感じるイタリア ーロレーナ・アレッシオの世界ー

『♯7 フェラーリのリスタイリング』

“イタリアの住まい” は、私たちエントリエが住まいづくりをする上で大切にしている、「家族にとっての至福の時間」 「自分らしく生きること」と共通する想いでつくられています。それを私たちに教えてくれた、世界各地で活躍するイタリア人女性建築家である、ロレーナ・アレッシオさん。
今回も、ロレーナさんが手がけた、フェラーリ商業スペースの改装プロジェクトについて紹介します。
*感じるイタリア ロレーナさんとの出逢いはこちら【https://entrie.net/italy/lorena01/

 

[Ferrari]
クライアント:(株)フェラーリ
プロジェクト:商業スペースのリスタイリング
建築士:ロレーナ・アレッシオ、ベネデット・カメラーナ
デザインチーム:マルコ・ブリジオ、シモーナ・デッラ・ロッカ(コンペティション段階)、ファビオ・ヴィニョーロ、シルヴィオ・マルサニク(施工段階)、ロザーリ・アレッシオ( コンペティション段階:グラフィックス)、インターンシップ/キム・ドン・ウー、パク・イェオ、ホー
時期:コンペティション/2011年10月〜12月
デザイン/2011年11月〜2012年5月
建設/2012年5月〜10月

立地:イタリア、マラネッロ
全フロア面積:744平方メートル

 

Project renderings(完成パース):ホスピタリティー・ファクトリー・ツアー

2011年の秋、アレッシオ・スタジオは、カメラーナ&パートナーズとのコラボレーションで、マラネッロの歴史的用地にあるフェラーリ社商業スペースのリスタイリングに関するコンペティションに参加した。このプロジェクトは、マラネッロ本社のリノベーションと新規社屋の建造を含む幅広いプランの一環である。これには、最も名声のあるそして国際的に知られた建築家の何人かが参加している。

Project renderings(完成パース):アトリエ

具体的には、設計は「*ホスピタリティー・ファクトリー・ツアー」すなわち生産複合施設へのガイドの案内のための接待エリアと、VIPクライアントに対して最新モデルが公開される二つの「アトリエ」に関するものである。

Project renderings(完成パース):ショールーム

設計のプロセスにおいて、私たちは素材と形態に関して革新的な解決策を模索した。クラフトマンシップとイノベーションの組み合わせ、伝統、そして実験的試みが、世界に知られたフェラーリのアイデンティティーを向上させるのである。

ホスピタリティー・ファクトリー・ツアー

マルチメディアと相互作用システムが、設計の一部分を占めていて、人々にとって特権的な経験を約束している。このプロジェクトは採択され、2012年の秋には建設が完了した。

アトリエ1

アトリエ2

* 「ホスピタリティー・ファクトリー・ツアー」というのは、文中にもある通り、顧客をもてなすための部屋のことで、この部屋でフェラーリの施設全体のことがわかる。

訳:穴沢ジョージ

 

■Profile
Lorena Alessio (ロレーナ・アレッシオ)

創設者・建築家
プラット・インスティテュート修士号
日本大学博士号

1994年〜1998年の間、日本大学理工学部大学院博士後期課程建築専攻に在籍。現在は、母校であるイタリア・トリノ工科大学の建築・都市デザイン学部の准教授として教育に携わると同時に、トリノで建築・都市デザイン事務所を共同主宰。
トリノ工科大学での国際的な建築デザインワークショップの企画や運営、様々な地域で行なわれるワークショップなどへも積極的に参加し豊富な経験を持つ。日本、韓国、台湾、アメリカなどでシンポジウム、講演、国際ワークショップ、展覧会も積極的に行っている。また、日本の現代建築を世界に紹介する著作も多数。
日本が好きで、とても気さくな笑顔の絶えない方です。