ファッションが好きで、独学で手芸や刺繍を続けてきたというバッグ・アクセサリー作家 Ambivert(アンヴィバート)・みちるさん。20代半ばのデンマーク留学をきっかけに機織りやパンチニードルなどさまざまな手工芸を本格的に学び、現在はバッグ・アクセサリー作家「Ambivert」として活動をしています。テンションの上がるものづくりへの思いや、ブランドに込めた願いを伺いました。
「本当に好きなもんを出さないと」
「バッグをつくりたい、糸で何かを表現したい」という思いを持ちながら、方向性の定まらないうちにマルシェに応募したのがAmbivertとしての活動のはじまりです。
走りながら考えるタイプで、まずは作ってみるものの、自分の中で100%納得できるものがなかなかできず、時間だけがどんどん迫っていきました。そんなある日、普段は寡黙な父がぽつりと言いました。
「自分でいちからつくったものを売るんだったら、本当に自分が好きなもんださないとなぁ」
その言葉が、すとんと腑に落ちました。ふと試作のモチーフがトートバッグの上に落ちているのを見て、「これ、縫い付けたら可愛い!」と気づいた瞬間、フサフサトートが生まれました。これが自分で100%可愛いと確信を持てる、初めての作品でした。
パンチニードルを使ったモコモコトートも、レトロモダンな幾何学柄を表現するにはどうすればいいかと考えたところから生まれています。自分の好きをベースに考えることで、デザインはぐっと広がっていきました。


「これだ」と惹かれるパーツたち
国内外から集めたパーツを使った一点もののアクセサリーづくりでは、パーツ選びに三つの軸があります。ありきたりでないデザイン、珍しい色、ほかの色との組み合わせで化けそうなもの。ただの丸でなく半円だったり、少し歪んでいたり、曲がっていたり。そういった個性的なパーツに惹かれます。
制作の中で特にこだわっているのは、フサフサ・モコモコのモチーフとトートのバランスです。モチーフを引き立てる役割のトートだからこそ、正面に占める割合やモコモコと無地の部分のバランスに、細心の注意を払っています。
基本的にバックのベース生地で使用するのは、ブラックやベージュの無地の帆布。そのほかに限定生地として日本の毛織物の産地尾州(愛知県一宮市)でみつけた、珍しい日本製のツイードや海外の手芸店を回り、個性豊かな布を使うことも。頭の中で「フサフサか」、「モコモコか」と、どのように合わせるか考えて楽しみながら限定生地を選んでいます。
好きな色の組み合わせができた瞬間や、デザインをつくっている途中でひらめいて「ここをこうしたらもっと可愛くなるかも」と試してみるときは、一番ワクワクする瞬間です。


外向きでも内向きでも、ちょうどいい自分で
ブランド名「Ambivert*」は、外向的・内向的どちらの性質も持ち合わせた人を表す英語です。うまく人と話せない日もあれば、みんなとわいわいするのが好きな日もある。そんな自分の性格を「Ambivertだね」と言われたことで知った言葉でした。
でもこれって、結構な人数の人に当てはまるんじゃないかと思ったんです。外向的・内向的、どっちにつかずでもいいんだなってちょっと楽になったというか。
ファッションも同じだと思っています。みんなに「可愛い、どこの?」と聞かれるのは嬉しい。でも同時に、他人の意見とは関係なく、自分の中の「可愛い」を持っていたい。その両方のニーズに応えられる作品でありたいと考えています。
急に個性全開!周りの目なんて気にならない、と、そんな風には急になれないと思うんです。でも自分の心地よい範囲でいいし、外向・内向、ちょうどいい個性が出せるデザインだといいなと思って作っています。


*Ambivert……社交的な「外向型」と、内省的な「内向型」の両方の特徴をバランス良く併せ持つ人のこと
作品が、誰かの思い出と重なる
活動を始めてまもない頃、イベントで出会ったお客さまから丁寧なメッセージが届きました。大切なイベントにAmbivertのバッグを使ってくださったこと、そのバッグの色合いがご家族の思い出の品と似ていてとても喜んでいただけたこと。初めてもらったメッセージで、今も大切な記憶です。
以前購入してくださったバッグやアクセサリーを身につけて、見せに来てくれるお客さまもいます。「応援しています」という言葉とともに、それが制作を続けるエネルギーになっています。
これからつくってみたいのは、まずニットウェア。ゆくゆくは自分でツイードを織れるようになることも目標のひとつです。刺繍、編み物、機織り……さまざまな手芸を組み合わせた、自分にしかできないものづくりをこれからも追いかけていきます。

| Ambivert(アンヴィバート)/バッグ・アクセサリー作家 様々な手工芸を組み合わせてテンションの上がるトートバッグやアクセサリーを作ってます! ☑ IWEBストア:https://sugoihyakka.thebase.in ☑ Instagram :@ambivert_mi |

