たんざわさちよ
記事を書いた人
たんざわさちよ / Tanzawa Sachiyo
整理収納アドバイザー
「自分の気持ちがどう動いた」を大切にしながら、片づけの仕事をしています。派手では… ないけれど、そばにあると心が整うもの。誰かの温度が感じられる古いものや自然素材、自分も地球の一部のように自然体に暮らせるように、わたしなりの解釈ではありますが、暮らしを楽しめたらと日々生きています。 現在の趣味は、カゴ編みとフライフィッシング、ヨガなど自然と自分が結びつくような事。夫、年子姉弟の4人暮らし。

先日、高尾駅近くで“こころとからだによいことを”をコンセプトにお店を持っている晴行雨読さんが主宰する「ダーニングでお繕い」というワークショップに参加してきました。講師は、仙川(調布市)に0.5gramというお店を構えるあらいかずよさん。ダーニングという言葉自体、私はこの日まで全然知らなかったんです。

お裁縫から、離れていた私が針と糸を手にして

ワークショップ中、「さちよさん、手先が器用そうだから、お裁縫得意そうだよね」と言われたんです。そういう印象なんだと思うと同時に、なんで私はお裁縫が苦手なんだろう、とふと振り返っていました。

針を持つ手元の写真

思い当たったのは、お片づけの影響でした。

子どもが年子で生まれて、毎日がめまぐるしかったころ。やらなくても困らない家事を手放し、必要最低限のことだけを残す。そんなふうに暮らしを見つめていた時期があったんです。

子どもが生まれたらミシンを買う、という風潮もあるけれど、大きくて収納しきれないし、出番はきっと年に数回。ミシンが得意な人は周りにいるから、頼ろう。そう決めて、お裁縫からはわざと身を引いていたんだなと思い出しました。

ただ、久しぶりに針に糸を通してみると、これが趣味の釣りに似ているんです。毛針の小さな穴に、ティペットという細い釣り糸を通すあの感覚。でも今回は、硬い釣り糸ではなく、やわらかい繊維の糸。それだけで、「なんだか楽しい!」という気持ちになっていきました。

虫も知っている、おいしい服

虫食いの痕跡あるお洋服

ワークショップに持っていったのは、“土にかえる服”をコンセプトにしたブランドのお気に入りのカットソー。前と後ろに小さな穴が開いていて、ひっかいたような穴じゃないから、たぶん虫食いなんだろうと思いつつ、目立たないので着ていました。けれど、やっぱり気になっていて(笑)。

その話をしたら、あらいさんが「虫もわかるのよ、おいしいお洋服が」「自然素材のものは、虫さんも食べちゃうんです」と仰ってくれて。

なんて面白いんだろう。農薬を使っていない野菜ほど虫に食べられるのと同じで、虫食いは、それだけ素敵な服だという証。そう思えたら、穴が開いたのも自然な流れなんだなと受け止められました。

だからこそ、手をかけていかないと長くは着られない。遠ざけていた「直しながら着る」ことに、ようやく気持ちが向いた瞬間でした。

ダーニングは、やってみると本当に簡単で、すっごく楽しい。しかも繕った跡が、世界にひとつしかないデザインになるんです。さらに愛着のあるお洋服に。あらいさんも、晴行雨読のオーナーたがめさんも、たくさんダーニングしたお洋服を着ていて、それがめちゃくちゃかわいい。「かわいいでしょう」と笑顔で見せてくれる光景に、ダーニングから広がる幸せを感じました。

ダーニングを施したお洋服

その日に繕った服は、今もお気に入りで着ています。自分の手でつくった、光るワンポイント。お片づけが家に手を加えていくことなら、ダーニングは服に手を加えて、好きなものを長く愛していくための術なんだなと思います。

ダーニングした虫食いの痕跡あるお洋服

最後に、たがめさんから手をいたわるストレッチも教わりました。料理に掃除に、毎日たくさん手を使う私たち。女性も男性も関係なく、手をいたわる時間って大切ですね。

そんな今日の暮らしの一品は、ダーニング。

手をかけるほど愛着がわいて、長く愛せる。苦手だと思っていたお裁縫の世界を、そっと開いてくれた一品です。

お土産でいただいたダーニングセット

たんざわさちよ
整理収納アドバイザー

たんざわさちよ / Tanzawa Sachiyo

「自分の気持ちがどう動いた」を大切にしながら、片づけの仕事をしています。派手では… ないけれど、そばにあると心が整うもの。誰かの温度が感じられる古いものや自然素材、自分も地球の一部のように自然体に暮らせるように、わたしなりの解釈ではありますが、暮らしを楽しめたらと日々生きています。 現在の趣味は、カゴ編みとフライフィッシング、ヨガなど自然と自分が結びつくような事。夫、年子姉弟の4人暮らし。

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