SABOTENSのお散歩、今回は赤坂です。駅前には商業施設やオフィスビル、ホテルなどが立ち並び、ビジネスマンが行き交っています。しかし大通りから一歩中へ入って嗅覚を頼りに歩いてみると、都内屈指のパワースポットとして知られる神社や緑豊かな住宅地が現れます。都心をゆったりした気持ちで歩くという、贅沢な時間を過ごしました。
パワースポット・日枝神社でパワーチャージ
今回SABOTENSがやってきたのは、赤坂! 駅から外に出ると、いきなりビル・ビル・ビル。このTHE・都心でも、いつもの嗅覚は発揮されるのかと戸惑いつつ、道の端っこではみ出すタンポポを発見。
村田 :あ、タンポポが隙間から咲いてる!
藤田 :花盛りだね。
すぐそばでは、なんと第一落ちもん発見!一気に赤坂に親近感が湧き、幸先の良いスタートです。
藤田 :あ、落ちもんもある!
村田 :かわいい!なにこれ?
藤田 :熊のぬいぐるみかなあ。幸先いいね。
村田 :いいスポットだ。
駅のすぐそばには、日枝神社( 千代田区永田町2丁目10−5 )という大きな神社。縁結びや仕事運、商売繁盛など幅広いご利益があるとされ、多くの参拝者が集まるパワースポットです。もちろん我々も、パワーにあやかりに参拝しにいくことに。
村田 :うわあ、氷川神社の鳥居、立派だ!境内に行くためのエスカレーターまでついているよ。
藤田 :おじゃましまーす。
藤田 :桜もまだ残ってるね!
村田 :桜吹雪がいいなあ。境内は広々してるね。街中にこんな場所があるなんて。
細野 :境内にかわいい猿の像があるね。
藤田 :そうそう、日枝神社には、道開きの神様である猿田彦様がいるからね。
お参りを済ませた後は、境内授与所へ。猿をモチーフにしたお守りや絵馬など、多種多様な授与品が並んでいます。日々も将来も何かと気になる私たち。日枝神社のパワーを少しでも持って帰りたいと、真剣に選びます。
藤田 :いろんな種類のお守りがあるね!楽しい。
村田 :お守りに絵馬に手ぬぐいに……かわいい!願い事によって組み合わせられるお守りもある。
細野 :猿のステッカーもあるよ。
村田 :金ピカにひかる「商売繁盛」のステッカーまで!お守りとセット買おう。
藤田 :私はステッカー3種類。神社で爆買いする私たち……。
パワーを思いっきり充満させた後は、「山王日枝神社」の大きな石碑の前で記念撮影をして、神社を後にしました。
大都会のスキマを求めて
神社を後にした一行は、赤坂のまちへ。前日の天気予報では大雨予報でしたが、不思議と晴れ女のSABOTENS。この日は雨が降っていないどころか、うっすらと晴れ間まで見えてきました。
藤田 :晴れてきた!嬉しい。
村田 :ほんとだ、晴れ間が見えてきたね。
細野 :大雨予報だったのに。
藤田 :昨日天気予報で「雨」って聞いて、そんなバカなと思ったよ。
村田 :なんとかなるんじゃないかと思ったら、なんとかなった。
藤田 :散歩日和って感じだね。
村田 :ようやく暖かくなって、外を出歩くのが楽しくなってきたよ。
大通りを一歩中へ入ってみると、料亭や居酒屋、スナックなど色々なお店がひしめいています。
藤田 :見て、この扉!
村田 :秘密の扉!?どこにつながってるんだろう!
藤田 :点検のための扉かな。
細野 :異次元につながってたら楽しいね。
村田 :うわあ、いいねえ、このビル。
細野 :ここに「SABOTENS」っていう看板があったらいいね。
藤田 :最高だね!60歳くらいになったら3人でスナックでもやりたいねえ。3坪くらいで、友だちだけ来るスナック。
村田 :いいねえ。
藤田 :「今日、行ける人!」「行けるよ」って気が向いたらやる感じ。
村田 :日替わりで店番して。「今日は腰が痛いから無理」とか。
藤田 :「じゃあ今日は開けなくていっか」って。
細野 :ゆるゆるだ(笑)
ここで、人気のないビルと地面の間に空いていた隙間が気になり立ち止まる 筆者(村田) あやちゃん
村田 :ここは使われてないビルなのかな。ビルの下に隙間がある。どうする?隙間から誰かがこっちを見てたら……。
藤田 :怖いよ(笑)
村田 :こういう隙間から草が生えてるの、いいなあ。赤坂の「はみだせ緑」スポットだ。
藤田 :すごいね!元気。かわいい。
ふと不動産屋の看板を発見。気になってチェックしてみると、なんと売地にとんでもない価格がついていたのでした。やはりここは赤坂……。
細野 :におくきゅうせんまんだって!
藤田 :すごい。
村田 :さすが赤坂。この辺に生えてる草は、高級な草だね。小さな隙間でも平気で坪単価10万くらいしそうだよ。
村田 :見て、この階段、気になる!
藤田 :いいね!行ってみよう。
村田 :赤坂にこんなところがあるんだっていう意外な場所が結構あるね。
藤田 :ほんと、面白いね。
村田 :意外と隙間の緑も多くて楽しいな。
藤田 :ギャップがあるね。赤坂のイメージと。
藤田 :あ、猫チク(猫よけのためのチクチクしたシート)だ。猫、ここで生きていくのは大変だろうね。
村田 :この辺に猫なんているのかなあ。もしかして人チク?
藤田 :酔っ払いチクかも。
藤田 :この段ボールは、誰用かな?
村田 :ぶつかっても痛くないように?
細野 :赤ちゃん向けとかなのかな。
村田 :優しい。
藤田 :見て、ビルとビルの間に1本だけ、木が生えてる。
村田 :ひょろーんとしてるね。赤坂で勝手に生えた木。
藤田 :光合成はなかなかむずかしそう。頑張れ!
ゆっくり歩く赤坂の時間
藤田 :赤坂みたいな都会を歩くのも楽しいねえ。いつも仕事で来るときは急いで歩いてるから、あまり隅っことか端っことかは見ないもんな。
細野 :確かに。マップを見て「ここ」っていう目的地にしか来なかったな。
藤田 :こんなに急がずじっくり赤坂を歩いたのは初めてだ。
村田 :なかなかないよね。
細野 :こういう時間は必要だね。2時間くらい目的もなく歩くってすごいよね。
藤田 :贅沢でありがたいことだよね。
村田 :お、なにかのキャラクターが落ちてる。
藤田 :ぬいぐるみだ。これなんだっけ?シモン?
細野 :シナモロールだ。
藤田 :シナモンロールか。
細野 :実は「シナモンロール」じゃなくて「シナモロール」なんだよ。
村田 :そうなんだ!食べ物のほうかと思ってた。
細野 :見て、ビル毛だ!
村田 :ほんのちょっと生えてるね!その下にはプチ整形できるクリニックが入ってる。
藤田 :どうする?次に会ったとき、私の顔がちょっと違ったら。
村田 :大丈夫。静かに受け入れるよ。
細野 :開けた公園がある。
藤田 :噴水もあって、いい感じ。
村田 :ベンチにいるおじさんの周りに鳩が集まってるね。
藤田 :おじさん、意外とこのあたりの御曹司かもよ。
村田 :赤坂一帯を取り仕切る影のフィクサー?鳩にいたずらする人がいないかどうか見守ってるのかも。
そんな話をしていたら、突然おじさんが鳩を追い払い、わたしたちの頭上を鳩が一斉に飛び去っていきました。
藤田 :見て、木の根元が池みたいになってる。自分たちの水を自分たちで確保できるね。
細野 :貯水池だ。
村田 :自給自足。
公園を過ぎるとマンションや戸建ての住宅が増えてきました。赤坂は坂の多いまちでもあり、住宅街の合間に傾斜のある道が現れます。
村田 :この坂は「転坂(ころびざか)」っていう名前なんだ。「江戸時代から道が悪く、通行する人がよくころんだために呼んだ」んだって。
藤田 :悲しい……。ここで色んな人達が転んできたんだね。
村田 :坂に名前がちゃんとついてるのがすごいね。横浜に「尻こすり坂」っていう坂があるんだけど、それと戦わせたいな。……あ、椅子が捨てられてる。
藤田 :この椅子に乗ったまま前の転坂を下ったら楽しそう。そういう非日常を味わいたい。
村田 :ちょうどいいところに椅子があるよね。
細野 :AIを駆使してその映像を作りたいね。
赤坂でたくましく育つジャスミン
ゆっくりした時間を過ごせるありがたみを噛み締めながらブラブラと歩いていると、木々の緑に包まれた神社を発見。赤坂氷川神社( 港区赤坂6丁目10−12 )です。
細野 :あ、神社だ。
藤田 :氷川神社なんだね。
村田 :行ってみよう。
細野 :雰囲気のいい神社だね。
村田 :日枝神社とまた雰囲気が違うね。木々のいい香り。
村田 :「包丁塚」だって。料理人の使い古した包丁や魚の霊を慰めるためみたい。そうか、赤坂といえば昔から料亭が多そうだもんねえ。
藤田 :そうか、そうか。
細野 :いろんなものにまつわる神様がいるんだねえ。
藤田 :木が大きくて気持ちいいねえ。
村田 :ほんとだねえ。
藤田 :やっぱり東京って緑が多いよね。
細野 :こういうところを見ると、赤坂って住めるって思うね。
縁結びのパワースポット・赤坂氷川神社。さくらんぼの形をしたかわいいおみくじを発見して引いてみたところ、縁のあるお相手について具体的なアドバイスが書かれていました。
細野 :相性の良い血液型とか星座とか、具体的なことが書いてあるんだね。
村田 :「待ち合わせは静かな公園や美術館がいい」「2歳差までよい」って、こんな具体的なことまで!
細野 :ご縁を探している方には参考になるね。
村田 :勉強に対するアドバイスもあるね。「やる気を起こすには早急に目標を定めるべし」。確かにそうだ。
細野 :私のは「暗記が雑」って書かれてる(笑)
藤田 :私は「根気よく継続してやるべし」って。
細野 :学問だけは、厳しいアドバイスだね。
藤田 :親身になって、適格なことを手厳しく言ってくれるね。
中を確認した後は、ナギの木に結びつけます。
藤田 :いいこ゚縁がありますように。よろしくお願いします。この連載はパワースポット巡りになりつつあるね(笑)
細野 :お散歩して疲れたとき、神社に来ると一回リセットされる感じがするよね。
村田 :やっぱいいよねえ。神社って。
赤坂氷川神社は、境内だけでなく周囲も緑豊かで、静かな時間が流れていました。
藤田 :赤坂なのに、まるで箱根に来ているかのような感じがするね。
村田 :神社があると、まちにどこかゆったりした雰囲気が流れていていいねえ。
藤田 :大きい木があって、境内も広々していて。
細野 :赤坂氷川神社は、東京十社巡りのスポットでもあるんだって。
藤田 :東京は神社が多いんだねえ。
村田 :さっきの日枝神社も入ってるね。どっちの神社にも、熱心に参拝されている人たちがいたね。
神社の周りを歩いていると、細い路地に気になるもじゃもじゃスポットを発見!近づいてよくよく見てみると、なんと小さな鉢から大きく育ったジャスミンでした。
村田 :うわージャスミンがたくましすぎる!
藤田 :めちゃくちゃいいじゃん!この道通ってよかったね!
村田 :反対側から見てもすごい!
藤田 :あんな小さな鉢からこれだけ育ってるなんて、思いもしないね!
村田 :鉢の札に「赤坂6丁目住民有志 園芸部」って書いてある。いいなあ!有志の園芸部の方々がいるんだ。
細野 :お会いしたいね。
村田 :会いたいよ、園芸部さんに。最後に赤坂の素敵な園芸スポットに出会えてよかった!
藤田 :素晴らしい場所だったね。
ビルが立ち並ぶ駅周辺は「THE・都心」の印象だった赤坂。歩き進めるにつれて、緑豊かな神社や静かな住宅地、植物愛あふれる園芸スポットなど、思いがけない見どころに溢れていました。
細野 :面白かったね!
藤田 :古くてかわいいおうちが意外にいっぱいあったね!そういうおうちをリノベーションして住めたら最高。
村田 :私も、古くてかわいいマンションに住みたいなあ。願わくば神社の近くに住みたいなあ。都会だけどすぐそばに自然豊かな場所があって。赤坂、色んな雰囲気の場所があったなあ。
本日の一コマ漫画
イラスト/藤田 泰実(落ちもん写真収集家)
こころに残る赤坂の風景
村田のミカタ :園芸部さんの手を半分離れた?フェンスの向こうに脱走中のアロエ
藤田のミカタ :違う場所にはかされたほっこり迷子ソックス