しています。

作品づくりをはじめたのは7年前。たまたま訪れた『デザインフェスタ』というアートイベントで「ものづくり」を仕事にしている方々に出会い、衝撃をうけました。当時、会社で働くということに悩み退職をしたばかりで、次の仕事を探すことにも悩んでいたところで知った「ものづくり」の世界。

もともとイラストを描くのが好きで、「好きなことで仕事をしてみたい!」と思いたち、イラストの色を塗る手段としてたどりついたのが「刺繍」でした。

それからは「動物が好きで、彼らをいきいきと描きたい!」という思いを抱きながら刺繍をつづけています。制作に対しての気持ちは今も変わりませんが、変わっていったのは作品のサイズ。小さい=かわいい、というイメージが自分の中にあり、どんどん小さく……を追求した結果、いまでは最初の作品の3分の1くらいのサイズにまでなりました。

どんな日常の中にも、楽しさはあふれています。でも大人になるにつれ、いそがしさで目がむかなくなりがち。私はitosinoの動物たちを「手に取ってくださった方の日常にある、ささやかな楽しさや大切なものを見つけるお手伝いをしてくれるものであれ」という気持ちで送り出しています。

物語を編み、描いていく源は大好きな映画の存在

作品は動物たちにいきいきとした表情が生まれるように、小さいけれど丁寧に、動きのあるデザインもこころがけています。手刺繍の作品はすべて1点ものです。手にした方にとってほかに代わりのない、特別な存在になるよう、1点ずつ愛情をこめて制作しています。

▷「まんまるきつね」

一番思い入れがあるのが「まんまるきつね」という作品です。活動をはじめて2ヶ月目くらいに決めた「動物」と「森」のモチーフがブランドのテーマ。森の動物をイメージして最初に生まれたのがこの子でした。それから7年間大切に縫い続けている、itosinoのアイコンのような作品です。

こういった作品たちが影響を受けているのは、小さい頃から大好きで観ていたディズニーやジブリの世界。作品を描くこと、物語の世界をつくりあげること。いまのitosinoの作品には、そんな映画から小さい頃に受け取ったものがたくさんつまっていて、その思い出のなかから作品のヒントを得ています(ちなみに動物が大好きなのもディズニーの影響です)。

毎日を楽しくしてくれる相棒たちと、刺繍を伝えていきたい!

私にとってワクワクする瞬間は、刺繍を縫っているときも楽しいのですが、一番は新作のデザインを考えているときです。“作品を見た方にどんなところをかわいいと思ってもらえるか?”動物たちのポーズや表情を想像しながら、下絵におこしていく瞬間が一番ワクワクします。

そして、小さな刺繍の動物たちは、毎日をたのしくしてくれる相棒のような存在です!

今後は動物たちともっと日常を一緒に過ごしてほしくて、アクセサリー以外にもインテリアや、暮らしや生活に馴染むような作品を増やしていきたいと思っています。

また、2021年にオンライン刺繍講座を開講したのですが、そこから刺繍を「伝える」ことに興味が強くなりました。いままでは刺繍作品の販売がほとんどでしたが、これからは刺繍キットなど、刺繍の楽しみを伝えて拡げていくような機会もたくさんつくっていきたいです。

■イベント情報
itosino初個展 『 いとしのもりのものがたり 』

【会期】2022年3月18日(金) 〜 20日(日) 
【会場】自由帳ギャラリー東京・高円寺)

みなさんに「糸しの森」という動物たちの物語の世界に遊びにきてもらったような、そんな展示をお届けしたいと思っています。小さな刺繍の動物たちにぜひ会いにきていただけたら嬉しいです。