他にはない、ちょっと楽しいサロペット

貝原 佐知子と片山 由香のふたりユニット shuiro(しゅいろ)は、洋服やバッグ、アクセサリー、最近は主にサロペットをつくっています。名前の由来はふたりが、ブランド名を決める話し合いのときのこと、その頃好きだった色を混ぜたら綺麗な朱色になったのがきっかけです。

もともと洋裁の専門学校で出会ったふたりは、卒業後にそれぞれ、DCブランドやメーカーに就職しパタンナーとして働きました。

お互い2社目に転職する手前に、副業としてshuiroを始動。

当初はさまざまなアイテムをつくっていましたが、3年程前から大好きなサロペットに特化して、“他にはない、ちょっと楽しいサロペット”をつくるブランドになりました。

活動のコンセプトは、“色とりどりの色遊び”。ブランド名も、色から来ていますが、色が大好きなので「日常の中に楽しくなる色を取り入れて欲しいな」という気持ちから、カラフルな生地選びをしています。

普段明るい色を着ない方も、「着てみたら、似合っちゃった!」という奇跡も良く有ります! そんな瞬間がとても楽しいです。

突き動かされるようにはじめたサロペットづくり

思い入れ深い作品を、2点ご紹介します。

1点目が出来上がったのは、8年ほど前のこと。古着屋さんでジャンパースカートを見たときに、「この肩紐と胸当てが付いたサロペットがあったら即買いなのにな~」と思ったことがありました。

そのパーツを生かし、「サイズやデザインを今どきにしたサロペットをつくりたい!」と思い立ち、すぐにトワル(服の形見本)を制作。1stサンプルが誕生し、試行錯誤の末、今の太肩紐サロペットに仕上がったんです。思い通りの物が仕上がった最高の瞬間でした。これが、現在のサロペット制作のきっかけともなりました。

もう1点は、アンティークキルトのサロペットです。以前から集めていた、アメリカのアンティークのパッチワークキルト。パッチワークキルトにしても、家のソファやベットに掛けておくだけではなく、普段から使える物に変えたいな、と思いたちました。

そこで、コートやジャケットにリメイクされているキルトを見かけた事は多々有りましたが、やはり大好きなサロペットに仕立てたい! そしてそれを着て、キルトを持ち歩きたい!!

そうんな思いで、すぐに3点のサロペットをつくってしまいました。

高価なアンティークキルト。サロペットの素材にするまでは、まさか鋏を入れる日が来るなんておもっていなかったそうです。「仕上がったキルトサロペットは、とてもとても愛おしい存在です。それからはさまざまなものを洋服の素材として見れるようになりました(shuiroさん)」

例えば、通りすがりの人が来ていたワンピースのデザインを見て「こんなサロペットが欲しい!」となりデザインに生かしたり、魚市場での作業着が可愛すぎて、レディースサイズに落とし込んでみたり。

軍物やヴィンテージのお店、作業着のお店もよく見に行きます。

最近では、デッドストックのレースに出会った瞬間に、頭の中にサロペットのデザインが、細かいディテールまで浮かびました。

サロペットといったら「shuiro」と認知されるために

ブランドネームもすべて手づくりだと、shuiroさんのこだわりを教えてくださいました。

サロペットは「私もそれ着たい!」とお客さまに手渡す際にうっかり手に力が入っちゃう程、思いを込めています(笑)。

アトリエで面と向かってお話しして、生地選びやパーツ選びを一緒にして、オーダーを受ける場合もありますが、その時はその方をイメージしてつくります。何なら、ちょっとサイズがきつそうだった所を想像で直したりだとか、セミオーダーみたいなつくり方をします。

でも、普段は「だれか宛」にるくるわけではないため、完全に自分達が着たいかどうかがベースにあります。生地やパーツ、付属類など、アンティークの物や少ししか在庫がない物を毎回使うので、1点1点、100%自分が欲しいと思える様な仕上がりを志しています。

ものづくりは自分の中の可愛いの追求です。「サロペットといったらshuiro」、と認知されるくらいまで、サロペットを作り続けたいです。

今後は、立川のアトリエにて、服づくりの教室をやりたいなとずっと思っています。もうひとつは、みなさんの家に眠ってる、昔好きだった服や布、もう着ないけど捨てられない素材を生き返らせるために、他にはない様な面白くて可愛いリメイクを考ていきたいなと思っています。

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