感じるイタリアーロレーナ・アレッシオの世界ー

『♯3 コンセプトは“開いた形”』

“イタリアの住まい” は、私たちエントリエが住まいづくりをする上で大切にしている、「家族にとっての至福の時間」 「自分らしく生きること」と共通する想いでつくられています。それを私たちに教えてくれた、世界各地で活躍するイタリア人女性建築家である、ロレーナ・アレッシオさん。
今回は、ロレーナさんが現在手がけているプロジェクトをご紹介します。
*感じるイタリア ロレーナさんとの出逢いはこちら【https://entrie.net/italy/lorena01/

 

[Fingers]
プロジェクト名:フィンガーズ(オフィス〜エキシビション・スペース)
時期(デザイン):2009年〜進行中
クライアント:私人
立地:トリノ市 セッティーモ・トリネーゼ
主任建築士:ロレーナ・アレッシオ
デザインチーム:マルコ・ブリジオ、シルヴィオ・マルサニク、ファビオ・ヴィニョーロ
アート・ディレクター:ロザーリ・アレッシオ
トータルフロア面積:3,000平方メートル


独特のパノラマの中に、3,000平方メートルのオフィス・ビルディングと展示エリア。
トゥーリンのヒルサイドとスペールガ・バジリカ(*バジリカ聖堂)のある南に面している。
このプロジェクトは、一部ピロティの上に片持ち梁のようにせり出ていて、斜面の自然な状態と建築の間の対話を明確にしている。


ピロティは、工業技術的および美的な機能を共に備えた池の中にあり、その結果、リオ・フレイダーノ(*フレイダーノ川)の洪水に見舞われる。度重なるフレイダーノ川の干渉により、新たな景観がもたらされるだろう。

デザインは、‘オープニング(*開いた形)’、すなわち扇や手を開いた形、というコンセプトに基づいている。
三つの建物が丘に向かって伸びていて、この複合施設を際立たせている。建物は水平・垂直の通路で繋がっている。
具体的に言うと、三つのうち一つは、特別な景色を与えてくれるバジリカ聖堂との中心線上にある。
(*印は、訳者註です)

訳:穴沢ジョージ

 

 

■Profile
Lorena Alessio (ロレーナ・アレッシオ)

創設者・建築家
プラット・インスティテュート修士号
日本大学博士号

1994年〜1998年の間、日本大学理工学部大学院博士後期課程建築専攻に在籍。現在は、母校であるイタリア・トリノ工科大学の建築・都市デザイン学部の准教授として教育に携わると同時に、トリノで建築・都市デザイン事務所を共同主宰。
トリノ工科大学での国際的な建築デザインワークショップの企画や運営、様々な地域で行なわれるワークショップなどへも積極的に参加し豊富な経験を持つ。日本、韓国、台湾、アメリカなどでシンポジウム、講演、国際ワークショップ、展覧会も積極的に行っている。また、日本の現代建築を世界に紹介する著作も多数。
日本が好きで、とても気さくな笑顔の絶えない方です。