古くなった住まいを新しくする <Re>だけでなく、住まいを通して、ご家族の「こうありたい <Be>」という願いまで実現したい……そんなエントリエのコンセプトに共感してくれた、ファッションデザイナーKODAI YASUNOさんによる連載。愛着のある洋服を染色することで、新たな命を吹き込み、クローゼットの中に眠っていた相棒を再びあなたのお気に入りの一着に。そんな一人ひとりの物語を紹介していただきます。

KODAI YASUNOとは
安野 広大(やすの・こうだい)さんが立ち上げた染色とシルバーアクセサリーのオーダーを受けるアパレルブランド。専門学校でデザインとファッションビジネスを学んだ後、WEBマーケティング会社での勤務を経て、アパレルショップ店長へ転身。2019年より自身のブランドをスタート。

#12 日焼けで色褪せたキャップの染め直し

今回オーダーをいただいたのは、学生時代から8年以上もかぶり続けているという帽子の染め替えです。

「お気に入りの証」ともいえる日焼けによる色褪せがあったので、買ったばかりのころのような状態に戻してほしいとのことでした。 帽子のようなかぶり物は日差しの影響を受けやすく、頻繁に使用すると今回のように日焼けによる色褪せが目立ってしまうことが多くあります。

そこで形やデザインはそのままに、染め替えによって新たな命を吹き込むことになりました。

購入当時の「色味」を再現

課題は「購入時の色合いを再現すること」でした。

現状の色褪せした状態から、新品を想像して染色していく作業となります。色褪せの状況と被り続けた年数、使用頻度からさかのぼってみた結果、買ったばかりのときは「濁りのない真っ黒」だったことがわかりました。

そのため今回は染めムラが出ないよう注意しながら「均一な黒に染めること」をゴールに染色を施しました。

記憶もアイテムも、当時の姿に帰化させる

▷お客さまの声「購入当時のような綺麗な黒に復活させてくれて感動! 恥ずかしくて最近使用できていなかったが、また長く愛用することができそうです。ありがとうございます!」

今までも、これからも、お気に入りのアイテムは誰にでも存在し続けます。

ただ使用頻度が多くなると劣化しやすく、色落ちも激しくなり「長く着たいけれど、泣く泣く捨ててしまう」といった悲しい結末をたどることもあるかもしれません。

そんなお気に入りの1着も「染め替え」を施せば捨てることなく、長く着続けることができます。

思い出の詰まった1着は、捨てるときに思い出も一緒に捨ててしまっているような悲しい気持ちになりますよね。

染め替えで「思い出を残し、新たな思い出を刻んでいく」という選択肢もあります。お悩みの方はぜひご相談ください!

● KODAI YASUNO

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