Mayamoon
記事を書いた人
Mayamoon
絵描き、詩人、ガーデナー
「ノートと種まき」オンラインコミュニティ主催 。書くことで自分を深掘りする ノートワークショップを開催。自身の子供の不登校、引きこもりの体験から、親のための「心が旅するお茶会」を開催。全国で絵の個展、各地イベント出店、zineを発刊する活動も行なっている

mayamoonさんのリノベーション事例はこちら


#26 骨董市

あなたがくれた髪飾りをするには
少し年をとりすぎた
それはピンクの珊瑚でできていて
冬の日の骨董市で買ってくれた
古い木箱の奥底で輝きを失っていた髪飾りは
あなたのシャツで拭くと驚くほど綺麗になった

外の空気は冷たいけれど
あなたの隣にいるだけで満たされて
何も怖いものはないような気分になった
時々指に触れてその冷たさを分かち合った

ずっと昔の物たちを眺め歩き
それを使っていた人々の暮らしを想像する
大切な人に送った物がどれほどあるのだろう
さびた栓抜き、着物、古い地図、琺瑯のタッパー、懐中時計
私たちがいなくなっても未来の誰かがこれを手にするのか
思いを馳せながら少しずつ大きくなっている木蓮のつぼみを見た

あなたは寂しいときだけ寄ってきて突然いなくなる
ようやく不在に慣れた頃
また現れて私の心をかき乱す

箱の中にしまわれた髪飾りはあなたの帰りを待っている

mayamoon暮らしのエッセンス
「骨董市の楽しみ」

古道具が豊富に揃う骨董市は週末に神社や公園で開催されている
掘り出し物を探すには朝早い時間にいくのがおすすめ
気に入ったものは、あとで見にいくと売れてしまっていることも
ここだけでしか出会えない物との出会い、店主とのやり取りも楽しい