#27 苺ジャム
朝起きたら甘酸っぱくていい匂い
君はずいぶん早くから台所で苺を煮ている
可愛らしいエプロンをした後ろ姿を眺めながら
コーヒーを飲んでいる僕は
世界一幸せな男なんじゃないだろうか
粒を残した苺ジャムはそのまま食べても美味しい
こぼれるほどパンにのっけてかぶりつく
君は牛乳と割った苺ミルクを飲んでいる
外では買えない砂糖控えめなこの味
君はエプロンをたたんで自分の家に帰っていった
君の夫と子どもが待つ家に
冷蔵庫のジャムの瓶を見るたびに
確かに君が来ていたことを確認できる
苺ジャムを食べきってしまったら
君の存在は泡のように確かなものでなくなるから
少しずつ食べている
mayamoon暮らしのエッセンス
「苺ジャムのつくり方」
【材料】苺、砂糖、レモン汁
- 苺はヘタを取り鍋に入れて砂糖をふりかけ一晩おく
- たっぷり水分が上がったら弱火にかけて煮る
- あくが出たら取る
- 最後にレモン汁をしぼって出来上がり
- 煮沸消毒した瓶に入れて冷蔵庫で保管